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どうなったのかと、どうしたのかを詳しくお伝えします!

皆さんこんにちは。
MANUALgraph スタッフの佐野です。

11月に終了を迎えた「LOMOMD TARTAN JACK @ TOLO COFFEE&BAKERY」。

地方発のソファブランドが都内の人気カフェを占拠するとどうなるのか?
年末のバタバタにかまけてまだ結果をお伝え出来ていませんでした!肝心の結果はと申しますと、TOLO COFFEE&BAKERYの佐藤オーナーをはじめ、スタッフの皆さんのご協力のもと、MANUALgraphスタッフが接客しないという、チャレンジングな環境下でありながらもソファ2台のコンバージョンに繋げることが出来ました。

・・・と言われてもこの結果が、果たして成功なのかわかりませんよね。

今回のプロジェクトは一種のポップアップによるプロモーション活動と思われがちですが、実はちゃんと売上を得るための戦略を練って挑んだプロジェクトでもあったので、その結果が成功かであるかどうか、また、どのような方法を用いて数字に繋げることができたのかを振り返りながらご紹介させて頂ければと思います!

まず初めにこちらのnoteでも記載していますが、MANUALgraphは静岡県裾野市の少し辺鄙な場所にあるお店なので、何もしなければ、まず気付いてもらうことはありません。

そのため、とにかく自分たちの商品を知ってもらいたいという思いで、これまで様々なプロモーション活動を仕掛けてきました。僕たちと同じ境遇で「なんとなく良さそうだから」とか「流行っているから」など具体的な戦略がないまま、とにかくやってみよう!と思いつきでスタートし、良くも悪くも、総じて「認知度獲得のための活動」としてきている会社さんもいらっしゃるのではないでしょうか?以前の僕たちもそうでした。

もちろん、なにもやらないよりはやった方がいいとは思っています。
しかし漠然と自社の商品を知ってもらおうというだけでは、エンドユーザーの効果的な行動には繋がりづらく、さらには余計なコストばかりかかり、冷静に考えると「やらなかった方がよかったのでは?」となりかねませんよね。

そこで、こうしたプロモーション活動の精度を高め、実売上に繋げるためのマーケティング手法が必要となってくるわけです。LOMOMD TARTAN JACK @ TOLO COFFEE&BAKERYでは以下のプロセスを設けて、それを実践しました。

①:KGI・KPIの設定
②:ターゲットの設定
③:チャネル選定
④:コミュニケーション手法の選定
⑤:費用対効果測定
⑥:改善

この6つのプロセスを僕たちなりにどう落とし込んで、その結果どうなったのかをお伝えしていきます!

①:KGI・KPIの設定
まずこのプロジェクトを通してMANUALgraph(以下:MG)とTOLO COFFEE&BAKERY(以下:TOLO)が達成したいことは以下のとおりでした。

TOLO:コロナによってもたらされた飲食店での長時間滞在に対する悪い印象を払拭したい。集客を回復させるため、ソファを置き、ゆっくりと快適な時間を過ごしてほしい。

MG:コロナによる行動制限で地方への往来が敬遠される中、お店のある静岡に来なくてもソファを購入してもらいたい。サイズ感の確認や、座り心地を試せる場所を都内につくりたい。

上記を達成させるための指標として、3組のコンバージョン(約50万円)をKGIとして定めました。さらにその過程を評価する数値として、6組の来店予約数をKPIとして定めました。

②:ターゲットの設定
①の成功率を高めるためには、このプロジェクトと相性がよいユーザー、要するに「いいね!」と思ってくれるユーザーにちゃんと情報が届けばよいので、それが誰なのか探る上で、まずはどういったお客様に来て欲しいのかを導き出しました。
①の冒頭でお伝えした「お互いが達成したいこと」を軸に整理すると、以下のユーザーに来て欲しいということがわかります。

TOLO:大切な方とゆっくりとした時間を過ごしたいと考えている方
MG :今住んでいる近場にあるインテリアショップでソファを検討している方

さらに既に分かっている情報としてTOLOに来店される約8割の方は20代から40代の女性ということなので、MGはそれに対し最も相性の良いソファ(LOMOND TARTAN)を置けばよいということになります。
総合すると、以下の方が今回のプロジェクトのターゲットであるとわかりました。

都内、または近郊に住んでいる30代の女性で、普段は仕事で忙しく落ち着いた時間がなかなか取れないが、せめて休日は都内の喧騒から離れ、大切な人とおしゃれなカフェで会話を楽しみながらゆっくりとした時間を過ごしたいと考えている。
日頃の楽しみは帰宅したあとのネットサーフィンで、経済的にも余裕が出始めてきた頃なので、そろそろインテリアを見直したい。今後の可能性として在宅でのオンラインワークを考えるとオシャレでかわいい家具がよいと考えている。普段から忙しくしているので、時間を見つけては近くのインテリアショップに足を運んでいる。

