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だから、わたしは書く

古代ギリシアのピタゴラスは「天体の惑星は回転をしながら固有の音を発しており、宇宙全体が音楽を奏でている」という概念を持った数学者だったそうです。

惑星が音を?
宇宙全体が音楽って?

おいおい、ピタゴラスよ。
何わけのわからんこと言ってるのだ、と感じたと思う(わたしもそうだった)

やはり天才の世界観はぶっ飛んでいる。もはや理解のスピードに追いつけない。

いや…
追いつけないどころか、なんだか置いてきぼり感をくらったようで若干の悔しさもある。

くそぉ、同じ人間なのに悔しすぎる…

なのでもうちょっとだけ、深掘りをしてみようではないか。

人影ひとつない、お気に入りの深い海をさまよいながら、遠くでかすかに聞こえる声のする方へと歩みをすすめてみた。

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まず、はじめてこのエピソードを知ったときに、こんな疑問が頭をよぎったのです。

じゃあ、地球はいったいどんな音を発しているの?

この地球だけが音のない惑星ってことはないはずだし、地球だけが演奏会に参加してないってことはないはずだし、地球だけが仲間はずれなんてことはないはず。

じゃあ、いったいどんな音色を奏でているんだろう。きっと素敵な音色を奏でているはずだよね、地球さんよ。

と、いったん仮説を立ててみようと試みたら見えてきたのです…これが。

もしかしたら、私たちの住んでいるこの地球は「言葉」によって音を奏でているのではないか、と。

ふとたまたま目にした文章、どこかで誰かと交わした言葉、いつまでも心に残る「大丈夫だよ」という余韻。

それらの言葉がずっと自分の背中を押してくれていて、あらゆる人生の局面において、何かを乗り越える力になっていることを考えると「言葉は音であり、意味は響き」なのかもしれない。

他の惑星からしたら、意味を持たない響きかもしれないけど、私たちにとっては意味を持った、それはたいへん重要な音色であるはずだ。

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いまから約30万年前、アフリカのサバンナで私たちは負け犬だったと聞いたことがある。

何度も、何度も、絶滅の危機にさらされながら命のバトンをつないで現在まで生き延びてきており、そんな私たちの祖先であるホモ・サピエンスが手入れたのは「言葉」であった。

言葉という有能な魔法を手にいれ、目には見えない虚構を信じる力を手にいれ、ひとりでは決して成し遂げることができなかったことも、仲間と力を合わせることでどんな困難な時代も生き抜いてきた。

私たちが発する言葉や、私たちが抱く感情や創造性、そしてなにより私たちの繋がりには、共鳴や同調があってそれらが互いにバランスを保ちながら調和して成り立っている…

そんな地球にしか出せない「言葉のハーモニー」を奏でることで、演奏会に参加しているに違いない。きっとそうだ。そしてそれが私たちの住む地球なのだ。

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もしかすると、はるか彼方に住んでいる星の住人たちが「遠くで輝いてる水の惑星から、なにやら美しいメロディーが聞こえてきたぞ」と、耳を傾けているかもしれない。

このnoteというステージに胸を張って立ち、「言葉」と「感情」と「交流」という私たちにしかできない音楽を奏で、歌を歌い、手を取り合いながら、宇宙の演奏会へと参加しようではないか。

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