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Old School Brawlを組んでみた~アーナム・ジンとLord Magnusはズッ友

 7月某日、フィクサーこと添削さんから「Old School Brawlのデッキ組んで記事書いてくれませんか?」という依頼が舞い込む。面白そうだったので、手持ちのカードでデッキを組んで遊んでみました。

 Old School Brawlについては以下の記事を参考にしてください。


1.デッキリスト

1:《Lord Magnus》

[土地]
9:《森/Forest》
10:《平地/Plains》
1:《砂漠/Desert》
1:《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》
1:《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》
1:《イス卿の迷路/Maze of Ith》
1:《真鍮の都/City of Brass》
1:《露天鉱床/Strip Mine》
1:《Savannah》

[クリーチャー]
1:《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
1:《極楽鳥/Birds of Paradise》
1:《ゴミあさり/Scavenger Folk》
1:《草原のドルイド僧/Ley Druid》
1:《Preacher》
1:《アーナム・ジン/Erhnam Djinn》
1:《セラの天使/Serra Angel》
1:《トリスケリオン/Triskelion》
1:《Lady Caleria》

[ソーサリー]
1:《ハリケーン/Hurricane》
1:《天秤/Balance》
1:《新たな芽吹き/Regrowth》
1:《塵は塵に/Dust to Dust》
1:《荒々しき自然/Untamed Wilds》
1:《平穏/Tranquility》
1:《神の怒り/Wrath of God》
1:《ハルマゲドン/Armageddon》
1:《砂漠の竜巻/Desert Twister》

[インスタント]
1:《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
1:《解呪/Disenchant》
1:《神への捧げ物/Divine Offering》

[アーティファクト]
1:《太陽の指輪/Sol Ring》
1:《魔力の櫃/Mana Vault》
1:《友なる石/Fellwar Stone》
1:《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》
1:《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》
1:《氷の干渉器/Icy Manipulator》
1:《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》

[エンチャント]
1:《繁茂/Wild Growth》
1:《土地税/Land Tax》
1:《魂の絆/Spirit Link》
1:《森の知恵/Sylvan Library》
1:《Gaea's Touch》

 元々組んでいたOSEDHの《Lord Magnus》を流用しました。安価なほうがいいらしいとのことだったので(あと単純にカードの入れ替えが面倒だったので)Power9と《Chaos Orb》は不採用。《アイケイシアの貯蔵庫》《虚ろの森》は手元になかったので期せずしてフォールンエンパイアなし構築に。フォールンエンパイアはなしにするオプションルールがあるらしい?のでその場合でも安心ですね。

 《Lord Magnus》のテキストはこちら。

Lord Magnus (3)(緑)(白)(白)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) ドルイド(Druid)

先制攻撃
平地渡りを持つクリーチャーは、それらが平地渡りを持たないかのようにブロックされる。
森渡りを持つクリーチャーは、それらが森渡りを持たないかのようにブロックされる。
4/3

 6マナ4/3と、先制攻撃があることを考慮しても(現代基準で見ると)かなり控え目なスペック。アンコモンなので値段自体はお手頃なのは幸いです。渡りを消す能力は大体インクの染みですが、《アーナム・ジン》のデメリットを踏み倒せるという局所的なメリットもあります。

 デッキコンセプトとしては、《Lord Magnus》を早出ししつつ妨害を挟みながら殴りきるというものです。とはいえ、ハイランダー特有の再現性の低さとカードプールの都合上、そうそう理想的な動きは出来ないのが実情です。
 幸い、このフォーマットは相手のジェネラルから採用カードやデッキの方向性をある程度推測できるので、キープ基準や立ち回りを適宜変えることで多少は補えます(例:相手が赤単や赤緑ならアグロかつ《稲妻》が飛んでくる可能性が高いので、テンポロス+ライフ損失の裏目が大きい《魔力の櫃》からの《Lord Magnus》早出しは控えるなど)。
 愚直に殴るデッキなので《Angus Mackenzie》《魂の歌姫ルビニア》のようなクリーチャーヘイトの高いデッキを苦手とします。こちらは2色なので、多少は色事故が少ないことを生かして押し切りましょう。

