【貴金属のリサイクル分野を育成中】フルヤ金属(7826)の買い時を、中期経営計画と直近の決算から分析!
こんにゃちは、まぬるねこ🐱です。
本日は、の銘柄分析記事です!
3分で読める無料記事なのでぜひ最後まで読んでください!
免責事項
-この記事は具体的な銘柄情報や筆者の取得目標価格などが含まれますが、購入推奨の意図はございません。
1. 銘柄概要
銘柄コード: 7826
企業名: フルヤ金属株式会社
上場市場: 東京証券取引所プライム市場
業種: 非鉄金属
企業規模:
時価総額: 約969億円(2024年10月26日現在)
従業員数: 約500名
フルヤ金属株式会社は、貴金属および特殊金属の精製と加工に特化した専門性の高い企業です。特に、プラチナやパラジウム、ルテニウムなどの貴金属を利用した製品は、半導体や電子部品、化学触媒、医療機器などさまざまな産業で重要な役割を果たしています。独自の高純度技術に基づく製品供給力とリサイクル技術の導入により、国内外で高い信頼を得ています。持続可能な経営を目指し、環境対応にも積極的に取り組んでいます。
2. 事業内容とビジネスモデル
主な事業セグメント:
貴金属製品事業: プラチナ、パラジウム、ルテニウムなどの貴金属を利用した製品を展開。特に、半導体業界での微細加工における需要が高く、自動車触媒や医療機器用の材料としても広く利用されています。これらの分野では高純度な製品が求められるため、フルヤ金属の製品品質が競争優位を生み出しています。
高純度材料事業: 高精度・高純度の金属材料を提供し、電子機器や医療機器の分野で利用されています。この分野では、微小な不純物の影響が大きいため、フルヤ金属の高い精製技術が活かされています。
リサイクル事業: 貴金属リサイクルを行い、環境負荷を抑えつつコスト削減を実現しています。資源循環型ビジネスモデルにより、安定した収益確保が可能となっています。
収益構造:
収益の主力は貴金属製品事業で、特に半導体関連市場と自動車触媒向けの製品が収益を支えています。また、リサイクル事業も成長しており、原材料価格の変動を吸収する手段として機能しています。
ビジネスモデルの強み:
極めて高い純度で金属を加工・供給できる技術力が最大の強みです。また、リサイクル事業により資源循環を実現し、環境負荷を低減させつつコスト面での競争力を高めています。安定した調達力と品質に対する信頼が、顧客基盤の強化につながっています。
海外展開の状況:
アジア、特に中国や韓国での需要が増加しており、現地企業との提携や協力関係を通じて市場拡大を図っています。また、北米や欧州でも電子部品向け需要が増えており、貴金属市場の国際的な拡大に伴い、今後の成長が期待されます。
3. 財務状況の詳細分析
財務指標:
PBR: 1.55倍
PER: 11.20倍
配当利回り: 2.52%
キャッシュフロー分析:
営業キャッシュフローは安定しており、貴金属製品の高需要がキャッシュ創出に寄与しています。また、リサイクル事業の収益性向上により、原材料コストの圧縮がキャッシュフローにポジティブな影響をもたらしています。
自己資本比率: 約53.50%(財務基盤が堅固)
流動比率: 約200%(短期的な資金繰りの安定性を確保)
負債比率: 自己資本が厚く、低リスクな財務状況が維持されています。
4. 業績分析
過去3〜5年の売上高推移:
2021年3月: 33,840百万円
2022年3月: 45,321百万円
2023年3月: 47,527百万円
2024年3月: 52,000百万円(予想)
2025年3月: 56,000百万円(予想)
営業利益・経常利益・純利益の推移:
2021年3月: 営業利益 10,452百万円、経常利益 10,557百万円、最終利益 6,889百万円
2022年3月: 営業利益 13,055百万円、経常利益 13,297百万円、最終利益 9,142百万円
2023年3月: 営業利益 11,965百万円、経常利益 12,383百万円、最終利益 8,406百万円
2024年3月: 営業利益 9,813百万円、経常利益 10,200百万円、最終利益 8,400百万円(予想)
