電流パンツ

私はとあるお菓子企業の工場に勤務している。
先日、いつものように、手で機械を設置し、製品が流れる生産ラインを組んでいた。

すると「ビリッ」と弱い電流が爪先から左脚に流れた。
文面で見ると、なかなか怖いと感じる人も多いと思うが、この工場では、オンボロで漏電を起こしている機械が多々あり、それを触ることで軽く体に感電することはしばしばあった。そのため、多少の痛みはあったが「また漏電しとるわ」と思う程度で、そのままラインを組み終えた。

ラインを組み終えた体感約40秒後、私は次の仕事に取り掛かろうとスタスタと歩いていた。ただスタスタと歩いていたその瞬間、「ビリッ」と、突如、今度はパンツの中に電流が流れた。訳もわからず私はその場で軽く悶絶して項垂れた。
一部始終を見ていた上司が「どうしたんや御座!尿路結石か?!」と駆けつけた。
「いや、違います急にパンツん中に電気が流れて…」
「何言っとんや」
無理もない。私も意味がわからなかった。

ラインを組んでいる最中の脚への放電のイメージは微量ながら頭の片隅にあったため、それほどのダメージはなかった。しかし何にも触れず、ただスタスタと歩いている最中のパンツ内への放電は全くデータがないため、部位も相まって電圧以上のダメージを食らった。

「何何何?」と考えた結果、1つしか答えが見つからなかった。察しの良い方は想像がついたかもしれない。
ラインを組んでいる最中に爪先から左脚を流れた電流が私の陰毛に蓄電し、それが歩いた拍子にパンツと擦れ、パンツ内に放電したのだ。そんなことあるのか?そうとしか考えられなかった。軽い時限爆弾だ。

私は産まれて初めて、「パイパンにしよかな」と思った。
「パイパンにしよかな」がオチの話。

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