第6回添削杯参加レポート~再録禁止禁止ヴィンテージ調整録
2022/8/7に開催された添削杯に参加しました。前回の宣言通り、独自構築のデッキを携えました。
1.使用デッキ
[クリーチャー]
4:《変わり身ののけ者/Changeling Outcast》
4:《鱗粉の変わり身/Mothdust Changeling》
4:《仮面の蛮人/Masked Vandal》
4:《厚顔の無法者、マグダ/Magda, Brazen Outlaw》
1:《獅子の飾緒/Lion Sash》
4:《不確定な船乗り/Unsettled Mariner》
4:《Elvish Spirit Guide》
1:《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
4:《猫の君主/Feline Sovereign》
1:《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
4:《勇敢な変わり身/Valiant Changeling》
[呪文]
4:《飢餓の潮流、グリスト/Grist, the Hunger Tide》
[土地]
4:《魂の洞窟/Cavern of Souls》
4:《閑静な中庭/Secluded Courtyard》
4:《マナの合流点/Mana Confluence》
4:《宝石鉱山/Gemstone Mine》
3:《真鍮の都/City of Brass》
2:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》
[サイドボード]
2:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》
2:《流刑への道/Path to Exile》
1:《真髄の針/Pithing Needle》
1:《未認可霊柩車/Unlicensed Hearse》
2:《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
1:《高山の月/Alpine Moon》
1:《正気破砕/Fractured Sanity》
1:《貪欲な罠/Ravenous Trap》
1:《外科的摘出/Surgical Extraction》
1:《静寂/Serenity》
1:《耳の痛い静寂/Deafening Silence》
1:《時を超えた英雄、ミンスクとブー/Minsc & Boo, Timeless Heroes》
レガシーの多相ドワーフをヴィンテージ仕様に調整しました。先日《Mox Emerald》と《Mox Pearl》を購入したにも関わらず不採用なのは、記事タイトル通りに再録禁止禁止構築という謎の縛りを科しているからです。特に意味のない縛りプレイですが、せっかくなのでP9を買い揃える前に一度は挑戦しておこうと思いました。
メインは4積みばかりなのにサイドはピン刺し多めなので、デッキリストの4割がサイドボードです。ちなみにレガシーでイリーガルのカードは採用していないので、このリストのままレガシーで使えます。また、大半のカードはモダンリーガルなので、少し調整すればモダンでも使えます。最も、それらのフォーマットには既にちゃんとしたリストがあるので、最初からそちらを参考にしたほうがいいでしょう。
・クリーチャー
《厚顔の無法者、マグダ》
多相ドワーフのドワーフ担当。展開の軸になるカードです。能力が3つあって、
・他のドワーフに+1/0修整
・ドワーフがタップされるたびに宝物を生成
・宝物5つをコストにデッキからドラゴンかアーティファクトを場に出す
と、伝説とはいえ2マナのクリーチャーとは思えないスペックです。ドワーフでなければここまで能力てんこ盛りにはならなかったでしょう。
デッキの大半がドワーフなので、多相クリーチャーで攻撃するたびに宝物が出ます。どこぞのお猿さんもびっくりですね。また、後述の《鱗粉の変わり身》が絡むと、MOX不採用の不利を覆すほどの展開力を発揮します。
《鱗粉の変わり身》
《変わり身ののけ者》
1マナの多相です。《鱗粉の変わり身》は自分のクリーチャーをタップして飛行を得ます。いわゆるタップアウトレットなので、召喚酔いのクリーチャーもタップできます。マグダと揃うと全ての多相が酔わない《極楽鳥》となるので、テンポの概念が崩壊します。
《変わり身ののけ者》はブロックできない代わりにブロックされません。他のフォーマットだと《自在自動機械》になっている場合もありますが、《溜め込み屋のアウフ》の採用率が高いヴィンテージで《前兆の時計》とのコンボを狙うのは現実的ではないため、こちらにしています。暇なときにちまちまクロックを刻んでくれるので結構馬鹿になりません。
《仮面の蛮人》
《不確定な船乗り》
2マナの多相です。《仮面の蛮人》はエンチャントかアーティファクトを追放できるので、このフォーマットの凶悪パーマネントに対処できます。ただし、墓地のクリーチャーを追放しなければならないので、肝心なときに能力が使えないのがネックです。
