お知り合い

私は心配性である。

家を出る時は何回も鍵がちゃんとかかっているか確認をしてしまう。ある時は電気のつけっぱなしなどしてないか、ちゃんと家の鍵を閉めたか不安になり帰って確認してしまう事もある。

今日、家にいる時に玄関のチャイムが鳴って出たら引っ越し業者ぽい格好をした人が2人立っていてひとりが「ワタナベさんですか？」と私に聞いてきた。私はワタナベではない。私の名前はイチジョウである。「違います。」と言って玄関の扉を閉めた。

だが、ここで私の心配性が出てきた。

もしかして、誰かが私の知らない所で家の解約をし市役所で住所変更をしていたとしたらどうしよう...

私が留守の時に内見まで済ませていたら？　　　どこに家具を置いてロフトには何サイズのベッドを置こうか考えていたら？　　　　　　　　　　ユニットバスのシャワーカーテンはどんな柄の物にしようか楽しく考えていたら？

そう考え込んでいるといても立ってもいられなくなり不動産屋と市役所まで確認しに行った。　　すると、本当に家を解約されて住所変更もされていた...

信じられなかった。意味が分からなかった。ただ不動産屋も市役所も「お知り合いに頼まれまして...」の一点張り。

8月のこのうだるような暑さの中で野宿が決定した。

こんなことをする「お知り合い」はたぶんアイツだ。