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ふたりの中間地点

今まで共同生活を経験したことがなかった私が夫と一緒に暮らすようになったのは2年前。
今でも一緒に狭い湯船に入ってその日あった出来事を30分以上はなし続けたり、休みの前日にはお菓子を買い込んで遅い時間までNetflixを見て泣いたり笑ったり、広い窓で夕陽が沈むのをボーッと眺めている。

でも初めはそう簡単に2人の居心地の良さを見つけることができなかった。
優しい母の元を離れた末っ子の彼は自分のお洋服を洗うこともお風呂を洗うこともできなかったし仕事を12時過ぎまでやっていて、2人で暮らしていることの意味をわかっていなかった。
私も大好きな彼との同居でかなり気を張っていたし、健康的な食卓、季節のお花を家中に飾るなど家庭的な女性を無理に演出していた。

何回かは些細な喧嘩で済んでいたが、平常心の時には目をつぶっていた我慢と解決しきれてなかったイザコザが積み重なるうちにマグマがぐつぐつと煮え、ついに噴火!大粒の涙をボロボロ流しながら強い口調で叫びモノを投げてつけていた。普段はあまり自分の意見を言わない彼も声を荒げ、口論を繰り広げた。
ものの数分だったが2人とも心の底で思っていたことが言えて落ち着いた結果、笑ってハグしていた。(ついでに私は涙と鼻水でびしょびしょの顔を彼のトップスでぬぐった)

今もイライラしたり、違和感を感じることはあるが、その都度はなしをして解決している。喧嘩した後はハグすることも習慣になっている。

日々トライアンドエラーを繰り返し、居心地の良いふたりの形をこれからも探し続けていくのだろう。


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