2025年3月: 営業利益 12,000百万円、経常利益 12,000百万円、最終利益 8,400百万円(予想)
1株益の推移:
2021年3月: 342.2円
2022年3月: 436.9円
2023年3月: 449.2円
2024年3月: 420.0円(予想)
2025年3月: 420.0円(予想)
1株配当の推移:
2021年3月: 50.0円
2022年3月: 90.0円
2023年3月: 85.0円
2024年3月: 96.0円(予想)
2025年3月: 96.0円(予想)
5. 市場環境と競争分析
業界全体の成長性とトレンド:
非鉄金属業界は、再生可能エネルギーの普及やEV(電気自動車)の成長によって今後も拡大が見込まれます。フルヤ金属は、貴金属の高付加価値製品で競争力を持ち、産業ニーズに対応することで持続的な成長を追求しています。
市場規模と成長率:
グローバルな非鉄金属市場の成長が予想される中、特にアジア地域での需要が増加しています。フルヤ金属は、この需要を積極的に取り込み、さらなる成長を図っています。
競合他社との比較:
住友金属鉱山、三菱マテリアルといった大手非鉄金属企業が競合として存在しますが、フルヤ金属は貴金属製品の純度と精度で他社と差別化を図っています。リサイクル技術も競合に対する優位性を保つ要素です。
主要な競争要因:
供給の安定性、製品の高純度と品質、リサイクル技術が競争要因であり、フルヤ金属はこれらの点で高い評価を得ています。
6. バリュエーションと投資判断
株価指標:
PER: 11.20倍
PBR: 1.55倍
配当利回り: 2.52%
アナリストの目標株価とその根拠:
目標株価: 2,134円(貴金属製品とリサイクル事業の成長性が評価されています)
市場コンセンサスとその評価:
安定したキャッシュフローと配当利回りの高さが評価され、今後の事業成長と株主還元が期待されています。
投資スタンス:
フルヤ金属は、安定した収益基盤を持ち、高い配当利回りを享受できる銘柄です。長期的な視点でのインカムゲインとキャピタルゲインの両立を目指す投資家にとって魅力的です。
7. 最近のニュースと話題
最新の企業発表:
フルヤ金属は、環境配慮型製品の新規開発を進める一環として、リサイクル事業の拡充を発表。貴金属リサイクルを通じて原材料の安定供給を確保することで、サステナビリティを追求しています。
市場での話題や評判:
電子部品および自動車触媒向けの高純度材料が評価されており、環境意識の高まりに伴う需要増加が追い風となっています。貴金属リサイクルを通じた環境配慮型ビジネスモデルも市場で高く評価されています。
投資家の注目ポイント:
高配当と安定した成長: 配当利回りの高さと、貴金属リサイクルによる持続可能な成長が投資家にとっての魅力です。環境配慮型ビジネスの強化が今後の収益拡大につながると期待されています。
8. 直近中期経営計画の注目ポイント
新技術開発と市場拡大への注力
説明: フルヤ金属は、2027年6月期までに、電子材料や半導体、化学などの産業分野に向けた高機能貴金属製品の供給を強化し、"5本柱経営"を進化させることを目指しています。特に、電子、薄膜、サーマル、リサイクル、ファインケミカルの5分野において新たな技術開発を進めており、デジタル社会やグリーン社会への貢献を強化しています。これにより、グリーンエネルギー関連分野や水素社会向けの需要を取り込む計画です。
将来の業績への影響: 新技術の開発と需要の増加により、同社の売上高は2024年6月期の475億円から2027年6月期には820億円まで拡大することが期待されています。さらに、イリジウム触媒などの次世代製品の開発が進むことで、収益力が高まり、安定した成長が見込まれます。
設備投資と研究開発の強化
説明: 3カ年累計で155億円の設備投資を計画しており、つくば工場の拡張や新千歳工場の建設を予定しています。これにより、デジタルおよびグリーン向けの事業投資を加速させ、半導体や先端技術関連の需要に対応するための生産能力を強化しています。また、研究開発への積極的な投資も行い、次世代半導体向けの素材や技術の開発に取り組んでいます。
