
【配当利回り4%超えの隠れ累進配当銘柄】小野薬品工業(4528)の買い時を、中期経営計画と直近の決算から分析!
こんにゃちは、まぬるねこ🐱です。
本日は、配当利回り4%超えの隠れ累進配当銘柄である、小野薬品工業(4528)の銘柄分析記事です!
3分で読める無料記事なのでぜひ最後まで読んでください!
免責事項
-この記事は具体的な銘柄情報や筆者の取得目標価格などが含まれますが、購入推奨の意図はございません。
1. 銘柄概要
銘柄コード: 4528
企業名: 小野薬品工業株式会社
上場市場: 東京証券取引所プライム市場
業種: 医薬品
企業規模:
時価総額: 約8,702億円(2024年12月4日現在)
従業員数: 約4,500名
小野薬品工業は、がん免疫療法薬「オプジーボ(Opdivo)」の開発で知られる日本を代表する製薬企業です。オプジーボは世界的に認知されており、同社の売上の中核を成しています。また、免疫疾患や感染症治療薬など幅広い分野で革新的な医薬品の開発を進めており、日本国内のみならず、海外市場でも高い評価を得ています。
2. 事業内容とビジネスモデル
主な事業セグメント:
医薬品事業: がん治療薬、免疫疾患治療薬、感染症治療薬など、特定分野に特化した高付加価値医薬品の開発および販売を行っています。特に「オプジーボ」は国内外で売上の柱として機能しており、近年は適応拡大による売上成長が見られます。
提携開発事業: グローバル製薬企業と連携して研究開発を進め、ライセンス供与や共同開発契約による収益を確保しています。
収益構造:
医薬品事業が売上高の大半を占める一方、ライセンス収入や研究提携によるロイヤルティ収入も収益源として安定しています。
ビジネスモデルの強み:
独自の研究開発力に加え、海外企業との提携を活かした新薬開発戦略が特長です。また、研究開発への投資比率が高く、革新性を伴う医薬品の提供を可能にしています。
海外展開の状況:
特に米国や欧州市場での収益成長が顕著で、近年はアジア市場への展開も加速しています。海外売上比率の向上により、グローバルな収益基盤を築いています。
3. 財務状況の詳細分析
財務指標:
PBR: 1.05倍
PER: 14.10倍
配当利回り: 4.58%
キャッシュフロー分析:
営業キャッシュフローが安定的に増加しており、研究開発費や株主還元に十分対応できる体制を維持しています。積極的な研究投資が将来の成長を支える一方、安定的な配当方針により株主還元も実施されています。
自己資本比率: 86.80%
ROE: 7.31%
負債比率: 比較的低く、健全な財務体質を維持しています。
4. 業績分析
過去3〜5年の売上高推移:
2021年3月: 309,284百万円
2022年3月: 361,361百万円
2023年3月: 417,562百万円
2024年3月: 485,000百万円(予想)
2025年3月: 485,000百万円(予想)
営業利益・経常利益・純利益の推移:
2021年3月: 営業利益 98,330百万円、経常利益 100,890百万円、最終利益 75,425百万円
2022年3月: 営業利益 103,195百万円、経常利益 105,025百万円、最終利益 80,519百万円
2023年3月: 営業利益 122,562百万円、経常利益 125,936百万円、最終利益 112,723百万円
2024年3月: 営業利益 123,000百万円、経常利益 127,000百万円、最終利益 123,000百万円(予想)
2025年3月: 営業利益 123,000百万円、経常利益 123,000百万円、最終利益 123,000百万円(予想)
1株益の推移:
2021年3月: 151.1円
2022年3月: 162.2円
2023年3月: 230.9円
2024年3月: 266.8円(予想)
2025年3月: 123.5円(予想)
1株配当の推移:
2021年3月: 50.0円
2022年3月: 56.0円
2023年3月: 70.0円
2024年3月: 70.0円(予想)
2025年3月: 70.0円(予想)
5. 市場環境と競争分析
業界全体の成長性とトレンド:
医薬品業界では、がん治療分野が最も成長が期待されています。小野薬品は、その分野における研究開発力で競争優位性を持っています。
市場規模と成長率:
グローバル医薬品市場は堅調に成長しており、小野薬品の製品群はその成長の恩恵を受けています。
競合他社との比較:
武田薬品、アステラス製薬と比較しても、高収益性と研究開発の専門性で一線を画しています。
主要な競争要因:
医薬品開発におけるスピードと革新性が鍵となっており、小野薬品はこれらの面で優れた実績を有しています。
6. バリュエーションと投資判断
株価指標:
PER: 14.10倍
PBR: 1.05倍