2各カード解説

2.1土地について

 土地の総数は26枚。内マナが出ない土地が1枚なので実質25枚です。無色土地3枚、2色土地2枚、単色土地各10枚。このままだと色事故が頻発するのですが、ハイランダー構築の都合上はやむなしと割り切るしかありません。枚数については未だに模索中で、マナ加速がある分マナフラしやすいので1枚減らしたいところではあるものの、序盤のマナスクリューは死に直結するのでそれも怖いというのが現状です。抜くとしたら、緑マナはあまりやすいので《森》になると思います。

《砂漠》
 採用理由としてはタフ1の攻撃を抑制するアグロ対策です。ただ、このデッキは《Lord Magnus》が立っている間はタフ4以下の攻撃は抑制できるので、それまでの繋ぎ、もしくは攻撃後の防御手段として使うことになります。
 一応のシナジーとして、《Lord Magnus》はタフ5以上のクリーチャーを討ち取れませんが、《砂漠》があるとブロック時はタフ5と相打ちが取れるので、タフ5の攻撃抑制になります。

2.2マナ加速

《ラノワールのエルフ》
《極楽鳥》
《草原のドルイド僧》
《荒々しき自然》
《太陽の指輪》
《魔力の櫃》
《友なる石》
《玄武岩のモノリス》
《繁茂》
《Gaea's Touch》
 ジェネラルが6マナと重いので、取れるマナ加速はあるだけ入れます。
 《Gaea's Touch》は色拘束が辛い上にこれが出るころには手札の森がないことも多いですが、マナを貯めて置けるだけでも悪くありません。

2.3除去

・クリーチャー単体除去
《剣を鍬に》
《トリスケリオン》
《Lady Caleria》
 上二つは有名なので説明は不要ですね。一応《トリスケリオン》は《Lord Magnus》の先制攻撃と合わせてタフ5以上を討ち取れるシナジーがあります。
 《Lady Caleria》は以下のテキストを持つクリーチャーです。

Lady Caleria (3)(緑)(緑)(白)(白)
伝説のクリーチャー — エルフ(Elf) 射手(Archer)

(T):攻撃しているクリーチャーかブロックしているクリーチャー1体を対象とする。Lady Caleriaはそれに3点のダメージを与える。
3/6

 繰り返し使える3点のレンジストライク。攻撃抑制だけでなく、《Lord Magnus》の先制攻撃と合わせてタフ7までが圏内に。本体も3/6なのでブロッカーとして優秀です。《巨大戦車》《アーナム・ジン》《Juzam Djinn》が軒並み止まるし、能力も合わせれば討ち取れます。そこそこパワーがあるのでアタッカーにもなります。欠点は地味に高いこと(それでもデュアランよりは遥かに安いですが)と、取り扱い店が多くないこと、7マナと重いことでしょうか。

・クリーチャー全体除去
《ハリケーン》
《天秤》
《神の怒り》
 横並びされるときついので採用。《ハリケーン》は飛行対策かつ、場合によっては本体火力にもなります。

・疑似除去
《イス卿の迷路》
《Preacher》
《氷の干渉器》
《魂の絆》
 飛行やデカブツが止まりにくいデッキなので、これらは重宝します。

・置物除去
《ゴミあさり》
《塵は塵に》
《解呪》
《神への捧げ物》
《平穏》
 サイドボードがないので、置物対策もメインから。厄介な置物が多いので極力積みます。アーティファクトで割りたいのは各種MOXの他、《氷の干渉器》《ジェイムデー秘本》《象牙の塔》《Chaos Orb》など。エンチャントは《支配魔法》《Moat》《The Abyss》辺りが仮想敵となります。

・万能除去
《砂漠の竜巻》
《ネビニラルの円盤》
 《砂漠の竜巻》は《Chaos Orb》不採用の今回は数少ない万能パーマネント除去なので大切に使いたいところ。
 《ネビニラルの円盤》は不利盤面を流せるだけでなく、とりあえず置いておくだけでも展開抑制が出来ます。

2.4主力クリーチャー

《アーナム・ジン》
《セラの天使》
 《アーナム・ジン》は、《Lord Magnus》の能力で森渡りを無効化できるので最高の相棒です。

2.5その他

 大体入れ得枠です。

・リソース稼ぎ
《土地税》
《森の知恵》
《ジェイムデー秘本》

・回収
《新たな芽吹き》

・ランデス
《ハルマゲドン》

3.その他採用候補

《Chaos Orb》《Black Lotus》《Mox Pearl》《Mox Emerald》
 今回は不採用だったものの、本来は入れ得なカードです。問題は非常に高額なこと。

