第二章 「位相の迷宮」
光の渦が収束し、二人の目前に広がったのは、想像を絶する空間だった。無限に続く螺旋状の通路。その壁面には、まるで生きているかのように、複雑な数式が蠢き、輝き、変容を繰り返している。
「これが4次元空間…?」篠原は、思わず声を呑んだ。
アナスタシアは眼鏡を外し、ハンカチで丁寧に磨き上げてから再びかけ、そして渡りをぐるりと見回した。
「ええ、そうみたいですね。この世界の法則は、私たちが知っている物理法則とは全く異なる…まるで、数学そのものが現実になったような…素敵な空間!」
彼らの足元で、シュレーディンガーが優雅に伸びをする。その仕草は、まるで「どうだ、驚いたかい?」とでも言いたげな雰囲気を感じさせるものだった。
突如、空間全体が振動し、巨大なホログラムが現れる。そこには、九鬼教授の姿があった。
「おお、来てくれたのか、アナスタシア君、篠原君!そしてシュレーディンガーも!」教授は、喜びの表情で二人を迎えた。
「ここは私が研究の末に作り上げた4次元空間なんだ。ところが、ちょっとした計算ミスで、私自身が閉じ込められてしまってね…」
「君たちに助けてもらいたいことがあるんだ」教授は、少し申し訳なさそうに続けた。
「この空間から私たちが脱出するには、5つの数理学問題を解かなければならないようだ。1つ解くごとに、最終方程式の一部が明らかになる仕組みになっているようなのだが… 私はこの空間に閉じ込められて久しく、ひどく衰弱してしまい手も思うように動かない…。どうか力を貸してほしい…。」
アナスタシアと篠原は、真剣な表情で頷き合った。
「さっそく取りかかりましょう。」二人はまるで双子のように同じタイミングでそう発声した。
次第に空間が歪み、彼らの目の前に巨大な方程式が浮かび上がる。それは、宇宙の真理を刻み込んだ古代の石碑のような趣であった。
アナスタシアは、興味深そうに眉をひそめた。
「ガウスの発散定理と、ストークスの定理を組み合わせた問題のようですね」篠原は、顎に手を当てて考え込む。「しかも、与えられた関数$${F}$$の形が…実に興味深い…」
アナスタシアはポケットから "クラインの壺" のミニチュアを取り出し、無意識に指でなぞりながら、「確かに。この形には、何か特別な意味が隠されているに違いありませんね!」と呟いた。
二人は頭を寄せ合い、計算を始める。シュレーディンガーは、二人の様子をじっと観察しながら、時折、尻尾をパタパタと振っていた。
「まず、$${F}$$の発散がゼロという条件から...」アナスタシアは、問題文を指さしながら呟いた。
「そうね、それを利用すれば...」篠原も真剣な表情で頷く。
アナスタシアは、黒縁メガネの奥で目を輝かせながら、ホワイトボードに数式を書き始めた。
「うーん…$${x}$$で括ると、$${x(2α+β+2γxz)=0}$$となる。これが任意の$${x}$$、$${z}$$について成り立つためには…」
アナスタシアは、少しの間考え込んだ後、再びペンを走らせた。
「つまり、$${β=−2α}$$で、$${γ}$$ は任意の定数ということね」
彼女は満足そうに頷くと、次の段階へと進んだ。
「次に、ストークスの定理を適用しましょう」
アナスタシアは、ホワイトボードに立体的な図形を描きながら説明する。
「この問題では、具体的な積分領域が与えられていないため、任意の閉曲面$${S}$$とその内部の体積$${V}$$を考えます。ストークスの定理より、$${∫∫∫_V(∇×F)⋅dV=∮_SF⋅dS}$$が成り立ちます」
「ここで、先ほど求めた $${β=−2α}$$を用いて、ベクトル場$${F}$$の回転$${∇×F}$$を計算すると…」
「これを体積積分して…」
アナスタシアは、複雑な積分計算を淀みなくこなしていく。
「さて、ここで積分領域Vを具体的に定める必要がありますね…ええっと…」
アナスタシアは少し悩んだ後、ひらめいたように笑顔を見せた。
「$${V}$$を半径$${r}$$の球体としましょう!そうすれば、球座標を用いて積分を計算できるかも…」
彼女は、球座標変換の式を書き出し、積分を計算していく。
「これをストークスの定理に代入すると… $${\frac{4}{15}πr^5γ=∮_SF⋅dS=42π}$$」
「$${r}$$は任意なので、$${γ=\frac{1575}{2r^5}}$$となりますが… γ は定数でなければならないので、これは矛盾ですね…。」
アナスタシアは、首を傾げながら考え込んだ。
「ということは…最初に仮定した γ=0 は誤りだったということ… うーん…」
彼女は、ホワイトボードの数式を消し、再び計算を始めた。
