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【旅行記】〜アユタヤ編〜

アユタヤに行ってきた!

タイ中部に位置するアユタヤは、
かつてのアユタヤ王朝の首都として栄えた
歴史ある都市。
1350年から約400年繁栄を極めたこの都市は、
国際貿易の要所としても知られ、
世界中の文化が交錯する場でもありました。
その壮大な歴史の証として、
現在も多くの寺院や遺跡が残されており、
1991年にはユネスコの世界遺産に登録されています。

バンコクから日帰り旅行も可能な距離にあり、
電車でのアクセスも楽しめるアユタヤは、
タイの歴史と文化に触れたい方にとって
必見の観光地でしょう。

今回は、2024年11月現在タイに留学中の私が
実際にアユタヤで見てきたものや感じたこと、
新たに学んだことなどをまとめて行きたいと思います。

1、バンコクからアユタヤへ電車旅

旅の始まりはバンコク、
クルンテープ・アピワット中央駅
元々は「バンスー中央駅」と呼ばれていた
東南アジア最大級のターミナルで、
ドンムアン空港からSRTラインが乗り入れている他、
BTSラインからはタクシーで10分ほど、
MRT地下鉄も乗り入れしているなど、
都心からのアクセスは中々良いです。

空港かと思うほど広い駅構内には
タイの地方に伸びるラインが大量に敷かれており、
たくさんの人が重い荷物を持って電車が来るのを待っています。
アユタヤ行きのチケットを入口から右に入った
チケット販売所で購入。
誘導された入口に向かって進みます。

今回乗る電車はアユタヤまで1時間ほどで着く特急。
冷房なし、立席で驚きの20バーツ(90円程度)
あまりの安さに値段を聞き返してしまいました。
快速や超特急、席の有無やその等級によって値段は
違いますが、たった1時間なので全然我慢できます。

アユタヤ行きの電車

2、アユタヤ駅から遺跡へ

1時間ほど電車に揺られてアユタヤ駅に到着。
駅は遺跡群のある中心地から少し離れたところ
にあるので、今回はバイクタクシー
遺跡まで連れていってもらうことに。

バイクタクシー

タイのバイクタクシーは運転が豪快で楽しいです。
通れる隙間はぐんぐん進むし、
ちょっとなら逆走も厭いません。
ヘルメットも貸してくれないケースが殆どなので、
しっかり掴まって行きます。
ちなみに友人は帽子を風に飛ばされて無くしました。

向かった先はワット・チャイワッタナーラーム。
アユタヤの遺跡の中でも少し外れた場所にある寺院です。

3、ワット・チャイワッタナーラーム

タイ観光庁によると、
ワット・チャイワッタナーラーム
1630年、第24代王が亡き母を偲び、
チャオプラヤー川西岸に建設した寺院です。
建築様式はカンボジアのアンコール・ワットに
似ており、カンボジアとの戦勝を記念して
建てられたとの説も。

ワット・チャイワッタナーラーム

中央には35mの主塔がそびえ、
周囲を4基の塔堂や回廊が囲む
アンコール・ワット様式で作られており、
八方には須弥山(しゅみせん)を表す塔が
配置されている。

ちなみに、須弥山とは仏教の伝統的な宇宙観における
中心に位置する神聖な山のこと。
仏教の宇宙観では、須弥山は世界の中心に
そびえる巨大な山とされ、天界や地界などの
様々な世界がこの山を中心に構成されていると
考えられています。

須弥山の構造は仏教寺院や仏塔の設計にも影響を与え、
中心にそびえる塔やその周囲の配置が
須弥山を象徴することが多いそうです。
仏教の世界観を示すと同時に、
宗教的な建築物や儀式の象徴的なモチーフとして
重要視されていたんですね。

この寺院はアユタヤ王朝滅亡まで王室寺院として
利用されましたが、1767年にビルマ軍により焼失。
1987年に改修され、現在はアユタヤで最も美しい
寺院遺跡の一つであり、
夕暮れの観光スポットとしても有名です。

敷地内

拝観料は50バーツ
中に入るとまるでゲームの世界に来たかのような
印象を受ける荘厳な建築が並んでいます。
通路には首のない仏像が並んでおり、その光景は
どこかおどろおどろしい魅力を秘めています。
首だけがないのは宗教的な意味があるのか、
それとも別の意味があるのか。
どちらにしろビルマとの戦争時に取られたことは
間違いなさそうです。

本来は夕方に来るのが推奨されるのですが、
スケジュールと地理的な位置関係から
最初に来てしまいましたが、
巨大な首塔や首なし像が印象的な、
美しい遺跡でした!

