旅する万葉講師のおばあちゃんが、万葉集を通じて地域の魅力を再発見してきた3ヶ月の報告
新しい働き方LAB指定企画「掛川市」に参加して、3ヶ月の活動の報告
旅する万葉講師のYUKIと申します。
普段は大学で学生向けに文学の講義を担当したり、大学の公開講座やカルチャーセンター、公民館などで万葉集を教えてきました。
長年「日本全国を旅しながら、万葉集を現地で教えること」に力を入れられたら良いなと思っていました。
そんな中で、ご縁をいただいて掛川市さんと新しい働き方LABさんの企画に参加させていただけることになりました。
生涯学習都市である掛川市。
その、まち全体を学びのキャンパスに変えるという壮大な実験に、私は専門である万葉集という視点で関わりたいと思って活動しています。
この企画に参加した時に、私は3つの取り組みをしたいと考えていました。
企画に参加して3ヶ月が経ち、新しく挑戦してみたことがいくつもあります。まだできていないことも、あります。
そういった点について、3ヶ月間が経過したので、これまでの活動を報告いたします。
企画が始まった際に書いた実験計画書はこちらです。
よろしければ是非、ご覧になってくださいね。
◆実験の中間報告
6月時点で考えていたこと
私がこの実験を通じて検証したいと考えていたことは、以下の通りです。
この指定企画自体の目的は、掛川市に学びのモデルコースを作ること。
そのために、9月までは「掛川100景」という、掛川の魅力を100個探そうという取り組みを主におこなってきました。
その上で、私は上記の4つの活動に取り組みたいと考えてきました。
こちらについては、「・自分の暮らし、働き、遊ぶ場所の1300年前のことを、面白く感じて学んでもらえるか。(講座後アンケート)」とあわせて、
7月におこなった、掛川でのオフラインイベントとオンラインイベントの際にアンケートをとりました。
その結果として見えてきたのは、1時間程度のイベントでは圧倒的時間が足りないということでした。
万葉集の概要に触れるにも、身近なものとして感じてもらうにも、当時の前提となる生活の様子についてお話しするにも、不十分だと感じました。
万葉歌碑に限らず、これまでの人生で「歌碑や句碑を見たことがある」と答えてくださったのはお一人だけ。
それ以外の方は、「知らない・意識したことがない」「どこかで見たことがある気はする」と、ほとんど意識したことがないとのことでした。
実際、これまでの30年の万葉講座旅行でも、現地の方から同じような反応をいただいてきました。
研究者や万葉集について自主的に学んで活動されている皆さんは、ごく一部。
大多数の方に、まずは万葉集を知ってもらうところから、もっとやさしく分かりやすく発信を始めた方が良いと気づきました。
8月中は、これまでの何十年間の万葉資料をもう一度浚い始めて、改めてこれからどのような活動をしていこうか、考えはじめたところです。
6月には想像もできなかったこと
6月の時点では、面白い出会いや新しい発想をいただける機会に恵まれるとは、想像もしていませんでした。
Zoomでのミーティングや雑談会、そして現地でのミートアップで出会う指定企画のメンバーや現地の皆さんとの会話の中で、思いもよらない方向に話が進むことが多々ありました。
その中の一つが、音声配信です。
文字で万葉集の説明をしても、なかなか読み慣れていない和歌の意味をとったり想像することは難しいと思います。
そのため、大学で教えているように、言葉で話すと伝わりやすくなることもあるだろうと考えて、これから音声配信をして行きたいと考えています。
反対に、時間をかけて準備してきたけれど、できなかったこともあります。
8月末に予定していた万葉講座旅行は、大変残念ながら台風で延期の判断をいたしました。
今は、次の開催のための調整をしているところです。
9月までに取り組んできたこと一覧
・指定企画のメンバーとおこなう、Slackを使用したやりとりや、Zoomを使用した話し合いに参加する
・指定企画「ポートカケガワ」のミートアップの際に掛川を訪れて調査
・ポートカケガワでオフライン講座を実施
・オンラインで講座を実施
・指定企画「掛川市」のミートアップに現地参加
・指定企画「掛川市」の100景意見交換会に現地参加
・100景のリサーチ担当に
・音声配信の開始
など
今後は、万葉集についての発信をすること、3世代で旅して働くことができるかの発信をすること、再発見した掛川の魅力に解説をつけて、写真や動画を添えて記事として公開すること、といった発信にも力を入れていけたらと考えています。
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