シマウマな僕ら
前提を覆しまくっていることをまず謝罪させてほしい。
前回入院時の『ギャッチアップ』然り今回の『ボトルシップ』然り、「精神科のヤバいイメージを少しでもひっくり返し、敷居を低くしたい」という思いがあって、病院での面白エピソードを書く予定だったのだ。
まさか今回酷い患者だらけ、かつスタッフの仕事の雑さが目立つようになっているなんて。完全に予想外である。
その節に関しては大変申し訳ありませんでした。
最近、体調が良い方向に安定してきたのを感じる。
ご飯をちゃんと食べている。嘔吐もしていない。
はてどうしたことか。考えたらあっさり結論が出た。
うるさすぎる人ががっつりと退院ラッシュでいなくなったからだ。
そして我々(※私と患者仲間一人)は気づいた。
「私たちは草食動物なのだ」と。
以前と比べて落ち着きを取り戻した病棟は、ライオンの群れが去っていったサバンナのようなものである。
自分たちの生命の安全が確保されたとわかり、調子が上向いてきたのだ。
……と、ここまで書いて寝かせていたこの原稿。
その間に体調は以前のような悪さに逆戻り。血混じり嘔吐もまたトイレにぶちまけている。
はてどうしたことか。考えるまでもなくシンプルな理由だった。
入院して火の浅い患者が我が天下とばかりに毎日ハイテンションのお祭り騒ぎなのだ。
若いライオンが毎日騒ぐので、シマウマもとい草食メンタルの我々が再び悩む日々が戻ってきた。まだ3日も経ってなかった。
うっそだろおい。サバンナの平穏短すぎるだろ。
という訳で、私は今後も苦しみとその中で見つけるエピソードを記録する文章を書き続ける。
この記事冒頭での謝罪を撤回してしまうことを改めて謝罪したい。
ごめんなさい、環境さえよければちゃんと療養できるはずの場所なんです精神科って。
草食動物、生存競争に再び投入されるの巻。
戦わなければ生き延びれない、という某平成ライダーの次回予告の定型句が頭を過ぎった。