【円高メリット高配当株】中越パルプ工業(3877)は買い時か?中期経営計画と直近の決算から、買い時を分析!
こんにゃちは、まぬるねこ🐱です。
本日は、円高メリット高配当株である中越パルプ工業(3877)の銘柄分析記事です!
3分で読める無料記事なのでぜひ最後まで読んでください!
免責事項
-この記事は具体的な銘柄情報や筆者の取得目標価格などが含まれますが、購入推奨の意図はございません。
1. 銘柄概要
銘柄コード: 3877
企業名: 中越パルプ工業株式会社
上場市場: 東京証券取引所プライム市場
業種: パルプ・紙
企業規模:
時価総額: 約1,255億円(2024年10月16日現在)
従業員数: 約2,500名
中越パルプ工業は、日本国内で工業用紙と特殊紙の製造・販売を行う主要な製紙メーカーです。環境配慮型の製品に注力し、再生可能な素材を活用することで、持続可能なビジネスモデルを確立しています。
2. 事業内容とビジネスモデル
主な事業セグメント:
工業用紙事業: 段ボール原紙や包装用紙を主力製品とし、国内外の流通業界から高い需要を得ています。再生可能資源を活用した製品開発を進め、環境負荷低減に取り組んでいます。
パルプ事業: リサイクル可能なパルプの製造を行い、製紙業界に供給。国内でのパルプ原料の安定供給を目指し、環境に配慮した製品開発が強みです。
特殊紙事業: 電子機器や食品包装など、多用途に対応した機能性の高い特殊紙を提供。特定分野でのニーズに応えることで、高付加価値製品として収益性を確保しています。
収益構造:
工業用紙が売上の大部分を占め、物流業界での包装需要が成長を支えています。特殊紙やリサイクルパルプなどの環境配慮型製品が高付加価値分野として成長を牽引しています。
ビジネスモデルの強み:
長年の業界経験と先進的な技術力を持ち、持続可能な製品を供給することで、国内外の幅広い市場で高い評価を得ています。環境対応型の素材を採用し、顧客ニーズに応じたカスタマイズが可能です。
海外展開の状況:
主にアジア市場への輸出に注力しており、リサイクル紙製品を中心に成長を図っています。環境意識の高い市場でのシェア拡大を進め、グローバルな供給能力を強化しています。
3. 財務状況の詳細分析
財務指標:
PBR: 0.29倍
PER: 5.10倍
配当利回り: 4.78%
キャッシュフロー分析:
営業キャッシュフローは堅調で、再生可能資源への設備投資や環境対応型の製品開発に積極的に活用されています。投資キャッシュフローも堅実で、持続可能な成長基盤の構築に向けて積極的な設備投資が行われています。
自己資本比率: 約50%(推定)
流動比率: 約150%
負債比率: 約40%(健全な水準)
4. 業績分析
過去3〜5年の売上高推移:
2021年3月: 81,938百万円
2022年3月: 90,104百万円
2023年3月: 105,668百万円
2024年3月: 107,826百万円
2025年3月: 112,000百万円(予想)
営業利益・経常利益・純利益の推移:
2021年3月: 営業損失 -347.0百万円、経常損失 -319.0百万円、最終損失 -1,052.0百万円
2022年3月: 営業利益 2,352.0百万円、経常利益 3,017.0百万円、最終利益 1,268.0百万円
2023年3月: 営業利益 2,594.0百万円、経常利益 3,397.0百万円、最終利益 3,050.0百万円
2024年3月: 営業利益 6,172.0百万円、経常利益 6,820.0百万円、最終利益 3,701.0百万円
2025年3月: 営業利益 4,900.0百万円、経常利益 6,300.0百万円、最終利益 2,471.0百万円(予想)
1株益の推移:
2021年3月: -78.9円
2022年3月: 40.0円
2023年3月: 229.1円
2024年3月: 285.9円
2025年3月: 247.1円(予想)
1株配当の推移:
2021年3月: 0.0円
2022年3月: 20.0円
2023年3月: 50.0円
2024年3月: 50.0円
2025年3月: 60.0円(予想)
5. 市場環境と競争分析
業界全体の成長性とトレンド:
世界的なプラスチック削減の動きにより、再生可能な紙製品の需要が増加しています。中越パルプ工業は、リサイクル可能なパルプや特殊紙の生産を強化し、環境意識の高い市場での競争力を高めています。
市場規模と成長率:
国内外の需要は安定しており、特にアジア市場での成長が期待されます。再生可能素材を活用した製品の需要増加に対応し、シェア拡大を図っています。
競合他社との比較:
大王製紙、日本製紙などの企業と競合。中越パルプ工業は、リサイクル紙や環境配慮型製品の分野で差別化を図り、競争優位を維持しています。
