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【連続増配24年、連続非減配30年のド安定銘柄】三菱HCキャピタル(8593)の買い時を、中期経営計画と直近の決算から分析!

こんにゃちは、まぬるねこ🐱です。
本日は、連続増配24年、連続非減配30年のド安定銘柄である三菱HCキャピタル(8593)の銘柄分析記事です! 
3分で読める無料記事なのでぜひ最後まで読んでください!

免責事項

-この記事は具体的な銘柄情報や筆者の取得目標価格などが含まれますが、購入推奨の意図はございません。


1. 銘柄概要

銘柄分析シート
  • 銘柄コード: 8593

  • 企業名: 三菱HCキャピタル株式会社

  • 上場市場: 東京証券取引所プライム市場

  • 業種: その他金融業

  • 企業規模:

    • 時価総額: 約1兆4777億円(2024年12月5日現在)

    • 従業員数: 約10,000名

三菱HCキャピタル株式会社は、日本を代表する総合金融サービス企業であり、リースやファイナンス事業を中核としています。リース業務では航空機や船舶、不動産を対象とする大型リースに加え、中小企業向けの設備リースも提供。さらに、インフラ投資や環境関連ファイナンスの分野で存在感を発揮しています。また、グローバル市場への展開を強化しており、特にアジアや北米地域における事業拡大が進行中です。近年はESG(環境・社会・ガバナンス)を意識した投資案件に注力しており、持続可能な社会の構築にも積極的に貢献しています。


2. 事業内容とビジネスモデル

  • 主な事業セグメント:

    • リース事業: 設備投資を支える国内外のリース商品を提供。航空機や船舶リースでは業界トップクラスのシェアを持つほか、中小企業向けリースの普及により、幅広い顧客層をカバーしています。

    • ファイナンス事業: 不動産ファイナンスや環境関連のインフラ投資を通じて安定的な収益を創出。近年は再生可能エネルギー関連ファイナンスが急成長しています。

    • 投資事業: M&A支援、資本市場業務を通じて顧客の成長を支援。多様な金融商品の提供が強みです。

  • 収益構造:

    • リース事業が安定的なキャッシュフローを生み出し、全体収益の核となっています。さらに、不動産ファイナンスや環境関連事業の収益寄与が拡大中です。

  • ビジネスモデルの強み:

    • リースとファイナンスの相乗効果を最大化し、高い収益性を実現。グローバルなネットワークを活用した多様な金融サービスが、他社との差別化要因となっています。

  • 海外展開の状況:

    • 特に北米市場での収益拡大が顕著で、航空機リース分野では国際的なリーダーシップを発揮。アジア市場でも成長戦略を加速しています。


3. 財務状況の詳細分析

  • 財務指標:

    • PBR: 0.85倍

    • PER: 10.90倍

    • 配当利回り: 3.92%

  • キャッシュフロー分析:

    • 営業キャッシュフローは安定して増加傾向にあり、安定収益の基盤となっています。リース資産やファイナンス資産への積極的な投資が続く一方、配当性向を高める姿勢も見られます。

  • 自己資本比率: 15.10%

  • ROE: 8.01%

  • 負債比率: 健全性を維持しつつ、資産効率を最大化する構造を採用しています。


4. 業績分析

  • 過去3〜5年の売上高推移:

    • 2021年3月: 947,658百万円

    • 2022年3月: 1,765,559百万円

    • 2023年3月: 1,896,231百万円

    • 2024年3月: 2,000,000百万円(予想)

    • 2025年3月: 2,000,000百万円(予想)

売上高は堅調に拡大し、特に海外事業と環境関連事業が収益の成長を牽引しています。

  • 営業利益・経常利益・純利益の推移:

    • 2021年3月: 営業利益 62,316百万円、経常利益 64,968百万円、最終利益 55,314百万円

    • 2022年3月: 営業利益 114,092百万円、経常利益 117,239百万円、最終利益 99,401百万円

    • 2023年3月: 営業利益 135,631百万円、経常利益 140,117百万円、最終利益 120,000百万円

    • 2024年3月: 営業利益 150,000百万円(予想)、経常利益 151,633百万円(予想)、最終利益 135,000百万円(予想)