配当利回り: 4.58%
アナリストの目標株価とその根拠:
目標株価は1,774円とされ、がん治療薬分野での成長性と安定した配当政策が評価されています。
市場コンセンサスとその評価:
配当利回りの高さと安定した財務基盤が評価されており、特に高配当志向の投資家から支持されています。
投資スタンス:
高い配当利回りと成長性を兼ね備えた銘柄として、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙う長期投資家に適しています。
7. 最近のニュースと話題
最新の企業発表:
新たな適応症に関するオプジーボの承認取得が報告され、市場シェア拡大が見込まれます。
市場での話題や評判:
高配当利回りの維持に加え、研究開発型企業としての地位が評価されています。
8. 直近中期経営計画の注目ポイント
革新的医薬品の創製とパイプラインの拡充
説明: 小野薬品は、がん治療薬の「オプジーボ」をはじめ、独自の研究開発により新たな治療法の創出に注力しています。特に、グローバル市場での競争力を高めるため、国内外で積極的にパイプラインの拡充を行い、300件以上の創薬提携を進めています。また、がん、免疫、神経、スペシャリティ領域での治療法を広げることで、患者にとって革新的な治療を提供することを目指しています。
将来の業績への影響: パイプライン拡充と製品価値最大化の取り組みにより、新薬の売上が増加し、安定した収益が期待されます。さらに、2022年度には売上収益が23.8%増の4,472億円に達し、研究開発投資の成果が収益に反映されることで、将来的な成長が期待されています。
欧米での自販体制構築
説明: 小野薬品は、欧米市場での自社販売体制の確立を推進しています。具体的には、米国でのがん治療薬「ONO-4059」の開発をはじめとした複数のプロジェクトを進行中で、世界規模での収益拡大を目指しています。米国や欧州市場の規模拡大により、日本市場の約10倍に相当する収益を見込んでいます。
将来の業績への影響: 欧米市場での自販体制が確立されれば、売上基盤が大きく拡大し、グローバル競争力が強化されることが期待されます。これにより、中長期的な収益の安定化と成長が実現される見込みです。
ESG・サステナビリティ対応の強化
説明: 小野薬品は、ESG(環境・社会・ガバナンス)に重点を置き、持続可能な経営を実現するための取り組みを進めています。CO2排出削減目標の設定や、社会的な課題解決に向けたヘルスケア分野での事業拡大に注力しています。また、株主還元方針として安定的な配当の実施を掲げ、成長と還元のバランスを取る姿勢を示しています。
将来の業績への影響: ESG活動の強化により、投資家からの評価が向上し、社会的な信頼が確保されることで企業価値が向上することが期待されます。また、ヘルスケア事業拡大により、新たな収益源の確保と市場ポジションの強化が見込まれます。
デジタル・ITによる企業変革
説明: 小野薬品は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、研究開発から販売までのプロセスを効率化し、企業変革を図っています。また、デジタル・ヘルスケア分野への参入を進め、患者支援ツールの提供や医療データの活用を通じて、患者との接点を強化しています。
将来の業績への影響: DXによる業務効率化とデジタル分野での新規事業の展開により、コスト削減と収益拡大が期待されます。これにより、業績の安定と成長が見込まれ、競争力の向上につながるでしょう。
9. 直近決算の注目ポイント
売上高と営業利益の動向
2025年3月期第2四半期における小野薬品工業株式会社の売上収益は前年同期比7.1%減の2,403億円となり、減収減益となりました。営業利益は42.4%減の559億円、親会社所有者に帰属する中間利益は44.1%減の416億円にとどまりました。この減益の主な要因は、主力製品「オプジーボ」の薬価引き下げと研究開発費の増加によるものです。一方で、糖尿病および慢性腎臓病治療剤「フォシーガ」の売上は前年同期比21.7%増の437億円となり、成長を続けています。
セグメント別の詳細な業績
抗がん剤セグメント
主力製品「オプジーボ」の売上は626億円で前年同期比16.5%減少しました。薬価改定の影響に加え、米国市場からのロイヤルティ収入の減少が響きました。一方、新規導入した消化管間質腫瘍治療剤「キンロック」は、81億円の売上を計上し、新たな収益源として寄与しています。糖尿病・腎臓病治療セグメント
「フォシーガ」は慢性腎臓病治療での需要が拡大し、売上は大幅に増加しました。同剤は国内外での販売拡大が進み、収益の主要な支柱となっています。免疫疾患治療セグメント
