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プロジェクトマネージメント特性比較 ブロックボールゲーム実験 Part3

ゲームルール

1. ボールを最後まで流す:ボールは、上から PMの役割の人が Test の役割も込めて流す。それを審査員と一緒に確認し、成否を確認する。
2. ボールを5回流す:1回だけではなく、5回ボールを流すことで、偶然一回だけ成功するような場合を考慮し、作成したブロックタワーがどのぐらいの精度で作成されたかを確認する。
3. 作成時間を競う:今回はシステム開発のコスト、スケジュールの比較を行うので、成否の他に作成に掛かった時間を測り競う。
4. 色は関係無いものとする:ブロックには色がついているが、今回のゲームでは使わず、どの色であっても良いし、比較対象としても使わない。今後、例えば、色に関する Requirement を追加して複雑性を増やすことが出来るが、今回はそこまでの複雑性を求めないので使用しない。
5. Goal は必ず満たさなければいけない:Goal においては、以下のうちどれか一つを指示する。

• 柱:柱の数をゴールとする。1柱、2柱のように指示を出す。例えば Picture 12の場合は2柱であり、Picture 11 の場合は、3柱である。柱は、空中に浮いていても柱と数え必ず一番下までつながっている必要はないものとする。

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• 高さ:柱の高さをゴールとする。1ブロック、2ブロックのように指示を出す。複数の柱がある場合は、一番高い柱の高さを測る。つまり、一番高い柱の高さがゴールを満たしているかどうかの判定に使う。さらには、他の柱の高さが例え 1ブロックしかなくても、一つの柱が 10ブロックの高さがあれば、10 ブロック達成であると見なす。例えば、先の例で言うと、Picture 12の場合は、11 ブロックであり、Picture 11の場合は、6 ブロックである。

• 全部使い切る:与えられたブロック全部を使って Requirement を満たすというゴールである。その際、意味のないブロックは禁止である。例えば、Picture 144 の例では、柱の高さが 7ブロックある。しかし、この柱は、ボールが通らない、つまり、ルートとは別の場所に、ただブロックを積み上げているだけである。このような積み上げは、意味のないブロックとして禁止である。また、Picture 13 の例のように、ブリッジにおいても、ボールが通るブリッジは許されるが、ただ支えるだけの為に宙に浮いているようなブリッジも禁止である。

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6. 要件は必ず満たさなければならない:要件は、以下の内、いくつかが指示される。

• スルー:柱パーツの中を通る回数を指示する。1スルー、2スルーと指示を出す。例えば、Picture 15 の例では、6 スルーである。ブリッジを使っている部分は、スルーとは数えず柱パーツの中を通った回数だけを数えるものとする。

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• ジャンプ:空中をボールが通過する回数を指示する。1ジャンプ、2ジャンプと指示する。Picture 177 は、柱パーツの一つを取り、本来であればスルーのところをブロックが無い状況でボールが通るのがジャンプである。 また、Picture 16 は、スタートパーツとラストパーツを組合わせてジャンプを作った例である。

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• ブリッジ:ブリッジパーツを使用する回数を指示する。ボールがそこを通る必要があり、1ブリッジ、2ブリッジと指示する。Picture 19 は、下方に3回ブリッジを使用し、ボールを通す 3ブリッジである。また、Picture 18 は、全体で10 個の ブリッジパーツが使用される10 ブリッジである。

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7. 役割分担を行う:システム開発の疑似モデル化を詳細化するために、PM、Architect、Developer と役割を分け、以下のような役割とする。

• PM
  o ゴール、要件を伝える
  o 時間管理
  o テスト(ゴール、要件確認)
• Architect
  o 全体ブロック管理
  o 全体構成確認
• Developer
  o Architect が描いた設計図や指示を元に、ブロックの組み立て作業を実際に行う。
  o 他の役割の者はサポートはしても良いが、基本組立作業は行わない。

指示の出し方

 各回の指示のサンプルは以下の Figure 46である。これを毎回のゲームで指し示し、3人1組のグループでブロックを作成して最後にボールを流す。ボールは5回流し、それぞれの成否を記録する。また、要件ミスやゴールミスを確認する。この論文の中では、これらの数値は参考値として示すが、本研究の論点とは直接は関係の無い物としている。だが、Bug 数の変化という意味でも今後の論点として使用する。

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 アジャイル型と ウォーターフォール型を区別するために、ブロックを分けて配布するという事は既に記したが、その要素をさらに強める為に、説明書を見せるという場合にも説明書を合わせて分けて配布した。ウォーターフォール型の疑似化は、以下の Picture 19 、Picture 20、Picture 21、Picture 22のように全体像の写真を配布した。

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 一方 アジャイル型を模擬した分割してブロックを渡す場合には、2分ごとに、Picture 25、Picture 26、Picture 27 と分けて順に配布した。このように ウォーターフォール型と アジャイル型で、説明書があるゲームの場合にも疑似プロジェクトを作成した。

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次回は、お待ちかね?結果を発表します!

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