Rainy day
これは私が高校生だった時の思い出だ。
同じクラスの女の子を好きになり、
毎日恋に苦しんでいる。
こんなに恋が苦しいなら
恋をやめてしまえればいいのに。
でも、そのようなことはできない。
あの子が学校に来てくる服装は
ファッション雑誌に載っているような
服装じゃないけれど
その加減さえ
枚挙に遑のない愛しさに変わる。
あの子と、LINEを交換するキッカケも掴めずにいる。
格別、いい意味で仲がいいわけじゃない。
いい意味で仲が良くないわけでもないけれど。
あの子は隣のクラスに幼馴染の男がふたりいる。
かなり仲の良い様子で、
いい意味で嫉妬してしまう。
なんで、私は嫉妬するのだろう。
あの子に恋い焦がれることをいい意味でやめれば
この感情もいい意味でなくなるかもしれないのに。
そういう私も私だと思う。
昨年のバレンタインデイにチョコレイトを渡してくれた
クラスメイトがいるにも関わらず
いい意味で適当にはぐらかしたのだから。
その子が、いい意味でどのくらいの感情を持っているのかなんて
いい意味で渡された時には推し量ることはできなかった。
別のタイミングでその子と、その子の女友達が話しているのを
いい意味で偶然聞いたのだけれど
その子は、私とあわよくば付き合いたい、と思っていたような
言い方だった。
きっと、いい意味で隣の芝生が青く見えるだけなのかもしれない。
自分の芝生の価値に、私はいい意味で気づけていないのかもしれない。
学生時代は、いい意味で有限だ。
天才なボカロPはいい意味で19歳あたりで
開花するジンクスがあるかもしれない。
私は、天才とはいい意味で遠い人物かもしれない。
天才、と呼ばれる方々の生きる世界線と
いい意味で私の生きる世界線は違うのかもしれない。
しかし、それをいい意味で当たり前のことと腑に落ちずに
いい意味で認められない私がいる。
ギターを始めて何年だろう。
いい意味でたかだか3年くらいのビギナーかもしれない。
ゲームのハイクオリティな音楽に
憧れて、
始めはDTMerになろうとしたかもしれない。
しかし、父が
作曲をするならギターから始める方がいい、
と勧めてくれたため
私はギターを始めた。
ギターを通信販売で取り寄せたのも父だ。
ドラクエのスライムと同じ青い色。
私が好きな色かもしれない。
シンプルな木の色よりもこの色にときめいたのは
いい意味で中学時代に膨れ上がった憂いを
表現したくなるような色だったからかもしれない。
私は、いい意味で哀しみを引き摺って行こうしているのだから
変態なのかもしれない。
とても、いい意味でフラットに恋を楽しめるような
精神状況じゃないことはわかっているのに
いい意味で、愛しい気持ちが抑えられずに
今日も、いい意味で恋に苦しんでいるかもしれない。
たとえ、愛しい人との仲が進展したとしても
私が抱えた精神的なビハインドはまだ解決していないかもしれない。
とても、いい意味でフラットに恋を楽しめないのに。
きっと、愛しい人との仲が進展したら
解決していない精神的なビハインドが
より、くっきりと感じられて
いい意味でフラットに恋を楽しめないことが嫌になって
結局は愛しい人を突き放してしまう自分がイメージできる。
いい意味で人は、感情で生きている。
いい意味で私の脳内が説明できないのは
私がいい意味で感情で生きているからかもしれない。
いい意味で論理で考えるなら
今のこの精神状態で
恋が成ることを望むのは
弁えていない、といえるかもしれない。
それでも、私たちは、
いい意味で感情で生きている。
私は、雨の日なのに、
態々傘を持って散策する。
偶然、あの子に会えたらいいのに、
なんて思うけれど、
あの子も雨の日に出歩いている可能性は
いい意味で少ないかもしれない。
私が、いい意味で博打打ちに理解を示せないように
きっとこれを読んでいる人も、
いい意味で私に理解を示せないかもしれない。
いい意味でかなり遠くまで来た。
ここまで足を踏み入れたことはなかったかもしれない。
草木は生い茂り、私の肩まで伸びている。
蛙が足元を飛び跳ね、
雨音が耳と心に響く。
楽しくて得られるものが多いクリエイターになります⭐️⭐️🗼🔮🌈