関節リウマチ治療剤「オレンシア」の売上は135億円で前年同期比3.5%増加しました。国内外での安定的な需要が引き続き見られます。また、他の免疫治療薬も堅調に推移しています。その他治療薬セグメント
パーキンソン病治療剤「オンジェンティス」の売上は前年同期比21.4%増の38億円を記録しました。神経疾患領域での需要増加が収益を支えています。
減損損失と事業構造改善
当四半期では35億円の減損損失が発生しましたが、これは主に研究開発に関連する無形資産に対するものです。また、米国のバイオ医薬品企業「Deciphera Pharmaceuticals」の買収により、新たな抗がん剤のパイプラインを獲得しました。これにより、欧米市場への展開を強化するとともに、がん治療領域での研究開発力を強化しています。
財務状況と将来の見通し
2025年3月期通期の業績予想は、売上収益4,850億円(前年比3.5%減)、営業利益820億円(同48.7%減)、親会社所有者に帰属する当期利益580億円(同54.7%減)を見込んでいます。一方、デシフェラ社買収による新製品「QINLOCK」および「Vimseltinib」の販売開始が中期的な収益拡大に寄与すると期待されています。また、株主還元として年間配当予想は80円を維持する予定です。
まとめ
小野薬品工業は、主力製品「オプジーボ」の薬価引き下げや研究開発費増加により減収減益となりましたが、慢性腎臓病治療剤「フォシーガ」の成長や新規買収製品による収益基盤強化が進んでいます。特に、がん領域での研究開発および欧米市場への展開強化が今後の成長の鍵となります。さらに、研究開発力の強化と効率的な事業運営を通じて、持続的な成長を目指しています。
10. 総合評価と投資判断
株価: 1,745.0円(2024年12月4日時点)
時価総額: 約8,702億円
配当利回り: 4.58%
PBR: 1.05倍
PER: 14.10倍
ROE: 7.31%
総合評価: A-
評価ポイント
小野薬品工業は、主力製品「オプジーボ」を中心に、がん治療薬分野での収益基盤を持つ日本を代表する製薬企業です。減収減益が報告される中、慢性腎臓病治療剤「フォシーガ」の成長や、新たに買収した製品による欧米市場での展開が期待されており、今後の成長に向けた準備が進んでいます。株価指標では**配当利回りが4.58%**と高く、安定した株主還元を実現しており、インカムゲイン志向の投資家にとって魅力的な銘柄です。
A-評価の理由
高配当利回りと株主還元の充実
配当利回りが4.58%と高水準で、株主還元方針が明確に示されています。業績の厳しい環境下でも、安定した配当を維持しており、配当性向64.78%と株主への利益還元を重視している姿勢が伺えます。慢性腎臓病治療剤「フォシーガ」の成長性
医薬品「フォシーガ」の売上が順調に拡大しており、主力製品の売上減を補完する収益源として機能しています。国内外での販売拡大が進み、将来的な安定成長の柱として期待されています。欧米市場への展開と新たな製品群の拡充
米国の「Deciphera Pharmaceuticals」の買収により、がん治療薬パイプラインを強化。特に、「QINLOCK」や「Vimseltinib」などの新製品が中期的に欧米市場での成長を支えると予測されます。強固な財務基盤
自己資本比率が86.80%と非常に高く、負債比率が低いため、長期的な投資余力があります。研究開発費への継続的な投資も、健全な財務体質に支えられています。
注意すべきリスク要因
「オプジーボ」への依存と薬価引き下げの影響
主力製品「オプジーボ」の薬価引き下げが収益に大きな影響を与えています。将来的にさらなる薬価改定が行われる可能性もあり、リスク管理が重要です。新製品の商業化リスク
買収した新製品群が商業的に成功するかは不確実性が伴います。特に欧米市場での展開には競争激化や規制リスクが伴い、売上貢献に時間がかかる可能性があります。研究開発費の負担増
新薬開発への積極投資が収益性を圧迫しており、研究開発費の増加が利益率を低下させる可能性があります。
結論
小野薬品工業は、厳しい市場環境下においても、高配当政策と成長期待を兼ね備えた銘柄です。減益の影響が一時的なものである場合、欧米市場での製品拡大が業績回復を支える可能性が高く、中長期的な成長が見込まれます。
投資判断
「配当重視の長期投資」向け
高配当利回りと安定的な財務基盤を評価し、インカムゲインを重視する投資家に適した銘柄です。ただし、短期的な業績悪化リスクを織り込んだ上での投資が望まれます。目標株価: 1,774円
研究開発投資の成果と欧米市場での展開次第ではさらなる上昇余地がありますが、短期的な収益低下リスクを考慮した妥当な評価として設定されています。
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