    • 2025年3月: 営業利益 150,000百万円(予想)、経常利益 151,633百万円(予想)、最終利益 135,000百万円(予想)

高収益事業への集中投資が奏功しており、利益率のさらなる向上が見込まれます。

  • 1株益の推移:

    • 2021年3月: 62.1円

    • 2022年3月: 69.2円

    • 2023年3月: 89.8円

    • 2024年3月: 100.6円(予想)

    • 2025年3月: 100.6円(予想)

  • 1株配当の推移:

    • 2021年3月: 24.0円

    • 2022年3月: 28.0円

    • 2023年3月: 35.0円

    • 2024年3月: 40.0円(予想)

    • 2025年3月: 40.0円(予想)


5. 市場環境と競争分析

  • 業界全体の成長性とトレンド:

    • インフラ需要の増加、ESG投資の拡大により、金融業界の役割がますます重要となっています。

  • 市場規模と成長率:

    • 特に航空機リース市場や環境ファイナンス分野での成長が顕著であり、三菱HCキャピタルの収益成長に直結しています。

  • 競合他社との比較:

    • オリックス、住友三井リースとの比較では、海外展開力と環境関連投資への積極性が際立っています。


6. バリュエーションと投資判断

  • 株価指標:

    • PER: 10.90倍

    • PBR: 0.85倍

    • 配当利回り: 3.92%

  • アナリストの目標株価とその根拠:

    • 目標株価は889円とされ、安定した収益基盤と成長ポテンシャルが評価されています。

  • 市場コンセンサスとその評価:

    • 配当利回りの高さと海外事業の拡大が評価され、安定的なインカムゲインを求める投資家に支持されています。

  • 投資スタンス:

    • 安定配当と収益成長を兼ね備えた銘柄として、長期投資家に適した選択肢です。


7. 最近のニュースと話題

  • 最新の企業発表:

    • 新規インフラ投資案件の発表や、再生可能エネルギー関連事業の進捗が報じられ、収益成長への期待が高まっています。

  • 市場での話題や評判:

    • 持続可能な社会への貢献と、ESG関連投資への積極姿勢が投資家から評価されています。

8. 直近中期経営計画の注目ポイント

  1. 事業ポートフォリオの進化・積層化

    1. 説明: 三菱HCキャピタルは、「2025中計」において事業ポートフォリオの進化と積層化を推進しています。これには、カスタマーファイナンスやアセットファイナンスの強化、さらに高付加価値サービスの提供による「ファイナンス+サービス」事業へのシフトが含まれます。また、再生可能エネルギーや不動産開発、データ活用によるプラットフォームサービスなど、収益性の高い新規事業の展開にも注力しています。事業の多角化を図り、リスクとリターンのバランスを最適化することで、安定した収益基盤を構築しています。

    2. 将来の業績への影響: この戦略により、2025年度までに純利益1,600億円、ROA1.5%、ROE10%という財務目標を達成することを目指しています。資産構成の質を高めることで、収益性が向上し、長期的な成長が期待されます。

  2. グローバル展開とセグメント別事業戦略の強化

    1. 説明: 海外事業では、地域特性に基づいた経営資源の配分を行い、EV関連事業や脱炭素ビジネス、デジタルプラットフォームの提供を強化しています。また、物流、航空、不動産、環境エネルギーなどのセグメントごとに専用の戦略を策定し、事業基盤の強化と新規成長機会の開拓を推進しています。例えば、北米貨車リース事業では資産回転型モデルへの移行を進め、収益性を向上させています。

    2. 将来の業績への影響: グローバルな事業展開により、収益基盤の多様化が進むとともに、地域特性を活かした新たな収益機会が創出されます。セグメントごとの最適化により、事業全体の効率化が期待されます。

  3. ESG(環境・社会・ガバナンス)対応とサステナビリティ推進

    1. 説明: 三菱HCキャピタルは、2040年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げ、再生可能エネルギー事業や脱炭素社会の実現に向けたソリューション提供を進めています。また、ESG情報の開示強化や人権に関する取り組みを推進し、持続可能な社会基盤の構築に貢献しています。