主要な競争要因:
環境配慮、コスト効率、製品の多様性が競争要因となります。中越パルプ工業は、これらの要因で優位性を発揮し、特にサステナブル製品で市場シェアを確保しています。
6. バリュエーションと投資判断
株価指標:
PER: 5.10倍
PBR: 0.29倍
配当利回り: 4.78%
アナリストの目標株価とその根拠:
目標株価: 1,332円(成長可能性と収益性の向上が評価されており、持続可能な製品の需要拡大が見込まれる)
市場コンセンサスとその評価:
割安感があり、配当利回りの高さがインカムゲインを求める投資家に評価されています。持続可能な製品の拡大で、長期的な成長が期待される銘柄です。
投資スタンス:
環境意識の高い市場でのシェア拡大が期待され、安定的な配当が魅力。インカムゲインとキャピタルゲインの両立を重視する投資家に適しています。
7. 最近のニュースと話題
最新の企業発表:
再生可能素材を使用した新製品の発売を発表し、サステナビリティへの貢献を強化。リサイクル可能な包装材料として、消費者からの注目を集めています。
市場での話題や評判:
環境対応型製品の開発が進む中、中越パルプ工業の製品が市場で高評価を得ています。特に、高い配当利回りと成長分野での投資が好評で、ESG投資家からも注目されています。
投資家の注目ポイント:
高配当と持続可能な成長: 配当利回り4.78%と高く、環境配慮型製品への投資が進むことで、長期的な成長が期待されます。サステナビリティに焦点を当てたビジネスモデルが、持続的な株主価値向上に寄与しています。
8. 直近中期経営計画の注目ポイント
既存事業の構造転換と収益力強化
説明: 中越パルプは、紙パルプ事業の生産体制を再構築し、グラフィック用紙の比率を2020年度の75%から2025年度には60%に削減する計画です。また、関係会社の事業を選択と集中により強化し、家庭紙やパルプなどの成長領域に注力しています。高岡工場では6号マシンの停止を予定し、省エネと効率化を図りながら、遊休設備を活用して新たな生産拠点の整備も検討しています。
将来の業績への影響: 需要減少に対応した事業の再編成により、コスト削減が見込まれるほか、家庭紙やパルプの増産により収益基盤が強化されることが期待されます。2025年度には、営業利益を40億円に引き上げる計画であり、収益力の改善が進む見込みです。
森林資源を活用した環境ビジネスの推進
説明: 中越パルプは、森林資源の有効活用を軸に、脱プラスチックや脱化石燃料を目指したエコ素材の開発を進めています。新たなバイオマス発電の導入や、再生可能エネルギーを利用した製造プロセスへの移行を図り、CO2削減に取り組んでいます。また、環境対応型の新素材であるnanoforest(CNF)を活用した製品の開発を加速しており、畜舎向けの環境改善資材としての実用化も進めています。
将来の業績への影響: 環境ビジネスの拡大により、持続可能な社会の実現に貢献するだけでなく、エコ製品市場での競争力が向上します。これにより、2030年度までにCO2排出量を2013年度比で50%削減し、環境負荷低減による長期的な企業価値の向上が期待されます。
投資計画とキャッシュフローの戦略的活用
説明: 中越パルプは、2021年から2025年にかけて合計410億円の戦略的な投資を実施します。投資は主に、既存事業の強化と環境ビジネスの推進に振り向けられ、特に環境投資には210億円が計画されています。さらに、キャッシュフローの最適化を図り、安定した配当方針を維持しながら、収益性の高い領域への再投資を推進します。
将来の業績への影響: 戦略的な投資により、収益性の高い分野での成長が期待され、2025年度にはROEを5%以上に向上させる目標を掲げています。加えて、持続可能な配当政策を通じて、投資家からの信頼を高めるとともに、キャッシュフローの安定化による企業価値の向上が見込まれます。
新素材開発と循環型社会の構築
説明: 中越パルプは、nanoforest(CNF)を含む新素材の研究開発を強化し、特に農業や畜産分野への用途拡大を進めています。2023年度には高機能CNFのパイロットプラントを完工し、新たな素材分野での技術革新を目指しています。さらに、エコプロダクツ製造工場の早期稼働を予定し、プラスチック代替素材の拡充を通じて、脱プラ社会の実現に貢献します。
将来の業績への影響: 新素材の実用化と市場投入が進むことで、従来の製紙事業に依存しない収益源の確保が可能となります。エコプロダクツ製造により、環境対応製品市場でのシェア拡大が見込まれ、長期的な成長基盤の強化に寄与することが期待されます。
9. 直近決算の注目ポイント
売上高と営業利益の動向
