小説(SS) 「天使の施し」@毎週ショートショートnote #大増殖天使のキス
お題// 大増殖天使のキス 520字
※暗いお話なのでご注意!
その新種のクモは、アフリカ東部からコンテナ船で日本へと渡ると、全国各地に生息範囲を広げていった。
彼らは昆虫を捕食し、着実に増え続けていたが、その存在が世間に知れ渡ったのは、若者たちのある事件がきっかけだった。
集団自殺。
中高生の間で「天使のキス」と呼ばれていたそのクモは、世界の中でも稀にみる強力な神経毒を持ち合わせていた。咬まれた者は、その箇所が指先であろうと、くるぶしであろうと、数秒後に気を失うように死んでしまう。その手軽さと苦しみのなさから甘美な死を受けられるという意味で、つけられた名だった。
多くのメディアは、「大増殖天使のキス」という煽り文句で、世間を騒がし続けた。やがてそれは、幅広い世代にも広がり、社会現象を巻き起こすまでになった。
しかしあるときから、「天使のキス」は日本からその姿を消した。
実は彼らは、毒を使うことで、ミツバチのように自身も死んでしまうことが知られていた。
それゆえに、人々が求めすぎたからいなくなったのだ、という論調が世間で強まった。
だが真相は違っていた。
クモを捕食する動物たちもまた、甘美な死に酔いしれたからであった。それが報じられたのは、小鳥の大量死が明るみになってからのことである。
〈了〉520字
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なぜか2回連続で暗めな話になってしまいました。ほんとはギャグを書きたいのですが、、油断するとダークな方向のやつを書いてしまうようです笑
次回はきっと、ギャグが見れることでしょう!
ではでは〜。
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