以上のような方にとっては、この上ない有益な情報となり、成功率が高まると想定できます。

③:チャネル選定
ターゲットが明確になったとしても、その方にしっかり情報が届かなくてはなんの意味もありませんよね。では先程仮定した②のターゲットの方に最もに刺さる媒体(チャネル)は何か?便利なもので、属性さえ把握していれば、その属性に効果的なチャネルはこれだ!という情報をネット上でいくつも公開しているので、それに従えばいいわけです。
今回分かっているターゲット属性は以下です。

①年齢:30代前後
②性別:女性
③住所:都内、またはその近郊
④関心:カフェ、インテリア

例えばSNSでこの属性に当てはまるチャネルを比較してみると、最も注力すべきはインスタで、その次にLINEあると分かります。

ferret「4大SNSのヘビーユーザーを徹底比較」より抜粋

さらに広告を打つ際には関心が高い項目別にターゲットを割り当てられるので、来て欲しい人が明確であればあるほど、その情報を求めている人にダイレクトにお届けできるわけですからほんと便利ですよね。

そして今回はコロナによってもたらされた負の部分を解決しようと試みる社会的な側面もあったのでPRタイムスで配信し他記事への転載による拡散を狙いました。

④:コミュニケーション手法の選定
今度は③を通じてユーザーに確実に行動してもらうためにはどのようなコミュニケーションを図ったら効果的なのかを考えます。

ここでは単にお店に来てもらえればよいということではなく、お店に来てゆっくりとした時間を過ごしてもらいながら、ソファを検討してもらいたいと考えているので来店特典にTOLOオリジナルコーヒーと設置ソファと同じ生地をつかったオリジナルコースターをセットにしたコラボ特典を用意。

来店動機をつくりながらもKGIがしっかりと達成できるような導線組みを行いました。

さらにソファのコンバージョン率を高めるためにお店でしか受け取れない購入時に使えるシークレットコードが記載したチラシを受け取れるように設計し限定感を演出しました。

⑤:費用対効果測定
結果は冒頭でお伝えした通り2件のコンバージョンでした。
ただしそのうちの1件は今回設置した商品とは別の商品で決まったので、検討するきっかけにはなったものの厳密にいうと1件です。詳細は割愛させて頂きますが、今回のプロジェクトで以下の費用が発生しました。

①:クリエイティブ制作費
②:広告費
③:配送費
④:人件費

購入されたソファの単価が約10万円程の商品でしたので、利益から費用を差し引くと赤字になり、数字だけ見れば今回のプロジェクトは失敗ということになります。

⑥:改善
今回は設定したKGIに対し、達成できなかった要因は何かを探ると以下が考えられます。

PRタイムスからの記事転載が少なかった
コロナで落込んだ飲食店への救済措置が既に国レベルで行われていた頃であったので、行い自体は良かったもののメディア受けせず転載が伸びず想定していたより拡散しませんでした。掲載費用をインスタ広告に回した方が結果に繋がる可能性があったかもしれません。もう少しアンテナを張るべきでした。

来店ハードルが高かった可能性
ソファに着座を希望される方には来店予約を必須条件として設けていました。
これは着座を希望される方が突然来ても座れない可能性を考慮してのことでしたが、逆にこれがボトルネックになってしまった可能性があります。自由に座れるソファをひとつ用意して置くべきでした。

特典を受け取れる期間が不明確
シークレットコードを記載したチラシを受け取った方は20組程いらっしゃいましたが、そこからコンバージョンに至った方はいませんでした。可能性として特典を受け取れる期間を明記していなかったのでプロジェクト期間内までの発注と思われていた方がいた可能性があります。基本的にソファの検討期間は長いので、チラシを受け取った方への配慮が足りていませんでした。

シークレット特典が弱かった可能性
大きく謳ったプロジェクトだったにも関わらずベネフィットがソファ1台に対しオリジナルクッション1つのプレゼントと、競合他社との比較や購入するまでの動機付けに至らなかった可能性があります。もう少しユーザーに還元できる特典を考えるべきでした。

おわりに
結果としては達成に至らなかったものの、一定の効果は見受けられたので、プロジェクト自体は継続し、今回の改善点をふまえて精度を高め継続していこうということで着地しました。もしこれが何となくで実行したプロジェクトであれば、結果だけで判断され次はきっとないと思います。しかし戦略立てしプロセスを残すことができたので、どこで勝敗を分けたのかを分析でき未達成でも次に繋げることができました。

仮にこれが成功していればどうでしょう?
評価はあがり、さらに成功要因を他の施策にも応用できるかもしれませんよね。プロセスを踏むことは時間は掛かりますが、いいこと尽くめですので、思いつきでプロモーションを実行されてしまっている方は是非参考にしてもらえると嬉しいです!


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