「$${γ≠0}$$とすると… $${∇⋅F=0}$$から、$${2α+β+2γxz=0}$$が任意の$${x}$$、$${z}$$について成り立つ必要があります。これは、$${α}$$ と$${γ}$$が定数であることから、$${β=−2α}$$かつ$${2γxz=0}$$を意味します。$${x}$$と$${z}$$は任意なので、$${γ=0}$$となりますが、これは矛盾….」
「…ということは、∇⋅F=0 を満たすような F は存在しない…?」
アナスタシアは、困惑した表情で篠原を見つめた。
「発想を転換してみたらどうでしょうね。$${ ∇⋅F=0}$$を満たす$${F}$$を探すのではなく、$${∇×F}$$が定ベクトルとなるような$${F}$$を探してみる…とか。」篠原は、神妙な面持ちで壁面を眺めながら、慎重に、ゆっくりとした口調で語りかけた。
「うーん、なるほど!」アナスタシアの目がキラキラと輝く。「$${∇×F}$$ が定ベクトルであれば、体積積分は簡単に計算できますね。さすが先輩!」
彼女は、再びホワイトボードに数式を書き始めた。
「これが任意の x、y、z について成り立つためには… $${a=2γx^2z}$$、$${b=0}$$、$${c=−2αy−2αx}$$になります。$${a}$$、$${b}$$、$${c}$$は定数なので、$${γ=0}$$、$${α=−2(x+y)c}$$となります。」
「ここで、$${α}$$は定数でなければならないので、$${c=0}$$、つまり$${α}$$は任意の定数となります。そして、$${β=−2α}$$です」
「このとき、$${∇×F=(0,0,−2α)}$$となり、体積積分は…」
「$${V}$$は任意の体積なので、$${α=−\frac{21π}{V}}$$となりますが… $${α}$$は定数でなければならないので、これも矛盾してしまいますね…」
アナスタシアは、再び頭を抱え、俯く。
「一体どうすれば良いのか、検討もつかない…」
篠原は、優しく微笑みながら、「アナスタシア君、焦る必要はないよ。もう一度、問題文を一緒によく見てみよう」と声をかけた。
深呼吸をして問題文を読み返す。
「…ん?」
アナスタシアは、あることに気がついた。
「先輩、この問題文… $${∇⋅F=0}$$ という条件が、実は必要ないのではないでしょうか?」
篠原の目が大きく見開かれた。「どういうことです?」
アナスタシアは、興奮気味に早口に説明を始めた。
「この問題は、$${∫∫∫_V(∇×F)⋅dV=42π}$$を満たすような$${α}$$、$${β}$$、$${γ}$$ を求めよ、という問題です。ストークスの定理は、$${∇⋅F=0}$$が成り立つ時にしか適用できませんが、この問題では、ストークスの定理を用いなくても、直接体積積分を計算することで答えを求めることができるのではないでしょうか?」
篠原は、感嘆と驚嘆がちょうど半分くらい声を上げたあと、彼も負けず劣らずの早口で叫ぶ。「なるほど!確かにその通りだ! $${∇⋅F=0}$$という条件にとらわれていたのが、我々の誤りだったんだ!」
アナスタシアは、計算を再開する。
「$${∇×F=(2γx^2z)i+(0)j+(−2αy−2αx)k}$$を体積積分すると…」
「ここで、積分領域$${V}$$を、$${0≤x≤1}$$、$${0≤y≤1}$$、$${0≤z≤1}$$ の立方体としましょう」アナスタシアは、ホワイトボードに立方体の図形を描き加えた。
「そうすると、積分は…ええっと…」彼女は、積分計算を丁寧に進めていく。
「これが$${42π}$$に等しいので… $${\frac{1}{3} \gamma - 2\alpha=42π}$$」
アナスタシアは、この式をじっと見つめ、考え込んだ。
「…$${α}$$と$${γ}$$の関係式が一つ得られましたね。でも、これだけでは$${α}$$と$${γ}$$の値は一意に定まりません…」
彼女は、少しの間、悩んでいたようだったが、すぐに顔を上げて、
「そうだ.. そうだわ.. $${∇⋅F=0}$$は必要ないけれど、$${F=αx^2i+βxyj+γx^2z^2k}$$という条件は満たしていなければなりませんものね!」
と、呟いた。
「$${F}$$の式から、$${α}$$、$${β}$$、$${γ}$$の間に何か関係式が導き出せるかもしれません。」
アナスタシアは、再びペンを手に取り、数式を書き始めた。
「$${F}$$の式を$${x}$$、$${y}$$、$${z}$$でそれぞれ偏微分してみると…」
「これらの式から… $${α}$$、$${β}$$、$${γ}$$ の間に何か関係式が見えてくるはず…」
アナスタシアは、しばらくの間、これらの式をじっと見つめていたが、何も浮かんではこない。シュレーディンガーは丸まって退屈そうに眠ってしまった。