4、ワット・プラシーサンペット

続いて向かったのはワット・プラシーサンペット

ワット・プラシーサンペットの3基の仏塔

こちらも観光庁によるとこの遺跡は、
アユタヤ王宮内で最も重要な寺院で、
バンコク王朝のエメラルド寺院に
相当する存在のようです。
1491年、ボロムトライロッカナート王によって建立。
宮中儀式の場として利用され、
シンボルである東西に並ぶ3基の仏塔には
王とその王子らの遺骨が納められていたとされます。
仏塔の東側には高さ16m、重さ171kgの純金で
覆われた立仏像「プラ・シーサンペット」が
祀られていましたが、1767年のビルマ軍による
侵攻で破壊。
戦後に修復され、現在の姿となっています。

ワット・プラシーサンペットの敷地内

ワット・プラシーサンペットの魅力は、
個人的にはなんと言っても自然との調和です。
敷地内には木や芝生などの緑が多く茂っており、
赤茶色の遺跡のレンガとコントラストを見せています。
長い時間をかけて自然がゆっくりと文明を侵食した
跡が随所に見られ、壮大な歴史を感じられました。

5、エレファント・ライド

ワット・プラシーサンペットを観光したら、
すぐ近くにあるエレファント・キャンプに向かいます。
そう、象に乗ることができるんです!

エレファント・キャンプから出てくる象たち

ワット・プラシーサンペットの周りの公道には
エレファント・キャンプからで観光客を載せた象たちが
車の横を普通に通っています。
1回400バーツ(+チップ100バーツ程度)と
少し高めの値段設定ではありますが、
実際に象に乗れる機会はそうないのでチャレンジ。

象の背中

象には高台から背中に乗せてもらいます。
背中には専用の小さなイスのようなものが付いており、
その上には日除けの傘まで。
乗り心地は、そこそこ揺れるけど
落ちそうには全くならないので安心して乗れました。
象の背中は思ったより柔らかく、一歩踏むごとに
肩甲骨の辺りが隆起するのが分かりました。
皮膚はそこそこ硬かったですが、不思議な肌触り。
貴重な体験でした。

動物福祉とエレファント・ライド

このエレファント・ライドですが、
実は今動物福祉や保護の観点で
国際的に批判がある観光業のひとつでもあるんです。

観光業用に飼育されているこれらの象たちは、
人間に危害を加えず、従順に人間に消費されるため、
厳しい調教を受けていることが多いのです。
最も批判の多い「パジャン」という
伝統的な調教方法は、幼い象を孤立させ、
ストレスを与えた上で純分な食事をあえて与えず、
耳や頭など敏感な部分をフックや針で刺すことで
人間に従わせるようにするという、
余りに非人道的なもので、
動物愛護団体が激しく批判しています。

また、これらの象は野生から捕獲されることも
しばしばあり、生態系の破壊や個体数減少の
ひとつの要因になっています。
国際自然保護連合(IUCN)はアジアゾウを
絶滅危惧種に位置づけている他、
ワシントン条約(CITES)では象の取引や
観光利用に関する国際規制を強化しています。

私がこれを知ったのは私が象に乗った写真を
SNSに投稿した際、こうした話題に詳しい友人
からのメッセージがきっかけでした。
自分が消費した産業の裏にどういった闇が潜んで
いるのか、知らなかった自分を恥じました。
これを知ってなおエレファント・ライドを
体験したいという方は、それはそれでひとつの
選択なので良いと思います。
ただ、私のように知らないまま消費して、
そうした裏事情を間接的に後押ししてしまうより、
象たちの痛みやそれを止めようと
努力している人たちの苦労を考えながら
体験することの方が誰にとっても望ましいでしょう。

6、ワット・ロカヤスターラーム

続いて向かったのはワット・ロカヤスターラーム
ワット・プラシーサンペットから東に
10分ほどバイクタクシーで移動。
着くとすぐに見えたのは、圧倒的な存在感を誇る
巨大寝釈迦仏です。

ワット・ロカヤスターラームの巨大寝釈迦仏

その高さ5m、全長28m。
またもや観光庁曰く、この寝釈迦仏は
1956年に復元されたもので、
80歳で入滅した仏陀を表しているそう。
その表情はどこか穏やかで、見てるこっちまで
ニンマリしてしまう優しいお顔。