    2. 将来の業績への影響: ESGへの積極的な取り組みにより、社会的信頼と企業価値が向上します。特に、再エネ関連事業の拡大が中長期的な収益の柱となり、持続可能な成長が見込まれます。

  4. DX(デジタルトランスフォーメーション)推進

    1. 説明: DXを推進し、営業プロセスの効率化やデータ活用による新事業の創出を図っています。具体的には、営業プロセスのデジタル化、新たな顧客価値の創造を目指したプラットフォーム構築、内部業務の効率化を進めています。また、DX関連新事業の件数増加を目指し、システム投資やDX人材の養成にも力を入れています。

    2. 将来の業績への影響: DXの進展により、業務効率化と顧客価値の向上が実現され、コスト削減と収益の拡大が期待されます。また、DXによる競争優位性の強化が事業全体の成長を支える要因となります。

  5. 株主還元と財務健全性の両立

    1. 説明: 配当性向を40%以上とする方針を掲げ、利益成長に応じて配当総額を引き上げています。また、A格を維持する財務基盤を確保しつつ、積極的な成長投資を行うことで、資本効率の向上を目指しています。

    2. 将来の業績への影響: 配当性向の引き上げにより、株主価値が向上し、投資家からの信頼が高まることが期待されます。また、成長投資を進めることで、企業価値の持続的な向上が見込まれます。

三菱HCキャピタルの「2025中計」は、事業ポートフォリオの進化と積層化、グローバル展開、ESG推進、DX強化、そして株主還元の充実を通じて、持続可能な成長と競争力の向上を目指しています。

9. 直近決算の注目ポイント

売上高と営業利益の動向

2025年3月期第2四半期における三菱HCキャピタル株式会社の売上高は前年同期比13.5%増の1兆695億円となり、堅調な増収を記録しました。営業利益は前年同期比58.7%増の1,022億円、経常利益も55.9%増の1,043億円となり、利益面での大幅な改善が見られました。親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比17.0%増の617億円に達しました。この好調な業績は、航空セグメントおよびロジスティクスセグメントの収益拡大によるものです​。

セグメント別の詳細な業績

  • カスタマーソリューション
    不動産リースの売却益増加および関係会社株式売却益の計上により、セグメント利益は前年同期比2.6%増の156億円となりました。一方で、大口貸倒関連費用が収益を一部圧迫しました。

  • 海外地域
    米州運送セクターの市況低迷および前年同期にあった米州子会社再編による増益効果の剥落により、セグメント利益は前年同期比61.3%減の39億円となり、大幅な減益となりました。

  • 環境エネルギー
    国内再生可能エネルギープロジェクト案件における大口貸倒関連費用や追加減損損失の計上により、セグメント損失は95億円に拡大しました。課題が多い状況ながらも、再生可能エネルギー事業の強化が続けられています。

  • 航空
    リース料収入および売却益の増加に加え、連結子会社の決算取込期間調整による増益効果により、セグメント利益は前年同期比246.4%増の253億円となり、収益の柱として大きく貢献しました。

  • ロジスティクス
    鉄道貨車リースおよび海上コンテナリース事業が好調で、セグメント利益は前年同期比17.9%増の116億円を記録しました。

  • 不動産
    株式譲渡に伴う売却益の計上が影響し、セグメント利益は前年同期比20.6%増の83億円となりました。一方、譲渡益の一部が特別損失として計上されています。

  • モビリティ
    三菱オートリース株式会社の業績が堅調に推移し、セグメント利益は前年同期比24.7%増の19億円となりました​。

減損損失と事業構造改善

当期では、環境エネルギーセグメントにおいて40億円、航空セグメントにおいて23億円の減損損失を計上しました。一方、欧州の再生可能エネルギー企業「European Energy A/S」に対する20%の出資により、持分法適用関連会社化を実現し、環境エネルギー事業の基盤を強化しています。

