【累進配当を宣言中+配当金5年で3倍に】ニチモウ(8091)の買い時を、中期経営計画と直近の決算から分析!
こんにゃちは、まぬるねこ🐱です。
本日は、累進配当を宣言中+配当金を5年で3倍に増やしたニチモウ(8091)の銘柄分析記事です!
3分で読める無料記事なのでぜひ最後まで読んでください!
免責事項
-この記事は具体的な銘柄情報や筆者の取得目標価格などが含まれますが、購入推奨の意図はございません。
1. 銘柄概要
銘柄コード: 8091
企業名: ニチモウ株式会社
上場市場: 東京証券取引所プライム市場
業種: 水産業
企業規模:
時価総額: 約165億円(2024年10月28日現在)
従業員数: 約1,000名
ニチモウ株式会社は、日本の水産業界で伝統を持つ企業です。主力事業である水産事業では、漁業から水産加工、流通までを一貫して行い、新鮮で高品質な水産物を国内外に提供しています。さらに、食品加工事業では冷凍食品や調味料など幅広い商品展開を行い、家庭用および業務用市場での強い顧客基盤を持っています。環境への配慮と持続可能な漁業への取り組みにも積極的で、社会的責任を果たす企業として評価されています。
2. 事業内容とビジネスモデル
主な事業セグメント:
水産事業: 水産物の調達、加工、販売を一貫して行う事業です。サーモンやマグロ、イカなどの輸入・輸出にも注力しており、世界各国の漁業と提携しています。
食品加工事業: 冷凍食品や調味料など、消費者向けの食品製造・販売を行っています。冷凍技術や加工技術を活用し、保存性や品質の向上に努めています。
物流・流通事業: 自社物流ネットワークを活用し、効率的な配送を実現しています。水産物の流通管理において品質保持が重要であり、冷凍・冷蔵管理システムに優れた強みを持っています。
収益構造:
水産事業が売上の柱であり、特に国内外での水産物需要が増加していることが収益に寄与しています。食品加工事業も堅調で、消費者ニーズに対応した商品の展開が業績の安定に寄与しています。
ビジネスモデルの強み:
水産資源の持続可能な利用を重視し、独自の漁業管理システムを導入することで、安定した水産物供給を実現しています。加工から流通までの一貫した体制も強みであり、品質管理に徹底しています。
海外展開の状況:
海外市場でのシェア拡大を進めており、アジア市場を中心に成長しています。水産物の需要増に対応し、グローバルな供給ネットワークの強化を図っています。
3. 財務状況の詳細分析
財務指標:
PBR: 0.53倍
PER: 5.90倍
配当利回り: 4.93%
キャッシュフロー分析:
営業キャッシュフローは堅調で、安定した水産物販売がキャッシュ創出の柱となっています。積極的な設備投資を行い、冷凍・冷蔵設備の拡充により供給力を強化しています。
自己資本比率: 34.90%(安定した財務基盤)
流動比率: 高い流動性を維持しており、短期資金の確保が可能です。
負債比率: 適切な範囲内で管理されており、資本コストの低減が図られています。
4. 業績分析
過去3〜5年の売上高推移:
2021年3月: 113,317百万円
2022年3月: 115,469百万円
2023年3月: 116,829百万円
2024年3月: 127,756百万円(予想)
2025年3月: 135,000百万円(予想)
営業利益・経常利益・純利益の推移:
2021年3月: 営業利益 2,177百万円、経常利益 2,362百万円、最終利益 1,491百万円
2022年3月: 営業利益 3,201百万円、経常利益 3,201百万円、最終利益 2,754百万円
2023年3月: 営業利益 3,626百万円、経常利益 3,204百万円、最終利益 2,349百万円
2024年3月: 営業利益 2,200百万円、経常利益 2,200百万円、最終利益 2,000百万円(予想)
2025年3月: 営業利益 2,900百万円、経常利益 2,900百万円、最終利益 2,800百万円(予想)
1株益の推移:
2021年3月: 217.3円
2022年3月: 402.6円
2023年3月: 341.3円
2024年3月: 90.0円(予想)
2025年3月: 90.0円(予想)
1株配当の推移:
2021年3月: 25.0円
2022年3月: 50.0円
2023年3月: 90.0円
2024年3月: 90.0円(予想)
2025年3月: 90.0円(予想)
5. 市場環境と競争分析
業界全体の成長性とトレンド:
水産業は環境変動とともに成長が期待されており、持続可能な漁業が注目されています。ニチモウはこれに対応した管理と加工技術で市場に適応しています。
市場規模と成長率:
水産物の需要は国内外で堅調に拡大しており、今後も安定した成長が予測されます。ニチモウはこの需要を取り込み、グローバル市場でのシェア拡大を目指しています。
