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3.11(東日本大震災)の記憶⑨
■ボランティア活動
2011年3月後半、東日本大震災の発生後、各地で被災地の復興を支援するボランティア活動が盛んになりました。ボランティアを希望する人が非常に多く、現場では混乱が生じていたため、抽選で参加者を決めるところもあったそうです。
私も地元の区役所でボランティア登録をして、抽選に参加しました。
結果は、仙台市からバスで30分ほどかかる蒲生(がもう)地区での活動になりました。10人程度のチームで、バスに乗り合わせて現地へ向かいました。チームには日本人だけでなく、海外からの参加者もいて、私のチームには若いブラジル人の男女3人もいました。活動内容は、被災した家から泥やがれきを取り除く作業でした。
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🔳津波で被災した住宅
津波の被害を受けた地域の家々を見に行くと、家は跡形もなく流されてコンクリートの土台だけが残っている家もあれば、大きな木が屋根に乗っかっている家、別の場所から流れてきたゴミで壊れてしまった家、完全に壊れてしまった家など、様々な状況でした。私が担当することになった家は、屋根と庭に大きな木が乗っていた家でした。
家の中に入ると、泥の臭いが強く、マスクがないととても耐えられませんでした。和室の押入れを開けると、泥がぎっしり詰まっていて、ピアノの蓋を開けても泥だらけで、どうすることもできない状態でした。家主さんにとっては、大切な思い出の品がたくさんあったと思いますが、まずは外に出すしかありませんでした。
大きな家具や布団などを家から運び出した後、スコップを使って部屋の中の泥を出し始めました。できれば水で洗い流したいところでしたが、当時水道も止まっていて、地道にスコップで泥を運び出すのが精一杯でした。
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🔳熱血硬派くにおくん
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家の泥だし作業中、別の部屋から賑やかな声が聞こえてきました。よく見ると、ブラジル人の方々が、泥の中から何かを見つけて大喜びしていました。近づいてみると、なんとファミコンのソフト「熱血硬派くにおくん」を見つけたのです!
ブラジルでもファミコンは人気なんですね。
家主さんが「よかったらあげるよ」と声をかけると、ブラジル人の方々は「アリガトゴザイマース」と喜んでいました。日本語も上手で、とても微笑ましい光景でした。
あの時見た、泥だらけの家の掃除は大変だったけど、こんな嬉しい出会いもあったんだなあと、改めて思いました。