《魔女狩り師》
 プレイヤー限定のティムとクリーチャーバウンスを併せ持つシステムクリーチャー。バウンスのモードはコストに白白を要求するので重いこと、アグロ寄りのデッキを想定すると弱いことから今回は不採用でした。

《氷の壁》《剣の壁》
 《氷の壁》は0/7の壁、《剣の壁》は3/5飛行の壁です。《Lord Magnus》で止まらない飛行クリーチャーや《アーナム・ジン》《Juzam Djinn》、アグロデッキを対策したいのなら。

《アイケイシアの貯蔵庫》《虚ろの森》
 貯蔵ランド。長期戦を想定するなら。

《巨大戦車》
 《稲妻》に弱く《Lord Magnus》諸共《地震》で流れることと、デッキスロットの捻出が難しくて今回は抜けましたが、土地を1枚削ってこれを投入することも検討しています。

《茂みのバジリスク》《コカトリス》
 バジリスク能力を持ったクリーチャー。防御手段としては壁のほうが軽いので、こちらは殴れる点を生かしたいところ。

4.デッキのお値段

 クライアントが「安価でデッキ組めればOld School Brawlの裾野が広がらないかな」と漏らしていたので、デッキの構築費用についても触れておきます。
 Old Schoolフォーマットは黎明期のカードを使う都合上、カードが高くなりがちです。しかし今回は高額カードの採用は見送っているので、かなり費用を抑えられます。特に、再録カードが全て使用可能とするルール(ChannelfireballのOld School 93/94ルール)に準拠する場合は多くのカードが100円以下、基本土地も好きなものを採用できるので、こだわりがなければお手頃価格になります。
 実際に今回のリストを一から組んだ場合のお値段を計算したところ、以下のようになりました。

1:《Lord Magnus》                  1809:《森/Forest》                     010:《平地/Plains》                   01:《砂漠/Desert》                   301:《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》          1401:《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》         71:《イス卿の迷路/Maze of Ith》                    1501:《真鍮の都/City of Brass》                      5601:《露天鉱床/Strip Mine》                        6301:《Savannah》                                378001:《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》             201:《極楽鳥/Birds of Paradise》                    3801:《ゴミあさり/Scavenger Folk》                    201:《草原のドルイド僧/Ley Druid》                    161:《Preacher》                                  40001:《アーナム・ジン/Erhnam Djinn》                   351:《セラの天使/Serra Angel》                        71:《トリスケリオン/Triskelion》                     301:《Lady Caleria》                              25001:《ハリケーン/Hurricane》                         211:《天秤/Balance》                               1201:《新たな芽吹き/Regrowth》                        101:《塵は塵に/Dust to Dust》                       4201:《荒々しき自然/Untamed Wilds》                   201:《平穏/Tranquility》                            101:《神の怒り/Wrath of God》                       1001:《ハルマゲドン/Armageddon》                      2201:《砂漠の竜巻/Desert Twister》                     71:《剣を鍬に/Swords to Plowshares》                501:《解呪/Disenchant》                              41:《神への捧げ物/Divine Offering》                 161:《太陽の指輪/Sol Ring》                          501:《魔力の櫃/Mana Vault》                        22001:《友なる石/Fellwar Stone》                       301:《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》             3001:《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》                101:《氷の干渉器/Icy Manipulator》                   101:《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》             71:《繁茂/Wild Growth》                            201:《土地税/Land Tax》                           16001:《魂の絆/Spirit Link》                          101:《森の知恵/Sylvan Library》                    19801:《Gaea's Touch》                              240円


                                                     合計53960円


Wisdom Guild調べ(2023/7/16/22:00現在。ただし基本土地は0円で計算)
(バージョン、言語、状態は問わず)

 デッキのお値段は大半が《Savannah》なので、《Savannah》を持っていればかなりお安く組むことが出来ます。《Savannah》がなければ基本土地に変えることで16160円まで抑えられます(当然色事故は増えますが、ぶっちゃけデュアラン1枚程度ならほぼ誤差です)。それでもなお高いと感じるなら《Preacher》《Lady Caleria》辺りを《魔女狩り師》や壁に変えれば1万を切ります。入門用デッキとしては丁度良いのではないでしょうか。


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