財務状況と将来の見通し

総資産は前期末比2,865億円増加の11兆4,363億円、純資産は363億円増加の1兆7,416億円となりました。2025年3月期通期の業績予想は、親会社株主に帰属する当期純利益1,350億円(前年比9.0%増)を据え置いており、航空およびロジスティクスセグメントが業績をけん引すると見込まれています。また、配当予想は年間40円とし、株主還元を堅持する予定です​。

まとめ

三菱HCキャピタル株式会社は、航空およびロジスティクスセグメントを中心に、増収増益を達成しました。一方で、環境エネルギーセグメントにおける課題が残る中、再生可能エネルギー事業の基盤強化を進めています。持続可能な社会の実現を目指し、事業ポートフォリオの最適化と新たな収益機会の創出を通じて、安定的な成長を目指しています。

10. 総合評価と投資判断

  • 株価: 1,024.0円(2024年12月5日時点)

  • 時価総額: 約1兆4,777億円

  • 配当利回り: 3.92%

  • PBR: 0.85倍

  • PER: 10.90倍

  • ROE: 8.01%

総合評価: A

評価ポイント

三菱HCキャピタルは、リース・ファイナンス業界における国内外のリーダー的存在として、安定した収益基盤とグローバル展開力を強みとしています。航空リースやロジスティクス事業が業績を牽引する一方、環境エネルギー分野などのESG関連投資にも注力しており、持続可能な成長を目指しています。**配当利回りが3.92%**と高水準で、安定した株主還元を行う一方、海外市場や新規事業での成長機会が広がっています。

A評価の理由

  1. 成長性のある航空・ロジスティクス事業の収益拡大
    航空リースおよびロジスティクス事業の成長が顕著で、2025年3月期においても収益の柱として期待されています。特に、航空リースのセグメント利益が前年同期比246.4%増と大幅に拡大しており、高収益事業への集中投資が成功を収めています。

  2. ESGへの積極的な対応と環境エネルギー分野での成長戦略
    カーボンニュートラルの達成を目標に、再生可能エネルギー関連のインフラ投資を積極的に拡大。特に欧州の「European Energy A/S」への出資は、同分野での事業基盤を強化する重要な動きです。

  3. 高配当利回りと株主還元の充実
    配当利回りが3.92%と堅実で、年間配当予想は40円を維持。配当性向も40%以上を目標としており、安定した配当政策が投資家に評価されています。

  4. 安定した財務基盤とグローバル展開
    総資産11兆円超、自己資本比率15.10%とリースにしては健全な財務体質を維持しつつ、北米やアジア地域での事業拡大により収益基盤を多様化。リスク分散と収益機会の増大を実現しています。

注意すべきリスク要因

  1. 環境エネルギーセグメントの課題
    再生可能エネルギー事業では、大口貸倒費用や減損損失の影響が続いており、収益の安定化が課題となっています。特に、国内外での不確実性が一部の事業に影響を与える可能性があります。

  2. 海外事業での収益変動リスク
    米州地域の市況低迷や競争激化が一部事業に影響しており、グローバル展開による為替や規制リスクも引き続き注視が必要です。

  3. 資産効率の低下リスク
    大規模な資産投資を伴うビジネスモデルのため、資産効率が低下すると収益性に影響が及ぶ可能性があります。

投資判断

  • 「成長期待とインカムゲイン重視の中長期投資」向け
    高配当利回りと安定成長の両立を狙った銘柄として、長期投資に適しています。特に、航空リースやロジスティクス事業などの成長分野が将来の収益拡大を支える可能性が高いです。

  • 目標株価: 1,150円
    現在のPERやPBRを考慮すると、株価は割安水準にあり、業績成長を織り込む余地があります。特に、環境関連事業の収益改善が進めばさらなる上昇が期待できます。

総括

三菱HCキャピタルは、安定した収益基盤を持ちながら、成長分野への積極投資と株主還元を両立させた企業です。特に、高配当利回りと成長性を兼ね備えた点が魅力であり、中長期的なポートフォリオに組み入れる価値が高いと考えられます。短期的なリスクを考慮しつつも、将来の収益拡大に向けたポジティブな見通しが評価されています。


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