2025年3月期第1四半期において、中越パルプ工業の売上高は前年同期比0.8%増の264億円に達しましたが、営業利益は前年同期比62.3%減の4億4,600万円となりました。主な要因は、国内外の原燃料価格の高止まりや、工場の修繕工事による固定費の増加です。輸出拡大に取り組んだものの、紙・パルプ事業の需要低迷が収益を圧迫し、経常利益は前年同期比41.7%減の8億8,200万円、純利益は50.4%減の5億1,500万円となりました。
セグメント別の詳細な業績
紙・パルプ製造事業
売上高は242億2,600万円で前年同期比3.2%増加しましたが、営業利益は前年同期比75.1%減少の2億6,900万円に留まりました。新聞用紙は国内で需要が低迷し、印刷用紙の販売も減少しています。しかし、東南アジア向けの輸出が堅調に推移したため、売上増に繋がりました。包装用紙と板紙の需要は安定しており、特に輸出向けで数量と金額が増加しています。発電事業
売上高は12億8,700万円で前年同期比26.5%減少しましたが、営業利益は9,000万円で前年同期比5.6%増加しました。売電価格の下落が売上減少を招きましたが、発電設備の停止や効率化によりコスト削減が進み、利益増加に寄与しました。その他事業
売上高は40億1,300万円で前年同期比2.0%増加、営業利益は3億6,500万円に達し、前年同期比で365.8%増加しました。紙運送や紙断裁選別などの物流サービスの取扱量が増加し、コスト削減の取り組みも奏功しました。一方、建設関連事業では受注の減少が見られ、今後の施策が課題となります。
減損損失と事業構造改善
中越パルプ工業は、設備の老朽化や生産性の低下に対する対策として、事業構造の改善に取り組んでいます。家庭紙の新設機械の導入と安定操業を目指し、生産能力の増強を図っています。さらに、輸出拡大と国内外での販路強化を進め、特に包装用紙や衛生用紙の市場開拓を目指しています。コスト削減の一環としては、工場の修繕工事を通じて固定費の見直しや設備投資の最適化を図っています。
財務状況と将来の見通し
2025年3月期の通期業績予想では、売上高1,120億円(前年同期比3.9%増)、営業利益46億円(前年同期比25.5%減)を見込んでいます。パルプ事業では輸出の増加を見据え、引き続き東南アジアを中心とした海外市場での販売拡大を目指し、国内外の需要に応じた製品ラインの強化を図ります。また、固定費削減や物流の効率化を進め、安定した収益基盤の構築を目指しています。
まとめ
中越パルプ工業は、国際市場の変動に対して柔軟な対応を進めるとともに、安定した供給体制の構築を目指しています。特に、国内外での輸出拡大と効率化を進め、包装用紙や衛生用紙などの需要拡大に注力しています。今後は、持続可能な生産体制とコスト削減に取り組みながら、ESG対応や環境負荷軽減の施策を強化し、持続可能な社会貢献と収益向上を目指していきます。
10. 投資判断
株価: 1,255.0円(2024年10月16日時点)
時価総額: 約1,685億円
配当金(年間): 60.0円(予想)
配当利回り: 4.78%
総合評価: B+
中越パルプ工業は、再生可能素材を利用した持続可能な製品開発を強みとする製紙メーカーであり、環境配慮型ビジネスモデルを確立しています。同社は工業用紙や特殊紙といった分野で高い需要を誇り、特に物流や包装業界からの安定した収益が期待されます。また、ESG対応への積極的な取り組みにより、長期的に安定した成長が見込まれます。時価総額が約1,685億円で、PERが5.10倍、PBRが0.29倍という割安なバリュエーションは、長期投資家にとって魅力的な点です。さらに、4.78%の高い配当利回りは、インカムゲインを重視する投資家にとって大きな魅力であり、ESG投資家からの注目も集めています。しかしながら、「B+」評価にとどまる理由は、業績が原燃料価格や市場需要の変動に対して敏感であることです。近年の業績では減益も見られており、特に2025年3月期には前期比で利益の減少が見込まれています。また、持続的な成長のための設備投資や環境対策には多額の資金が必要であり、短期的な利益率の圧迫要因となる可能性があります。加えて、同社の主要事業である製紙業界は競争が激化しており、環境配慮型製品の拡充が進む中、他社との差別化を図るための技術革新と市場開拓が必要です。総合的に、安定した収益基盤と高配当の魅力により長期的な成長が期待されるものの、外部環境のリスクや競争環境の厳しさを踏まえ、「B+」評価としています。長期的な視点で成長と安定収益を見込む投資家にとっては、有望な投資先と考えられます。
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