将来の業績への影響: 設備投資と研究開発の強化により、生産性が向上し、新製品の市場投入が加速することで、業績の成長が期待されます。特に、半導体市場の需要拡大に伴い、同社の製品が高く評価され、収益の増加が見込まれています。
グローバル展開と海外市場でのシェア拡大
説明: フルヤ金属は、海外市場における売上比率を拡大させることを目指し、特に北米、欧州、アジア市場での取引拡大に注力しています。2027年6月期までに、海外売上比率を50%から60%に引き上げる計画を掲げています。これにより、海外のリーディングカンパニーとの取引を強化し、グローバルな市場シェアを拡大していく方針です。
将来の業績への影響: 海外市場でのシェア拡大により、グローバルな成長機会を取り込み、事業基盤の強化が期待されます。特に、北米や欧州での売上拡大に伴い、収益力が向上し、持続的な成長が見込まれています。
CO2排出量削減とサステナビリティの推進
説明: フルヤ金属は、環境への配慮を強化し、2030年までにCO2排出量を大幅に削減する目標を掲げています。具体的には、つくば工場と土浦工場における再生可能エネルギーの導入を進め、CO2排出量ゼロ化を目指しています。また、持続可能な素材の開発にも力を入れ、グリーンエネルギー市場での成長を支える製品の提供を進めています。
将来の業績への影響: サステナビリティに向けた取り組みにより、環境対応製品の需要が増加し、同社の競争力が強化されることが期待されます。また、CO2削減の目標達成により、ESG投資家からの支持が高まり、企業価値の向上が見込まれます。
9. 直近決算の注目ポイント
売上高と営業利益の動向
フルヤ金属の2024年6月期において、売上高は前年同期比1.2%減の475億2,700万円となり、微減となりました。営業利益は98億1,300万円で前年同期比14.6%減、経常利益は106億9,000万円で同13.7%減少しました。特に、親会社株主に帰属する当期純利益は74億1,000万円で21.2%減少しており、収益面での厳しい状況が浮き彫りとなっています。この減少の要因には、世界的な経済低迷や半導体市場の在庫調整の影響が含まれています。
セグメント別の詳細な業績
電子事業
電子事業では、医療用シンチレーターやSAWデバイスに使用されるリチウムタンタレート単結晶向けイリジウムルツボの受注が顧客の在庫調整の影響を受け、売上高は63億3,700万円(前年同期比18.7%減)、売上総利益は23億1,200万円(同15.7%減)と減少しました。
薄膜事業
データセンター向けスパッタリングターゲットの回復が始まるも、依然として在庫調整の影響が続いており、売上高は93億円(前年同期比12.1%減)、売上総利益は34億8,000万円(同21.3%減)となりました。
サーマル事業
サーマル事業においては、半導体装置メーカーおよび海外メーカーからの受注が安定して推移し、高付加価値製品へのシフトが進んだ結果、売上高は55億2,800万円(前年同期比8.2%減)、売上総利益は21億2,100万円(同18.6%増)となり、利益面では堅調な成長を見せました。
ファインケミカル・リサイクル事業
電極向け貴金属化合物の需要回復により、売上高は202億3,100万円(前年同期比5.6%増)、売上総利益は63億4,100万円(同1.2%増)となりました。
サプライチェーン支援事業
貴金属原材料の需要が堅調に推移し、売上高は56億8,800万円(前年同期比28.8%増)、売上総利益は3億5,400万円(同268.8%増)となりました。
海外売上
海外売上高は237億5,400万円で、全体の売上高の50.0%を占めました。地域別では、アジア向けが99億8,000万円、北米向けが81億2,400万円、欧州向けが56億5,000万円となっています。
減損損失と事業構造改善
当期において、特に減損損失の発生は報告されていませんが、ファインケミカル・リサイクル事業やサーマル事業での高付加価値製品へのシフトにより、事業構造の改善が進行中です。特にサーマル事業では、利益率向上が顕著です。
