【ResolumeArena】3年くらいVJしたので自分のコンポジション解説をしてみる
こちらは #VJアドベントカレンダー 2024 の参加記事です。
自己紹介
VRChatというVRSNSプラットフォームをメインにVJとして活動しています、Mano.Hsmtといいます。汎用素材メインでエフェクトとかマスクをかけてって感じでResolumeでプリレンダVJをしています。関西圏中心に現場のイベントでもVJしてます。
X:https://x.com/SodaHsmt
2022年3月に初めてVJを始めてもうそろそろ3年が経つのでコンポジションの整理ついでにちゃんと文書化しておこうかとまとめてみました。
自分は先人様たちの記事や共演した先輩VJの演出を自分なりに再現したりしながらほぼ独学でVJを続けてきてしまったので、変なところもあるかもですが何かの参考になれば幸いです。
コンポジション解説
環境:Windows10、Resolume Arena、APC40mk2
※Avenueにはない機能使ってますがアップグレードの際の参考とかにしていただければと思います。
全体像
全体像としてはこんな感じです。
確認用のモニターが画面左部上部に並んでいて、右側は出力画面と選択箇所の詳細が出るようにしています。
この画像にはエフェクトやソース一覧は表示してませんが、準備などで必要な時は画面右部に配置しています。
そして画面中央にレイヤーが並んでいて、20レイヤー並んでます。
なんでこんなに多いかはレイヤーの項目で後述します。
結構長くなっちゃいそうですが順番に見ていきます。
モニターについて
モニターは画像のように分かれています。
①:「Main」グループのモニター(各レイヤー4枚+グループ1枚)
②:「Option」グループのモニター(各レイヤー2枚+グループ1枚)
③:「Logo」グループのモニター(グループ1枚)
④:プレビューモニター
⑤:コンポジションモニター(出力モニター)
①②③各グループの詳細についてはレイヤーの項目で説明しますが、
素材を直接配置するレイヤー又グループは基本全部モニターに出してます。
サムネイルだけだと素材を覚えられないのと直感的にどの素材を選ぶのかわかりやすくするためですね。
④⑤は特に書くことはないです。
配置する場所については好みです。
選択箇所の詳細表示
正式名称がわからないですが、クリップやレイヤー等を選択するとTransformとか追加してるエフェクトとかの詳細を見れるところです。
自分は出番前やVJ中に曲調に合わせて頻繁にクリップの彩度色相等を変えたりエフェクトの数値やエンプローブを調整したりするので、常に選択箇所の詳細は表示しています。
なのでこの画像にはないですが、エフェクトやソース一覧もここに出していることが多いです。
少しエフェクトのパラメータに対するMIDIアサインについて触れると、
各クリップ又レイヤーに対してつけているエフェクトは事前の絵作りとしてつけているのでMIDIアサインはしないです。
ただ、最終的な出力画面がくるレイヤー(グループ)につけているエフェクトのパラメータについてはMIDIアサインをしてます。
(最終出力レイヤーを選択したときにプレビューにエフェクトが反映されてないのが嫌なのでコンポジション自体にはエフェクトはつけないようにしてます)
レイヤーについて
ここからが本題です。
まず20枚のレイヤーの内訳を下記します。
この表のままのレイヤーがになってます。
レイヤーの下層(Noの若い順)から何をしているのか、したいのかを説明していきます。
No1:背景用レイヤー
VJ中はクリップを変更しないので最小化してます。
このレイヤーは基本的には黒背景のクリップ一つがあるのみで、
MIDIコンのノブを回すと白背景に変化するようになっています。
白背景と黒背景を緩やかに切り替えれるようになってる感じです。
またこのレイヤーだけクリップの音が出せるようになっています。
なので最後に告知の映像を流したいという依頼が来た場合はこのレイヤーを使用します。(普段はsolidcolorが入ってるだけなので音が事故で出ないようになってます)
VJ素材を配置する場所に混ぜたくないのでフライヤー出すときもここを使ってます。
No2~5:Mainレイヤーグループ
基本的にこの4枚のレイヤーを使ってVJをしています。
それぞれにMIDIコンのフェーダーが割り当てられていて、フェーダーでクリップを重ねたり入れ替えたりできるようにするためのグループです。
モニター構成で紹介した通り、各レイヤーとグループ単位での最終出力を画面左部でモニターできるようになっています。
ここだけで見ればシンプルです。Resolumeの初期コンポジションもこんな感じだった気がします。
No6~7:Optionレイヤーグループ
このグループは、Mainレイヤーグループで対応しきれなくなった時に出せる汎用的な素材が配置してあったり、白黒素材のマスクで抜いた素材を使いたいときに使うレイヤーグループです。
No6レイヤーは通常の加算レイヤーで、No7レイヤーはレイヤーに配置してあるクリップはすべてマスク用の素材になるようになっています。
No6レイヤーをそのまま出せば5枚目のレイヤーとしても使えます。
またNo6レイヤーをNo7レイヤーのマスクで抜いたものがOptionグループの出力になるので、そのまま重ねてMainレイヤーに情報量を増やしたり、逆にOptionグループの出力のみして黒背景成分が多く明るすぎない映像にしたりなどの使い方をしています。
どんな映像が出せるか確認できるようにこちらも選択しているクリップがモニターで確認できるようになっています。
No8~9:Logoレイヤーグループ
名前の通りでLogoを配置しているレイヤーグループです。
LogoAレイヤーとLogoBレイヤーでなにが違うかというと、
LogoAレイヤーにはLogo画像であったりテキストであったりの何もエフェクトが掛かっていない状態のクリップ、
LogoBレイヤーにはLogoAレイヤーに対してエフェクトをかけたもの(videorouter使用)が配置されています。