《不確定な船乗り》は味方に護法1マナ相当の除去耐性をつけます。範囲がとても広く、自分のパーマネント全てとプレイヤー自身も守れます。反面、要求するマナが少なく割と簡単に支払われること、またかなり誘発を忘れやすいのが難点です。色拘束も厳しいので、5色土地を割られると途端に出しにくくなります。
《勇敢な変わり身》
7マナ3/3多相で、二段攻撃を持っています。ただし、自分の場にあるクリーチャータイプの数だけ最大5マナまで軽減されるので、多相がいれば実質2マナ3/3二段攻撃というとてもコストパフォーマンスが良いクリーチャーです。ロードの修正が入ると打点が跳ね上がるので、是非ともマグダと一緒に並べて殴りましょう。
《猫の君主》
猫のロードです。1体以上の猫で戦闘ダメージを与えるたびに相手のエンチャントかアーティファクトを壊せるので、《ウルザの物語》が跋扈するこの環境では心強いです。とはいえ、3マナなのでかなり重く、《勇敢な変わり身》が絡まないと1個ずつしか壊せないので、劣勢時は手遅れになりがちです。1マナ多相はそれぞれ回避能力持ちなので、攻撃自体は通りやすいのが嬉しいところです。
《Elvish Spirit Guide》
《猿人の指導霊》
MOX不採用のハンデを埋めるマナ加速です。使い切りですが、打消しや《スレイベンの守護者、サリア》が効かず、またマナフラット時はクリーチャーとして出せるのはメリットです。赤マナはマグダ以外はほぼ要求しないので、この配分に落ち着きました。
《龍王シルムガル》
マグダで持ってくるドラゴン枠。マグダは多相クリーチャーも持って来れるので無理に採用する必要はないのですが、相手の脅威を奪えるのはかなりバリューが高く、事故要員になるリスクを考慮してでも採用しています。大抵は攻撃時に出てきた《忍耐》をどかしています。
《獅子の飾緒》
枠が空いたので採用したカード。猫なので《猫の君主》の修正を受けられる、マグダでサーチできる、《不毛の大地》を《レンと六番》で使い回す動きを止められるなどの理由で採用しましたが、調整段階でも本番でもまともに引かなかったので使用感が分からないまま……何か他に採用したいカードが出てきたら真っ先に抜ける枠だと思います。
《飢餓の潮流、グリスト》
正確にはクリーチャーではありませんが、場に出ていないときはクリーチャーになるので実質クリーチャーです。このデッキの数少ないリソース供給カードであり、除去であり、勝ち筋でもあります。クリーチャー呪文になるので《魂の洞窟》の恩恵を受けられ、《否定の力》が当たらないので、着地しやすいです。また、+1能力で多相が落ちると追加で昆虫トークンを生み出せ、一度に3-4体のトークンを出すことも珍しくありません。
このカードと《ドワーフ徴募兵》を合わせることで、大量のトークンを並べつつ返しの奥義で大ダメージを狙うコンボも存在しますが、徴募兵自体が単独だと弱いこと、コンボが決まってもすぐには勝てないこと、そもそもグリスト単体で十分勝ち筋になれることなどから、事故率に見合ったメリットがないと考えて不採用としています。
・土地
《魂の洞窟》
《閑静な中庭》
出たときにクリーチャータイプを指定して、それ専用の5色土地になる土地です。《魂の洞窟》は打消し耐性を付与するので、展開がしやすくなります。元々メインは土地とクリーチャーしかいないので、相手は《意志の力》以外の打消しを腐らせやすいです。その上で《魂の洞窟》を使えば、相手の手札が不要牌ばかりになるでしょう。基本的には確実に通したいクリーチャーを指定しますが、手札が多相しかいない場合などはドワーフ>昆虫>猫の優先度で指定しています。稀に《Elvish Spirit Guide》のためにスピリットを、《龍王シルムガル》のためにドラゴンを宣言する場合もありますが、本当に稀です。
《閑静な中庭》は打消し耐性がつかないので、基本的には色拘束がきついグリストのために昆虫を宣言します。能力の起動にも色マナを使えるので、《獅子の飾緒》を使うなら猫を宣言することも考慮しておいていいでしょう。母聖樹をサイドインするマッチかつ相手がランデスをして来ない場合には1枚サイドアウトするときもあります。
《マナの合流点》
《宝石鉱山》
《真鍮の都》
色マナの用途が限定されない5色土地です。《宝石鉱山》はダメージを受けないものの、使える回数が少ないので初手で置くのは控えましょう。ただし、相手が《不毛の大地》で土地嵌めをしてくることが予想される場合には、敢えて1ターン目に置くこともあります。他2つはダメージが地味に痛く、殴ってくる相手には置く順番や起動の仕方を考えましょう。
《耐え抜くもの、母聖樹》
土地の枠に入る置物破壊。マグダが伝説なので1マナ軽くなるのも相性がいいです。《Elvish Spirit Guide》を絡めて1ターン目から起動したり、タップアウトから起動することで相手の計算を狂わせることもあります。打消しが当たらないので、やや重いことや相手に土地を与えることを考えても最優先に採用するべきだと思っています。相手が置物の少ないデッキであっても、土地(特に《The Tabernacle at Pendrell Vale》)を壊せるので、サイドアウトはしないようにしましょう。
・サイドボード
《貪欲な罠》
《外科的摘出》
《未認可霊柩車》