財務状況と将来の見通し
2024年6月期末における総資産は1,127億2,100万円で、前年同期比25.2%増加しました。これは、原材料および貯蔵品の増加や現金および預金の増加が主な要因です。有利子負債は前期比で増加していますが、全体としては健全な財務状況を維持しています。
2025年6月期における業績予想では、売上高560億円(前年同期比17.8%増)、営業利益120億円(同22.3%増)、経常利益120億円(同12.3%増)とされています。
まとめ
フルヤ金属の2024年6月期は、売上高および営業利益が減少した一方で、ファインケミカル・リサイクル事業とサーマル事業では高付加価値製品への移行が進み、特定セグメントでの利益率向上が見られました。特に、サーマル事業の収益性改善が顕著で、全体の業績回復に寄与しています。今後、データセンター向け製品や半導体関連製品の需要回復が期待されるため、フルヤ金属はこれらの市場での強化戦略を継続することが求められます。また、貴金属価格の変動リスクにも対応し、財務基盤をさらに強化していく必要があります。
10. 投資判断
銘柄コード: 7826
企業名: フルヤ金属株式会社
株価: 3,935円(2024年10月22日時点)
時価総額: 999億円
配当利回り: 2.44%
PBR: 1.6倍
PER: 11.50倍
総合評価: B+
フルヤ金属株式会社は、白金族金属を中心とした高機能金属素材の製造・リサイクル事業を展開しており、特に半導体や化学、医療、自動車などの多岐にわたる産業に重要な役割を果たしています。リサイクル事業の成長と持続可能なビジネスモデルの構築が進んでおり、長期的な成長が期待される銘柄です。
評価の理由:
堅調な収益基盤とリサイクル事業の成長
フルヤ金属は、電子材料事業や化学触媒事業で安定した収益を上げています。また、リサイクル事業の成長が企業全体のキャッシュフローを強化しており、環境に配慮したビジネスモデルが社会的に高い評価を得ています。これにより、サステナビリティを意識した投資家にもアピールできる点が強みです。半導体産業との連動性
半導体産業の成長に伴い、同社の電子材料事業の需要は今後も継続して高まることが予想されます。特に、5GやAI、EV市場の拡大により、同社の高機能金属素材の需要はさらに増加する見通しです。ただし、2023年は半導体市場の調整期に入り、若干の業績減少が見られましたが、2024年以降の需要回復が期待されます。技術力と環境配慮型経営
フルヤ金属は高い技術力を持ち、特に白金族金属の精密加工技術とリサイクル技術で他社との差別化に成功しています。また、再生可能エネルギーの導入やCO2排出削減に向けた取り組みが進んでおり、ESG投資家からの注目も集まる分野です。安定した配当と成長の両立
フルヤ金属は2.44%の配当利回りを維持しており、長期的な配当収入を重視する投資家にも魅力的です。業績に応じた配当を提供しながら、さらなる成長を目指す姿勢が評価できます。
課題とリスク:
半導体市場の変動リスク
フルヤ金属は、特に半導体関連の需要に依存しているため、市場の変動に対して敏感です。2023年度は在庫調整の影響で一部業績が低迷しましたが、今後の市場回復に大きく依存している点はリスクと捉えられます。原材料価格の変動
白金族金属の価格変動が収益に与える影響も大きいです。リサイクル事業が進むことでコストの一部は抑えられていますが、依然として原材料価格の上下動に対する対応力が必要です。
投資判断: 買い (長期保有向け)
フルヤ金属は、半導体市場やリサイクル事業の成長を見込んだ長期的な成長銘柄として、安定した収益を狙える投資先です。特に配当利回りと環境配慮型の事業展開に魅力があり、ESG投資にも適しています。短期的な市場の変動リスクはあるものの、長期的には安定的な成長が見込めるため、長期保有を前提とした「買い」と判断します。
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