AとBのレイヤーの切り替えはクロスフェーダーを使用しており、瞬時にエフェクト有り無しを切り替えられるようになっています。APC40mk2だと軽くて一瞬で切り替えられるため重宝してます。
このクロスフェーダーで切り替えた最終的なグループの出力もモニターできるようになっています。(なのでLogoグループはレイヤーが2つなのにモニターが一つしかなかったわけです)
このLogoレイヤーグループで大事な点がありまして、
このグループはそのままでは最終出力用のレイヤーに映すことができないようになっています。(※私のコンポジションでは)
あくまでこのグループは今このタイミングで使いたいLogoをストックしておく場所というイメージで、このグループをvideorouterでMainグループやOptionグループで参照させることで最終出力用のレイヤーに映すことができます。
No10~12:Stepレイヤーグループ
このレイヤーはステップシーケンスとMIDIボタンでのレイヤー切り替えを行えるようにするためのグループ(機能の9割はNo10レイヤー)です。
No12レイヤーは予備でつけてあるだけのレイヤーで、
No11レイヤーはOptionグループを重ねるかどうかを切り替えています。
No10のレイヤーですが、画像(Stepレイヤーグループ)だと一番下のレイヤーです。左から順に6つのクリップにMIDIボタンがアサインされています。
左から1つ目のクリップはMainグループの出力がvideorouterされています。
Mainグループで紹介したフェーダーでのレイヤーの重ねがけの結果がここに出力されます。
左から2~5つ目のクリップはそれぞれMainグループの各レイヤーひとつずつをvideorouterでとってきています。なのでそれぞれのクリップにアサインされたMIDIボタンをたたけばそのレイヤーのみを出力することができます。
左から6つ目のクリップと7~9つ目のクリップにもそれぞれMainグループの各レイヤーひとつずつをvideorouterでとってきています。
ただこの4つのクリップはautopilot機能で1拍ずつで切り替わるように設定されているため、左から6つ目のクリップのMIDIボタンをたたくだけで自動的にResoのBPMに合わせてMainグループの4枚レイヤーを切り替えてくれます。
No13~15:Mappingレイヤーグループ
こちらはMappingが必要になった際に使用するレイヤーです。
自分はResolumeのadvancedoutput機能を使ってマッピングをしておき、このレイヤーでStepレイヤーグループからvideorouterで引っ張ってきた映像に対してSliceTransformやSliceDelayというエフェクトを使いadvancedoutput機能で作ったSlice割りでマッピングをしています。
(ニュアンスでつかっているので言葉の使いかたが間違っているかもです)
SliceTransformとSliceDelayがとても便利で最近のお気に入りです。
マッピングのない場合でも4分割とか9分割で画面を分割してスライドさせたりしてます。
また、マッピングがない場合はStepレイヤーグループの映像をvideorouterで引っ張ってそのまま出します。
No16:背景用レイヤー参照レイヤー
このレイヤーはNo1:背景レイヤーをvideorouterで引っ張ってきているだけのレイヤーです。
なんのためにしているかというと、黒背景(白背景)をここに差し込むことで、このレイヤーより下層のレイヤーを映さないようにするためです。
それだけであればNo1:背景レイヤーをなくしてNo16レイヤーで行っても問題ないんですが、なるべく素材の出し入れをするレイヤーは下層にまとめたかった(告知映像読み込ませるときに上までスクロールしなくてよい)のでこの形にしています。
No17~19:最終出力レイヤーグループ
このグループでは、Mappingレイヤーグループを経た映像をvideorouterで引っ張ってきて、その映像に対して2つのレイヤーとグループ自体に対するエフェクトをかけて最終的な出力としてコンポジションに返します。
グループ自体には、色相、彩度を変化させられるエフェクトや映像の切り替え時にブラーをかけたりグリッジを入れたりして映像の切り替えを短調にならないようにするエフェクトを付けてMIDIコンのノブで操作できるようにしています。
2つのエフェクトレイヤーは、ひとつはMIDIボタンを押したらつけっぱなしのエフェクト、もう一つはMIDIボタンを押し続けているときだけかかるエフェクト(ピアノボタン)でわけています・
通常ボタンのエフェクトレイヤーには、視覚効果的なエフェクトセットを作っておいて、ピアノボタンのエフェクトレイヤーにはストロボやグリッジなどのスポットスポットで使いたいエフェクトを配置しています。
こうすれば画面がゆがむエフェクトをかけながらストロボをたくといったようなことができます。
No20:エフェクト無しLogo用レイヤー
最終出力レイヤーの上にさらにあるんかいとなっていますが、このレイヤーはLogoにエフェクトなどはかけないで欲しいという要望があった場合に使う用のレイヤーです。
自分はこういった要望は受けたことないですが、一応対応できるようにはしてあるといった感じです。
まとめ
以上です!!すごく長くなってしまいました…
一通り自分の現状のコンポジションの説明を書きましたが、個人的にはまだまだ発展途上というか納得いってない部分は多々あります。
必要に応じて付けたし付けたししていったらこの形に落ち着いた感じになります。
自分のコンポジションのイメージとしては、グループごとに機能を分けて、それを最終的にまとめることで一つのVJシステムを作るみたいな感じなのかなと思ってます。
今回はコンポジションの大まかな構造をまとめただけなので、使っているエフェクトの紹介などは別の機会があればしようと思います。
おわり
ほぼ独学でとは書きましたが、先輩VJからお話を聞いたりネットの記事を参考にしたりしているので、先人の知識のおかげでなんとか3年近くVJを続けてこれました。感謝ですね。
自分はまだまだResolumeを使いこなせていないので、いろんな便利な機能あったら教えていただきたいです。
以上、ありがとうございました。