
#13サスティナブル 調査隊
今日は嗜好品の一つアルコール飲料について取り巻く環境をウオッチしていきます。
忘年会や新年会、祝いの席などアルコール飲料を摂取する機会は多々ありますが、営業職の方だとお得意様とのお食事の席などでもアルコールを口にする機会もあるのではないでしょうか。
社会人になったら「酒が飲めて当たり前だ!」とか「俺の酒が飲めないのか?」など世代によっては、仕事において酒を交わして親密度を上げるという思考は、まだまだ根強く残っています。
それが人の受け止め方によっては「アルハラ 」という事にもなりかねません。
そして、それと同等に議論しないといけないのは、健康におけるアルコールのデメリットです。
SDGsのターゲットの中にも「薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。」とあります。
酒は百薬の長や少量のお酒は体に良いと言われて来ましたが、医学や世の中の認識は現状どうなのでしょう。
まずは、このSDGsのアルコール課題に対して、事業とどう絡め取り組んでいるのか酒造各社の事例を見ていきます。
サントリーホールディングス株式会社
サントリーの例をご紹介いたします。
サントリーの「アルコール関連問題への取り組み」というサイトには、冒頭に以下のキーワードが書かれています。
アルコール飲料の特性を認識
アルコール関連問題の予防に努める
適正飲酒の考え方を普及
具体的な行動としてもいくつかある様です。
責任あるマーケティングの実践
「ARS委員会」と、事務局であるARS室を設置して、法性・妥当性の社内事前審査を行っているそうです。
そこでは、自主基準というものを設けており、酒造メーカーとは言え飲酒を煽らない取り組みを工夫されています。
◆CMに妊産婦飲酒の注意表示を実施
◆酒類のテレビCMを土・日・祝日の自粛時間を年間を通して5時00分~18時00分まで自省
◆テレビ広告で使用するタレントの年齢を25歳以上に引き上げ
◆飲酒表現で、喉元を通る「ゴクゴク」の効果音を使わない
キリンホールディングス株式会社
次はキリンの取り組みです。
キリンは、健康事業など多角化を行い、生化学事業を手掛ける協和発酵バイオの子会社化や、先日このシリーズで食堂の紹介をした化粧品や健康食品を手掛けるファンケルとも資本業務提携をしています。
そして、キリンでは「スロードリンク」というキャッチフレーズでお酒の正しい楽しみ方を提案されています。
そのサイトでは、お酒との関わり方やアルコールに関するイーラーニング、そしてキリンが行うお酒を通じた社会への取り組みなどが紹介されており、楽しみながらお酒や健康への配慮の知識を得られるサイトとなっています。
そして、対外的にも関係先企業への啓発セミナーの実施などされており、サイト同様にお酒に関する豆知識やアルコール摂取に関する様々なマナーや問題を周知する機会に取り組んでいます。
飲酒による健康への問題
酒造メーカーの良いお酒との付き合い方という取り組みをみて来ましたが、一方世論の風潮としては「アルコールは健康に悪い?」という意見や研究結果も出て来ています。
そして、多様性のある思考が広まる中で、人々のアルコール離れも加速して来ています。
私の周りでも飲酒される方が少なく、昔は活発だった「飲み会」も激減しています。
仲間が全員と一緒に酒を飲むという時代は過去のものになりつつあるのかもしれません。
酒造メーカーもノンアルコールに力を入れ始め新たな製品を開発し飲料分野総合で生き残りを図っている様です。
飲食店もアルコール以外の食事に合うメニューを用意するなど、時代の変化と健康に取り組む必要があるかと思います。
最後に、企業にとっての健康経営とは「企業価値を高めて業績向上に結びつけること」です。
企業は、ただものを売るだけではなく、多様な価値を折り込み提案する姿勢が重要です。
さらにその製品を提供する従業員が健康であれば、企業の基礎体力が高まり、組織の活力や生産性が向上し、企業成長の源泉となるイノベーションが創出される期待も高まると考えます。
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