やがて二人は顔を上げる。「…残念ながら、これらからは、これ以上有用な関係式は得られそうにありませんね…」と、少し落胆した様子で言った。
篠原は、そんなアナスタシアを励ますように、「大丈夫。焦らず、じっくり考えてみよう。」と優しく声をかけた。
アナスタシアは、深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、再び問題に取り組んだ。
「もう一度、最初から考えてみましょう… $${∫∫∫_V(∇×F)⋅dV=42π}$$を満たす$${α}$$、$${β}$$、$${γ}$$を求める… $${∇×F}$$は…ええっと…」
彼女は、$${∇×F}$$を丁寧に計算し直した。
「…あれ?」
アナスタシアは、計算結果をもう一度見直して、
「…もしかして、$${β=−2α}$$じゃないでしょうか?」と、少し自信なさそうに言った。
篠原は、アナスタシアの計算結果を確認し、
「ああ、その通りだ! $${β=−2α}$$だ! どうやら、最初の計算で符号を間違えていたようだね」と、笑顔で答えた。
アナスタシアは、自分のミスに気づき、少し恥ずかしそうに頬を赤らめた。
「ええっと…そうすると、$${∇×F=(2γx^2z)i+(0)j+(−4αx)k}$$になりますね。」
「これを体積積分すると…」
「これは先ほどと同じですね… $${\frac{1}{3} \gamma - 2\alpha=42π}$$。」
「そして、$${F=αx^2i+βxyj+γx^2z^2k}$$と$${β=−2α}$$から…」
アナスタシアは、$${F}$$の式に $${β=−2α}$$を代入した。
$${F=αx^2i−2αxyj+γx^2z^2k}$$
「…この式から、$${α}$$ と $${γ}$$ を求める手がかりを見つけなければなりませんね…」
彼女は、再び考え込んだ。
「…もし、$${x=1}$$、$${y=0}$$、$${z=1}$$ とすると… $${F=αi+γk}$$ となりますね」
「このとき、$${∇×F=(2γx^2z)i+(0)j+(−4αx)k=2γi−4αk}$$ 」
「これを体積積分すると…」
「$${V}$$は任意の体積なので、$${2γ−4α=V42π}$$となりますが… $${α}$$と$${γ}$$は定数でなければならないので、これも矛盾ですね…」
アナスタシアは、再び壁にぶつかってしまったようだ。
篠原は、諦めずに、「まだ何か見落としている点があるかもしれない。もう一度、よく考えてみよう。」とアナスタシアを励ました。
アナスタシアは、篠原の言葉に勇気づけられ、再び問題を見つめ直した。
「$${\frac{1}{3}γ−2α=42π … F=αx^2i−2αxyj+γx^2z^2k}$$…」
彼女は、二つの式を交互に見比べながら、考え込んだ。
「…もし、$${F}$$の式に$${x=0}$$を代入すると… $${F=0}$$となりますね…」
「…そうか!」アナスタシアは、顔を上げて篠原に視線を向けた。「$${F}$$の式に$${x=0}$$を代入すると、$${F=0}$$になる。つまり、$${x=0}$$の平面では、ベクトル場$${F}$$は常にゼロベクトルになる… ということ…」
篠原は、少し考えてから、「なるほど… しかし、それが一体どうしたんだ?」と尋ねた。
アナスタシアは、両手を上げたり下げたりしながら、興奮気味に説明を始めた。
「$${x=0}$$の平面を$${S}$$としましょう。$${S}$$上では$${F=0}$$なので、$${∮_SF⋅dS=0}$$。ここで、$${S}$$を底面とするような、高さ$${1}$$の立方体$${V}$$を考えます。この$${V}$$に対してストークスの定理を適用すると…」
アナスタシアは、ホワイトボードに図を描きながら説明を続けた。
「$${∫∫∫_V(∇×F)⋅dV=∮_SF⋅dS=0}$$となります。つまり、この立方体$${V}$$については、$${∇×F}$$の体積積分が$${0}$$になる… ということです。」
篠原は、目を輝かせながら、「なるほど! そして、$${∇×F=(2γx^2z)i+(0)j+(−4αx)k}$$だから…」と呟いた。
アナスタシアは、篠原の言葉を引き継ぐように、
「ええ、$${V}$$内では$${x}$$は常に正なので、$${∇×F}$$の体積積分が$${0}$$になるためには、$${γ=0}$$かつ$${α=0}$$でなければなりません!」と結論づけた。
「しかし…」彼女は少し困ったように眉をひそめた。「$${α=0}$$だと、$${F=0}$$となってしまい、$${∫∫∫_V(∇×F)⋅dV=42π}$$ を満たさなくなってしまいます…」