競合他社との比較:
業界には大手食品メーカーも参入しているが、ニチモウは伝統と一貫体制を強みにしています。競争優位性として、品質管理と供給の安定性が挙げられます。
主要な競争要因:
持続可能な漁業、加工品質、供給の安定性が競争要因であり、ニチモウはこれらの分野で優位性を確保しています。
6. バリュエーションと投資判断
株価指標:
PER: 5.90倍
PBR: 0.53倍
配当利回り: 4.93%
アナリストの目標株価とその根拠:
目標株価: 2,000円(海外成長の期待と安定した収益性が評価)
市場コンセンサスとその評価:
高い配当利回りと安定した収益基盤が評価され、株価の成長余地が期待されています。
投資スタンス:
ニチモウは配当利回りの高さが魅力であり、安定したインカムゲインを期待する投資家に適しています。持続可能なビジネスモデルも中長期的な成長要素です。
7. 最近のニュースと話題
最新の企業発表:
水産資源の持続可能な利用を目指し、漁業技術の改善や冷凍設備の更新を発表。地域社会と連携した取り組みも強化しています。
市場での話題や評判:
持続可能な漁業と環境対応への取り組みが評価され、消費者の関心も高まっています。
投資家の注目ポイント:
高配当と安定成長: 配当利回りの高さと、国内外での水産物需要の拡大が投資家の注目を集めています。
8. 直近中期経営計画の注目ポイント
サステナブル経営の推進とSDGs対応
説明: ニチモウは、「浜から食卓までを網羅し繋ぐ」という経営方針のもと、SDGsに対応したサステナブル経営を推進しています。特に、海洋資源の保全と環境配慮型製品の開発に注力しており、バイオマス由来の漁網や、海洋プラスチックごみを減らす生分解性プラスチックを使用した漁業資材を開発しています。さらに、陸上養殖にも取り組み、安定的な水産物供給を図っています。
将来の業績への影響: 持続可能な水産資源管理とエコ素材の開発により、企業価値が向上し、環境意識の高い顧客からの支持を得られる可能性があります。特に、バイオマス漁網や陸上養殖の事業拡大により、収益性の向上と持続可能な成長が期待されます。
事業の選択と集中による成長戦略
説明: 2025年3月期までに1,300億円の売上高、33億円の営業利益を目指し、成長分野への投資を強化しています。具体的には、水産物加工の安定供給体制を整え、食品事業の選択と集中を推進。さらに、機械・資材事業においては、加工機械や食品包装資材の供給を強化し、国内外の需要に応える体制を構築しています。
将来の業績への影響: 成長分野に資源を集中させることで、事業ポートフォリオの最適化が図られ、収益基盤が強化される見込みです。特に、加工食品の供給体制が整うことで、食品事業の売上比率を65%以上に引き上げる計画です。
海外市場での事業拡大とM&A戦略
説明: ASEAN地域を中心に海外売上比率を20%に引き上げることを目指し、海外市場での事業展開を加速しています。特に、漁業や食品事業において、現地パートナーとの連携を強化し、新たな顧客基盤を確立することを狙っています。また、M&Aを通じた事業拡大も進め、2025年度には合計100億円の投資を計画しています。
将来の業績への影響: 海外市場でのシェア拡大により、新興市場での成長が期待され、長期的な収益基盤の強化が見込まれます。海外売上比率を引き上げることで、収益の多様化と地理的リスクの分散が進むでしょう。
キャッシュフローの最適化と株主還元の強化
説明: ニチモウは、安定したキャッシュフローを活用し、設備投資や成長分野への戦略的な資本配分を進めています。また、株主還元を強化するため、配当性向を段階的に引き上げる計画を掲げています。特に、長期的な株主価値の向上を目指し、利益の一部を再投資に回すとともに、配当の充実を図っています。
将来の業績への影響: 戦略的な資本配分により、成長市場での競争力が強化されると同時に、株主への還元が強化されることで、投資家からの信頼が向上します。これにより、ROEを2025年度には10%以上に向上させる目標を掲げており、企業価値の向上が期待されます。
9. 直近決算の注目ポイント
売上高と営業利益の動向
2025年3月期第1四半期において、ニチモウ株式会社の売上高は前年同期比3.4%減の302億9,700万円となり、減収減益でのスタートとなりました。営業利益は前年同期比13.0%減少し、6億4,800万円、経常利益も前年同期比5.9%減の8億400万円と減少しました。主力の食品事業での減収と、販売管理費の増加が業績に影響を与えました。一方、海洋事業では養殖事業の拡大により増収増益を達成し、収益基盤の多角化が進んでいます。
セグメント別の詳細な業績
食品事業
