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DNARについて

DNARとは「蘇生不要」のことです。
このDNARがいまの救急現場では問題となっています。



救急要請を受けて行くと本人の意思あるいは家族の希望で応急処置も延命もいらないと言われることがあります。


こういう事例が多くなってきたことを受けて「日本臨床救急医学会」では、


「心肺停止後の蘇生処置を望まないと事前に書面に残している場合、かかりつけ医に是非を直接確認した上で蘇生処置を中止するように」

との指針を出しています。


実は消防庁の基準では生命に危険がある場合は応急処置をするように決まっています。
最近ではそういった蘇生不要の意思を事前に表す人も増え、この場合の対応についての指針が決まっておらず、冒頭部分の話に至り現場の救急隊員は困り果ててしまうのです。


救急の原則か、本人の意思尊厳かで対応に苦慮しているのが今の救急の現場です。



そして2015年に検討委員会を立ち上げ対応について話し合いました。
そこで決まったことは、本人が心肺蘇生を希望していない場合、家族は「119番通報をしないのが望ましい」というものでした。


仮に呼んでしまって現場に駆けつけた救急隊員は、家族から蘇生処置を希望しない旨の書面を出されても心肺蘇生はすべきだとしたのです。


そしてかかりつけ医と連絡を取り中止の指示が出れば、本人を尊重し中止し、かかりつけ医と連絡が取れない場合は日常の救急業務で相談している意思を代役として指示を受けるべきとしています。


その書面は病院によって書式は変わりますが、医師と看護師と本人による説明、意思確認をしたものになります。
そして説明・意思確認をそれぞれに行った際にそれぞれの欄に自筆でサインを書くようになっています。


そして本人が説明・意思確認が取れなくて変わりに家族が受けて納得した場合は家族若しくは委任者の欄にサインをするようになっています。


地方自治体によっては独自のDNARの意思確認のための用紙を用意しているところもあり、現場の救急隊員から説明を受けたのちにサインする形式になっているものもあります。


このように病院から発行されている物や地方自治体が推奨しているものからと色々あります。
一応の指針は出ていますが、現場ではなかなかもどかしい状態が続いていることには変わりはないようです。


もし本人がDNARを希望していることを家族や周囲が知っていて理解しても、誰かが通報してしまうことがあると思います。
その場合は、救急法のところで蘇生処置を行うことになります。


書面があった場合はそこから連絡を入れ確認が取れるまでは、蘇生処置を行うことになります。


望まない場合は、救急要請をしない、と言う姿勢が大事なのだと思いました。

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現場介護を伝えて行く まの
介護歴が約10年くらいの者です。これからの介護の未来とビジネスモデルについて色々思いあぐねています。介護の未来が明るものになるようにしていきたいと思っています。