墓地対策です。いずれも一長一短なので散らして採用しています。《未認可霊柩車》は墓地対策だけではなくクロックにもなるので、墓地は使うけど対策するほどでもないデッキに対して使いやすいものの、《溜め込み屋のアウフ》が入るデッキには使えないのが残念です。
《流刑への道》
除去枠です。《剣を鍬に》でない理由は、マリッドレイジや《甦る死滅都市、ホガーク》相手に使用した場合にライフを与えすぎて勝つのが難しくなること、そうでなくともクリーチャーデッキ相手はダメージレースが不利になりやすいことを考えると、それに対して基本土地を与えるデメリットは大したことがないと判断したからです。
《静寂》
《耐え抜くもの、母聖樹》
追加の置物対策です。《活性の力》は緑カウントがやや怪しいこと、マリガンが多くて手札がかつかつになりやすいので壊した後が続かず相手にリカバリーされやすいことから不採用です。
《精神壊しの罠》
《正気破砕》
《耳の痛い静寂》
コンボ対策です。あまり対策札を積んでもそれだけでキープするのは難しいので、相手が遅いことを祈りながらこちらがドブンを叩きつけたほうが対コンボは勝てると思います。そもそもコンボ相手はかなり厳しいので、コンボに負けたくないならこのデッキを使うのはやめましょう。
《真髄の針》
《高山の月》
その他の対策札です。《真髄の針》はPWがきついので採用。《Bazaar of Baghdad》も止まるので墓地対策も兼ねれます。その他起動型能力が絡むコンボも止めれるので地味に刺さる場面が多いです。《高山の月》は《ウルザの物語》対策ですが、《不毛の大地》や《The Tabernacle at Pendrell Vale》も見れます。
《時を超えた英雄、ミンスクとブー》
話題のPW。フェアデッキ相手の有効打が少なかったので採用。このデッキの4マナは途轍もなく重いのですが、出れば大体勝つので1枚は許容範囲だと思っています。
2.大会結果
R1 墓荒らし 〇×〇
G1 《鱗粉の変わり身》からのマグダで展開して多相を並べ、総攻撃時に出てきた《忍耐》をマグダからサーチしたシルムガルでどかして勝ち。
G2 《勇敢な変わり身》キープするもオーコで鹿にされて、グリストで盤面を取ろうとするもタルモと《マナ喰らいのハイドラ》を出されて押され気味に。マグダを差し出してグリストを守るも後続が続かず負け。
G3 《鱗粉の変わり身》を出した後にランデスを連打されるも、相手がウィルを撃てず、その隙にマグダからの《勇敢な変わり身》連打で圧殺。
R2 オース ××
G1 オーコでマグダを鹿にされた上にオースが着地。母聖樹でオース割るも2枚目を引かれて負け。
G2 事故り気味の初手を母聖樹頼みでキープしたらランデスされてテンポロス。その後《新緑の命令》でトークン並べられてオーコで鹿にされて負け。
R3 青白石鍛冶 〇〇
G1 マグダを消されて《カルドラの完成体》が出てくるも、《仮面の蛮人》で追放して、ひたすら多相並べて殴り勝ち。
G2 不毛嵌めされながらもマグダに繋いで並べて勝ち。
R4 人間 ×〇×
G1 2ターン目グリストハンドでキープするも、初手ロータスからルールス、《エメリアのアルコン》と出されて、タップインした土地も割られてグリストが出ず負け。
G2 グリストとマグダで盤面作って勝ち。
G3 《勇敢な変わり身》キープするも途中でマナフラし、グリストでルールス処理した返しにグリストが落とされた上に追加のルールスとアルコンが出てきて負け
R5 最後の審判 ××
G1 トリマリ土地1キープで2枚目の土地を引かず、仮に引けたとしても間に合わない速度でコンボが決まり負け。
G2 タバナクルを置かれてクロック伸びず、苦し紛れの《外科的摘出》でパイル崩すもオラクルが間に合い負け。
R6 8cast 〇〇
G1 《魂の洞窟》から《鱗粉の変わり身》、マグダ、《勇敢な変わり身》と繋ぐドブンで勝ち。
G2 グリストで盤面取り、《多用途の鍵》を《仮面の蛮人》で除去。母聖樹で適宜盤面壊しながらビートして勝ち。
R7 レン&タックス ××
G1 《魂の洞窟》から《鱗粉の変わり身》、マグダ、《勇敢な変わり身》、グリストと展開する理想ムーブをしたものの、全て除去されて負け。
G2 《不確定な船乗り》と《勇敢な変わり身》でキープしたら2ターン目にミンスク、その後レン6も出てきて負け。
3-4でした。前回よりは勝てたものの、勝ち越しならず……R4の人間は勝ちやすいほうだったのに落としたのと、最終ラウンドで理想ハンドから理想ムーブをしたのに負けたのが辛かったです。
今回のデッキは面白かったものの、かなりピーキーで構造上どうにもならない欠点(タバナクルや《抵抗の宝球》、コンボなど)が多く、勝ち越し以上を狙うのは厳しそうです。金額的にはモダンのデッキより安く組めるものの、このデッキを使うなら素直にモダンかレガシーで使ったほうがいいと思います。
次回のデッキは決めていませんが、カード資産が劇的に増えない限りは何かしらの部族デッキかヘイトベア系デッキを組むと思います。
最後に、主催の添削さん、スタッフや対戦してくださった方々、本当にありがとうございました。次回も楽しみにしています。
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