足元みられる
僕の視線は、彼の破れかけた靴下を見ていた・・・。
僕は何時からか、破れた靴下やヨレヨレの下着をまめに処分している。
「何故か?」
それを纏っていると、見窄らしく見えるのじゃないかと思うからだ。
「例え、そう思われても、気にしなけりゃ良いじゃない?」
・・・そんなに簡単に思えない性分なんで。
彼とは、取引先の若手さん。打ち合わせか何かの時に、靴を脱ぐ機会があり、なんとはなしに彼の足元を見ていて気づいた。
「あれ、右足のかかとだけが透けて見えるな・・・」
「なんだ、靴のかかとを踏み潰すタイプなのか?」
とかなんとか思って、ちょっとガッカリした。
別に彼に興味が有るわけで無い。ただ、そんな状態に彼のいい加減さや、人間性を見たような気がして、ガッカリしたのだろう。
その場には、他に女性スタッフもいて、同様に靴を脱いでいた。
(随分、くたびれた靴を履いているな・・・)
バッチリメイクで、決めてきたのだろうが、そんなところで評価されているとは思うまい・・・。
こんな事を思うのは、僕だけかもしれないが、意外なところを見られて評価するのも人なんだと、つくづく思った。