本来は布が掛かっているそうですが、
私が行った時には裸で寝そべっていました。
ワット・ポーとは違い、足の裏に
曼荼羅は描かれてはいませんでした。

この日の観光はこれで終了。
名物の川エビパッタイを食べ、
ホテルでぐっすり寝て次の日に備えます。
ナイトマーケットがあるという事で向かいましたが、
もう無くなってしまっていました。

7、アヨタヤ水上マーケット

次の日。
朝起きてすぐに向かったのは、
アヨタヤ水上マーケット
アユタヤではなく、アタヤです。

アヨタヤとは旧来のアユタヤの呼び方らしく、
古い町並みを再現したこちらのマーケットでも、
古い呼び方をあえて採用しているのだそう。
中に入るとすぐに出迎えてくれたのは川。
入口でお金を払い、小舟に乗せてもらって
15分程度の遊覧コースに出発。
マーケットに入るにはこれを
通らないといけないみたいでした。

川を進む小舟

遊覧コースはマーケットの中央の川を
一周する内容で、再現された古い町並みを
ゆったり眺めることが出来ました。

遊覧を終えていよいよマーケットに潜入。
中にはお土産屋さんや服屋さんの他、
屋台やマッサージ屋など様々なお店が並んでいて、
お買い物を楽しむことが出来ます。

水上マーケットの中

朝ごはんを食べて買い物をし、
マーケットを満喫しました。

8、ワット・マハタート

続いて向かったのはワット・マハタート
あの有名な「木に埋まった仏像」がある遺跡です。
例によって観光庁曰く、
かつては塔の頂上が黄金に輝いていたものの、
ビルマ軍の侵略により廃墟と化し、
今は木の根の間に埋め込まれた仏像の頭や、
頭部がない仏像、崩れ落ちたレンガの壁や
礼拝堂の土台が残るのみとなっているそう。
1956年の修復の際、塔の跡から数々の黄金仏や
宝飾品などが発見され、これらは現在、
国立博物館に展示されているらしいです。

拝観料は50バーツ。
中に入ると大きめの遺跡が並んでいます。
しかし、人の波は入口から向かって
右側にぐんぐん進んでいきます。
私たちも流されながらついていくと…

木に埋まる仏像

発見しました、木に埋まる仏像。
長い時間をかけてゆっくりと木の根に飲み込まれた
仏像はなんとも言えない神秘的な感じがします。
仏像より頭が高くなっては行けないということで、
一緒に映る写真撮影の際は座らないといけません。
また、足を向けることや変なポーズをとる事も
許されておらず、守らない人は警備員さんに
叱られます。

9、ワット・ラーチャブーラナ

最後に言ったのはワット・ラーチャブーラナ
この遺跡はアユタヤの数ある遺跡の中でも、
唯一実際に登ることが許されている遺跡です。

観光庁曰く、ワット・ラーチャブーラナは
1424年、王位継承争いで亡くなった
二人の兄たちのために建立した寺院で、
トウモロコシ型の塔がシンボル。
1958年の修復の際、マハタートと同じく
多くの宝物類が発掘され、こちらも
国立博物館に展示されています。

ワット・ラーチャブーラナ入口

入口には大きな壁があり、通路からは
トウモロコシ型の塔が覗いています。
さながら異世界に入る扉のようで、
潜る時にはすこしドキドキしました。

塔には左右の階段から登ります。
古くからある遺跡ではあるものの、
その作りは非常に頑丈でした。

塔の中

塔の中に入ると、先ほどまでいた入り口を窓から
見下ろすことができます。
中は空気の通り道になっているため涼しく、
実際に塔の中に入るとこんな感じなのか…と
感動しました。

その後は早めに駅に向かい、1時間かけて
バンコクへ帰還。
寮へ着いたのは夜の19時でした。
1泊2日でかなりの遺跡や観光地を見ることができ、
交通にはお金も時間もかからないので、非常に
いい旅先でした。

まとめ

たくさんの新しい学びがある刺激的な旅でした。
仏教的な世界観や歴史を感じる遺跡、
自然と文明の調和や、観光業の裏にある社会問題。
普段関わることのない様々な世界に触れることが
できるのが、度の最大の魅力だと思います。
次回もまたたくさんの学びのある旅を
お届け出来ればと思います。

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