リスクをとらないリスク = ゼロ成長リスク
『 世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論 』の著者、永崎裕麻さん主催のzoomイベント「【100カ国旅して考えた】どうすれば日本人は幸せになれるのか? 〜日本人の3つの圧倒的特殊性から考える人生戦略〜」に参加させて頂いたので、備忘録として学んだことを書いておきたい。
前提として、日本人でも今幸せと感じる人はたくさんいると思う。
データで「日本人は幸福度が低い」と出たとしても、そもそも「幸せ」と言うと自分を肯定している感じで、謙遜文化の日本人としては「幸せ」と回答しづらいのではないかとも思う。個人的には。
参加理由
・他国との文化の違いによる人々の幸福度の差に興味があった
・幼少期東南アジアで過ごし、今ハワイにおり、日本も異文化も割と自分ごとだから。
▼ 気になったワード
ホフステードの6次元モデル
異文化を理解するフレームワークだそう。よりグローバルになる昨今、各国の文化の特徴・強みを知り、ビジネス面でもその国民性を活かせるよう、国の特性を区分け・比較したもの。
これが100%ではないし、誰がいつどこの何人に対しどんな調査・質問をしたのか私は把握してないので、結果をどう活用していいのか正直不明だけど、アマゾンのレビューは良かったので、経営者等他国メンバーともやり取りのある人には良い指標となるのかも。
このモデルによると、他国より日本は「 男性性 - 目標必達・極める文化 」がダントツで高いらしい。確かに残業してでも目標達成を大事にするし、技術の丁寧さ・匠さは日本製ブランドの特徴だ。
ちなみに「女性性」は「生活の質、他者への思いやりが重要な文化」だとか。北欧やヨーロッパなど。
リスクを取らないリスク
これは裕麻さんの言葉。
日本人はリスクを避ける傾向にある。だから投資より貯金をしがちだし、情報もめちゃ集める。
ここで裕麻さんは「 リスク 」という言葉の再定義を提案された。
リスクとは何だろう。
私の住むアメリカ圏では、投資より貯金の方がリスクが高いと言われる。
絶対お金が増えないから。
また、何かに挑戦しようとして、情報を集めすぎて不安が増し「やっぱりやめた」というのも、ある意味リスクとも。
リスクを取らなくては、成長しない。
ゼロ成長リスク、つまりそれが、リスクを取らないリスク。
それを「 後悔のリスク 」ともおっしゃっていた。
裕麻さんは20代で世界一周に出かけた。まわりから「よくそんなリスク取れたね」と言われたそうだが、彼にとっては「行かない方がリスク」だったという。
死に際に「 もっと自分の好きなように生きればよかった 」と思う人は多いと聞く。
「 人は " 幸せになりたい " 、より、" 後悔したくない " んじゃないか 」
裕麻さんのその言葉を聞いて、目から鱗だった。幸せと後悔は、少し別ベクトルな言葉にも感じるけど、相互作用する部分はあると思う。
後悔したくないリスト
「 やりたいことリスト 」を書くのもアリだけど、裕麻さんは「 後悔したくないリスト 」を書かれているという。
人生でこれだけはやっておきたい、やらないと後悔しそう、というものをリストアップする。
やりたいこと100だと、優先順位をつけるのが難しい。でも「人生でこれだけはやっておきたい」ものだけなら、数個に絞れる。そしてそこに集中できる。あとで変わってもいいし、今それを進行していて、リストに何もなくなったら、それもそれでいい。
私は今のところ下記3点。
1. 絵で収入を得続ける
2. 地球環境の負担になりにくい選択ができる経済力をつける
3. 自分に正直に生きる
大切な人を幸せに…とか思ったけど、彼らの幸せは彼らにしかわからないし、私が勝手に「君はこれが幸せだよね!」と押しつけるのもどうかと思うので、まず自分を満たすことで彼らの負担軽減と、彼らを応援できる経済的&精神的の余裕をもつことで大切にしたい。
「 何とかならなくてもいい 」
フィジー人は、日本人ほど危機感がないそう。
だから最終的には「何とかならなくてもいい」くらい、気楽に構えているのだとか。確かに「最悪のケース」がどんなものか予想ができれば、意外とリスクを取るのはハードル低くなることも。
また、これは別の話になるけれど
幸福度が世界的に高いと言われるデンマークは、日本より離婚率が高いそう。ある人が「デンマーク人はガマンが苦手なの?」と聞くと、デンマーク人は「ガマンて必要ある?」と回答したとか。
目から鱗。ガマン弱いのでなく、合う・合わないを把握し、お互いの生きやすい方向へ変化することを恐れない。もちろんデンマーク人全員がそうとは限らないけど、でもこの考え方は個人的に好き。
日本人の「ガマン・忍耐」は、次第に「私もガマンしてるんだからあんたもガマンしなさいよ」という、芸能人の不倫バッシングやSNSでの匿名誹謗中傷に繋がってる気がする。こんだけ世界共通で不倫て何百年もあるんだから、もう結婚ていう制度がむしろ再考の余地あるのでは。
最後に
アメリカ人の夫に話すと「幸せの基準なんて、そんなの個々人によるじゃん」と。
それはごもっとも。
その上で「 今私たちが " 普通すぎて気づいてない " ことに気づいたら、もっと個人が幸せになるための選択肢が広がるんじゃないすかね 」という議論だったと私は認識している。
夫はアメリカ人だから意識したことないかもだけど、日本の上下関係、残業、過労死、異常な完璧主義、多様性の少なさ、それによる思考の偏り…etc
それらを疑って初めて、もっと自分に合った幸せを探し出せる人が日本にはいると思う。今回のzoomでも話されてたけど「わたし、定時で帰ります」というドラマがあること自体、疑問を持ってもいいはず。何のための定時。
日本人はその真面目さ、慎重さ、危機感の強さを活かして、自分たちに合う生き方を見つければ、もっと遠慮なく自分を満たし、ひいては世界にもポジティブなインパクトを与えられると思う。なぜなら世界的にも稀有な国民性だからだ。時間通りに電車が来るって狂ってる。( いい意味で )
私の考える「幸せ」は、
「 自分の意思で選択し、実行し、自分の責任で結果を受け取れること 」と「 他者と感情を共有しあえること 」だ。
皆さんにとっての「 幸せ 」とは、何だろうか。
他に参加者さんのコメントでも、いろんな気づきを頂いた。
裕麻さん、参加者のみなさん、素敵な時間をありがとうございました。
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