男性が女性ホルモン剤を使って、変わること・変わらないこと
こんにちは、Maoです。
男の身体に女性ホルモン剤をぶち込み始めて約3年になりました。
その間、確かにいろいろな変化があり、女性らしい見た目に近づいたと言って嘘はありません。
最近はすっぴんでオールメンズ服で歩いていたのに男にナンパされるなんていう事件もありました。
ただ、これはそいつの目が節穴だったという例外に過ぎず、実際は巷で思われているほどの劇的な変化はないと言うべきです。
という訳で自身の経験を踏まえて、肉体的な変化と身体的な変化に分けて書いてみます。
※あくまでも科学ではなく、個人的な経験を元にしています。効果については個人差があるので、あくまでご参考程度にお願いしますね。
肉体的な変化
・胸の膨らみ
まず一番わかりやすい変化が、胸が少し膨らんだことです。
女性ホルモンの効果と聞いて、多くの方がまず思い浮かぶのがこれじゃないでしょうか?
まぁ、そうは言っても僕にはおっぱいポテンシャルがなかったみたいで、Aカップにも満たないほどの控えめサイズなんですけど。
僕が女性ホルモンを始めたのは元々「女性らしくなる」というより「男らしさを減らす」ことが目的だったため、貧乳でも特に問題ありません。
・ちょっと太った
体重も数kg増えました。
個人的には胸よりもこちらの方が衝撃です。
というのも僕はいわゆるハードゲイナー、つまり食べてもなかなか太らない体質で(自慢じゃないですよ!)、人生で分かりやすく太ったのはこれが初めてだったからです。
・くびれができた
気のせいかもしれませんが、骨盤が少し横に広がったことで腰にくびれができました。
女性ホルモンをしても骨格は変わらないとよく言われていますが、気のせいで片付けるには乱暴なほどはっきり変化しています。
まぁ、お尻にも少し肉がついて膨らんだので、そう見えるだけなのかもしれませんけど。
・筋肉が落ちて、体力がナイアガラ
よく言えば女の子らしい柔らかい体になったのですが、悪く言えば筋肉が落ちて脂肪になって、体力が激減しました。
駅の階段を登るだけで息切れして一苦労です。
天然の女ホルに晒されているはずの女性が、普通に階段を登れるのが不思議です。
たぶん、骨格は男のままなのに筋肉量が女性よりになってしまったため、体を支えるのが余計大変なのかもしれません。
・顔つきも女性らしくなった?
顔にも少し脂肪がついたのか、丸く優しげな女性寄りの顔つきになった気がします。
ただ、髪を伸ばしたのと、元々の顔がそこまで男臭くなかったというのもあるので、はっきりと変わったとは言いきれません。
日本人は顔つきにあまり男女差がない(と勝手に思っている)ので、顔に関してはホルモンに期待するより、スキンケアや髭の脱毛で綺麗になるのを目指すべきと思っております。
・汗をかきにくくなったが冷え性に
汗の量が体感3分の1くらいになって、男特有の臭いが減りました。
が、その代わりに(?)冷え性になって一年中足がキンキンです。
夏でもエアコンで冷えるのに冬なんか地獄です。
冬はもこもこのライオンの足みたいな靴下を履いていますが、それでも寒いくらいです。
・家系が途絶える
卵胞と黄体の二種類のホルモンがあるうち、特に黄体ホルモンをすると精子工場の稼働が永久に停止して、透明な液体しか出なくなります。
子孫に継がせたい伝統がある人は、決して女性ホルモンをしてはいけません。
・変わらないこと
肩幅は残念ながら男のごつさのまま、当然身長も縮んだりしないので、なんとか華奢に見せるよう服装で頑張るしかありません。
声も勝手に高くなったりはしないので練習が必要です。体毛に関しては、ホルモンと同時期に脱毛を始めたのでよくわかりませんが、一般的には女ホルでムダ毛が薄くなることはないと言われています(ただ、ハゲ予防にはなるようです!)。
精神的な変化
・気分が不安定に??
よく「男が女性ホルモンをすると病む」と言われています。
確かにそんな傾向があるような気もしますが、経験上単純に病むというよりは、元々その人にあった、またはあったとしても上手く抑えられていた「喜怒哀楽のクセ」がより目立つようになる、といった方が正確でしょうか?
なので、元々病み気味の方は確かに病みやすくなるかもしれませんが、元々安定してる人には影響は少ないとも言えます。
自分自身は「前ならこんなことで怒る?」ってことでイライラしたり、大したこともしてないのに気持ち的に疲れたりするようになってしいましたが、元々そういう素質があったということでしょう。
※僕はニューハーフヘルスでまぁそういう仕事をしています。こういう仕事で精神が安定してる方が正直珍しいので、一概にホルモンのせいとも言いきれません。
・ヘルシーな食べ物が好きに?
サラダやフルーツ、鶏肉など前よりもヘルシーな食べ物が不思議なほどおいしく感じるようになりました。
と言っても歳のせいもあると思うので、ホルモンの影響かどうかはよくわかりません。
・性欲は減らない
これは意外かもしれませんが、女性ホルモンの力を持ってしても性欲はなくなりません。
精子が出なくなってもです。
いや、確かに男特有の「ヤりてぇ抜きてぇ!」という感覚は面白いくらいに和らぎます。
ですが、それが少し形を変えただけの別の性欲――つまり「女性っぽい、強い者に愛されたい欲求」に変わるのです。
女性でもないのに偉そうなことを!と思われてしまうかもしれませんが、明らかに男の時にはあまり感じなかった感覚です。
承認欲求とも言えそうですが、性欲とは違うと言い切るのも何かしっくりこないんですよね…。
なので、いっそのこと性欲はそのまま!って言っちゃってもいいんじゃないでしょうか。
同じ三大欲求の食欲や睡眠欲から逃れるのが無理なのと同じように、性欲もまた一生まとわりつく呪いのようなものだということでしょうか。
まとめ
この記事を書いていて、最後に言っておきたいと思ったのは、ホルモン剤は女性に「なる」ための薬ではなく、女性に「近づく」ためのものなんだな、と再確認したことです。
少しの違いですが、これだけ大きな違いもなかなかありません。
僕の場合は完全なる女性になりたいわけではないので、目的は達成できている、と言ってもいいかもしれませんが、使う方によってはそこは注意が必要ですね。
今回の記事が、少しでもみなさんの好奇心を満たせたり、ホルモン治療をしようとしている方の参考になれたなら幸いです。