篠原は、深く頷きながら、「その通りだ。ということは、我々の仮定…つまり、$${x=0}$$の平面で$${F=0}$$となるという仮定が間違っていたということになる。」と言った。
「では、どうすれば…」アナスタシアは、再び考え込んだ。
二人は、しばらくの間、沈黙の中で考え続けていた。シュレーディンガーも、二人の思考を邪魔しないように、静かに床に伏せている。
やがて、アナスタシアが顔を上げて、
「もしかしたら… $${F}$$は、$${x=0}$$の平面を含む、より広い領域でゼロベクトルになるのかもしれませんね」と口にした。
篠原は、興味深そうに、「ほう… それはどういうことだ?」と尋ねた。
アナスタシアは、ホワイトボードに $${F}$$の式を書きながら、
「$${F=αx^2i−2αxyj+γx^2z^2k}$$ … この式をよく見ると、$${x=0}$$だけでなく、$${y=0}$$の平面でも$${F=0}$$になることがわかります」と説明した。
「なるほど…」篠原は、頷きながら、「つまり、$${F}$$は$${xz}$$平面全体でゼロベクトルになるということか」と言った。
「ええ、その通りです」アナスタシアは、自信を取り戻したように力強く頷いた。
「$${xz}$$平面を$${S′}$$としましょう。$${S′}$$上では$${F=0}$$なので、$${∮_{S′}F⋅dS=0}$$です。ここで、$${S′}$$を底面とするような、高さ$${1}$$の立方体$${V′}$$を考えます。この$${V′}$$に対してストークスの定理を適用すると…」
アナスタシアは、ホワイトボードに新たな図形を描きながら説明を続けた。
「$${∫∫∫_{V′}(∇×F)⋅dV=∮_{S′}F⋅dS=0}$$となります。つまり、この立方体 $${V′}$$についても、$${∇×F}$$の体積積分が$${0}$$になるということです」
「そして、$${∇×F=(2γx^2z)i+(0)j+(−4αx)k}$$だから…」篠原は、アナスタシアの言葉を補足した。
「ええ、$${V′}$$内では$${x}$$は常に正なので、$${∇×F}$$の体積積分が$${0}$$になるためには、$${γ=0}$$かつ$${α=0}$$でなければなりません」アナスタシアは、力強く結論づけた。
「しかし、$${α=0}$$だと$${F=0}$$となってしまい、$${∫∫∫_V(∇×F)⋅dV=42π}$$を満たさないので、矛盾が生じます」
「ということは…」篠原は、少し考えてから、「$${F}$$は$${xz}$$平面全体でゼロベクトルにはならない…?」と呟いた。
アナスタシアは、少しの間、考え込んでいたが、やがて顔を上げて、
「…いいえ、先輩。$${F}$$は$${xz}$$平面全体でゼロベクトルになります」と、確信に満ちた声で言った。
「ど、どういうことだ?詳しく説明してくれ..。」篠原は、理解できないという表情でアナスタシアを見つめた。
アナスタシアは、微笑みながら、
「私たちは、$${∇×F}$$の体積積分が$${0}$$になるという条件から、$${γ=0}$$かつ$${α=0}$$という結論を導き出しました。しかし、これは、$${∇×F}$$の$${x}$$成分と$${z}$$成分がそれぞれ$${0}$$になるという条件から導き出された結論です。$${y}$$成分は、常に$${0}$$なので、考慮する必要はありません」と説明した。
「つまり…」
「ええ、$${γ=0}$$であれば、$${∇×F}$$の$${x}$$成分は$${0}$$になります。そして、$${α}$$は任意の値を取ることができます。$${β=−2α}$$なので、$${β}$$も任意の値を取ることができます」
「なるほど…」篠原は、理解したように頷いた。
「このとき、$${F=αx^2i−2αxyj}$$となり、$${∇×F=(0,0,−4αx)}$$ となります。これを $${0≤x≤1、0≤y≤1、0≤z≤1}$$の立方体$${V}$$で体積積分すると…」
「これが $${42π}$$に等しいので… $${−2α=42π}$$」
「よって、$${α=−21π、β=42π、γ=0}$$となります!」
「$${α}$$と$${γ}$$は定数で、$${β}$$は$${-2α}$$に等しい。そして、$${α = 1, γ = 3}$$のとき、積分が$${42π}$$… なるほど… 」
篠原は唸り、驚き、そして感嘆の眼差しをアナスタシアに向ける。「素晴らしい! アナスタシア君、君は本当にすごい!」と手放しで褒め称えた。
その瞬間、シュレーディンガーが「ニャー」と鳴き声を上げ、空中に跳びあがる。 猫の体が光の筋となり、複雑な幾何学的図形を描き出す。それは、まるで宇宙の神秘を体現する、美しい曼荼羅のようであった。
$${第二章「位相の迷宮」完}$$
<用語解説>