売上高は185億5,200万円で前年同期比5.1%減少し、営業利益は42億3,000万円で前年同期比25.1%減少しました。特にカニや凍魚以外の助子・加工食品の販売が低調で、国際価格の変動や消費者の購買行動の変化が影響しています。年末商戦に向けて在庫確保と販促強化を進め、下期の業績回復が期待されています。海洋事業
売上高は58億4,300万円で前年同期比0.5%減少しましたが、営業利益は2億6,000万円で前年同期比9.2%増加しました。養殖事業が堅調に推移し、特に海外のオンライン販売が伸びています。今後も市場拡大を目指し、陸上ネット販売を強化する計画です。機械事業
売上高は29億3,600万円で前年同期比1.3%減少し、営業利益は2億1,100万円で前年同期比9.8%減少しました。受注は国内外で順調ですが、一部海外案件の納期が下期にずれ込むため、収益への影響が見込まれます。省人化・省力化設備の需要が引き続き増加していますが、利益率改善が課題です。資材事業
売上高は22億7,900万円で前年同期比3.4%増加しましたが、営業利益は6,800万円で前年同期比27.7%減少しました。円安に伴う仕入コストの上昇が影響していますが、輸出向けでの需要増加が支えています。
減損損失と事業構造改善
ニチモウは、食品事業の低迷に対応するため、既存商品の再評価や高付加価値製品の開発を推進しています。また、養殖事業の拡大と省人化設備の強化を進めることで、収益基盤の多角化と効率化を図っています。特に海洋事業では、陸上ネット販売の強化を図り、コスト削減とともに市場拡大を目指します。今後もESG対応を進め、持続可能なビジネスモデルの確立を目指しています。
財務状況と将来の見通し
2025年3月期の通期業績予想は、売上高1,350億円、営業利益34億円を見込んでおり、下期にかけて収益の回復が見込まれています。特に、食品事業では年末商戦を見据えて在庫確保と販促活動の強化を進めています。また、資材事業での輸出向け拡大と、機械事業での海外市場への展開により、持続的な収益確保を目指します。
まとめ
ニチモウは、食品事業を中心とする既存事業の強化とともに、海洋事業や省人化機械の普及などを通じて持続可能な成長を目指しています。特に養殖事業では市場拡大を図り、デジタル化の進展に伴うコスト削減と効率化に取り組んでいます。また、ESG戦略を強化し、環境負荷低減や持続可能な資源活用を進めることで、競争力を強化しつつ、企業価値の向上に取り組む方針です。今後も、収益の多様化と新規市場への参入を通じ、グローバルな事業展開を推進していく計画です。
10. 投資判断
株価: 1,841円(2024年10月17日時点)
時価総額: 約166億円
配当金(年間): 80円(予想)
配当利回り: 4.89%
総合評価: B
ニチモウ株式会社は、日本国内およびアジア市場で水産物の加工・販売を展開し、持続可能な資源管理や環境配慮型製品の開発に注力しています。同社の水産物加工事業は、高い品質管理と顧客信頼に支えられ、国内外で安定した需要があり、特にアジア市場での成長が期待されています。また、飼料事業を含む幅広い事業構成により収益基盤が多角化しており、ESG投資家からも注目されています。配当利回りが4.89%と高いため、インカムゲインを重視する投資家にとっては魅力的です。
しかし、評価を「B」とした理由は、同社の収益性と成長性においていくつかのリスクが存在するためです。特に、以下の3点が懸念材料となります。
収益性の変動とコスト管理の課題: 食品卸売事業では、原材料費の上昇と為替変動の影響が利益率を圧迫しており、同社の収益性改善が急務です。国内市場の成熟に伴い、主要顧客の需要変動や競争環境の厳しさが影響して、利益が安定しない傾向があります。
規模の経済による競争力の制約: 競合する日本水産やマルハニチロと比べると、ニチモウの市場規模は相対的に小さく、事業拡大にはさらなる投資が必要です。ASEAN地域での市場拡大は期待されていますが、他社に比べた競争力強化の面で優位性を確保する必要があります。
成長のための投資負担とキャッシュフローの圧迫: 成長分野での設備投資や事業拡大に伴うキャッシュフローの管理が求められます。特にM&Aや設備増強のための投資計画がキャッシュフローの安定性に影響する可能性があり、今後の財務健全性が課題です。
総合的に見ると、ニチモウ株式会社は安定した収益基盤を持ちながらも、さらなる成長に向けていくつかのハードルを抱えています。持続可能な資源管理と環境対応を武器に、成長市場でのシェア拡大に期待がかかる一方、収益性と競争力の強化が求められます。こうした状況を踏まえ、総合評価は「B」としましたが、戦略的な事業構造改革が進展し、収益性が安定することで将来的な評価の向上も視野に入れています。
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