12.地平線プロジェクト(10)菊茶を振る舞う
蔡さんが滞在した四倉のアトリエでは、菊苗がすくすくと育ちかぐわしい香りの花が豊かに咲き誇った。この花をお茶にして展覧会に訪れた人たちに振る舞う、そのためには茶器が必要だ。
この土地で作品を育てる
ここから宇宙と対話する
ここの人々と一緒に時代の物語を作る
彼がはじめに掲げたコンセプトは、ここにも体現されることになる。陶芸家の真木孝成氏の協力を得て、陶房での共同作業が行われ、茶器は作り上げられた。
これをきっかけに現代美術とは無縁だった真木氏と蔡さんとの交流は続き、のちの「いわき九十九の塔」の制作へと繋がっていくことになる。
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