人生を味わいつくす
明日、次男の住む広島へ日帰りで行く。
春休みを終え帰って行ったばかりなのだが、新学期を迎えいろいろ手助けしてやらねばならない事もあるようなので、行ってみる事になった。
その日帰り広島に、義母を連れていく事になった。
先月、義父の3回忌を終えてからの義母のメンタルの不安定さと、加齢が一気に来ている感じがつよくするのだ。
この夏で83歳。
義父が亡くなるまで仕事もこなす(主に経理)人だけど、実はとても不器用な人。
計算とか細かい事には長けているけど、苦手なことも多すぎる人。
それら苦手な事をすべて義父はじめ子供達や嫁、孫に「やってちょうだい」と
女王様的にサクッと依頼して、すべて叶ってきたので、できるようになる機会がないままこの年まできてしまった人なのだ。
そして、夫は夫で、自分で意識していないが、親に対して
「優等生で従順で親孝行な息子」という顔を見せないといけないと思い続けてきた。
実兄は、本当に頭がよく優秀な学校を出てエリートまっしぐらだった為、
自分を認めてもらうには、それしか手が無かったのかもしれない。
そのため、私にも子供達にもそれを望んできた。
なので、義父母と対面するのは本当に仮面を被った私でしかなかった。
「嫁」を演じてるというのだろうか?
一緒にいる時間はずっとビジネス的な付き合いかたなので、家に帰るとしんそこほっとした。
それは多くの嫁が経験する気持ちかもしれない。
それがここにきて、義母を孤立させてしまっている。
義母は義母でプライドが高い人なので、近所とも付き合わず、ずっと家に籠りきり。
近くにスーパーもあるけれど、歩くという概念がないので週に一度夫が買い物に連れて行ってくれるだけの外出。
つまり、私たち家族としか話さない日々が多い。
あとは実兄が毎晩FaceTimeで電話をかけてきてくれる。
うちの次男の住んでる場所は、多分、そうとう汚い。
本来の夫ならば、義母を連れて行こうとは思わない。
私から「広島に行くのに義母さん連れて行ってみる?」と夫に提案してみた。
綺麗事の上部の付き合いしかしらないでこのままあの世に行ってしまうより
もっと生身のリアルな私たちを見るのも、義父さんにあった時の土産話になるんじゃないだろうか?
83歳になった人はもう変わらない。
私たちが付き合いかたを変えないといけない。
もしかしたら、また否定したり文句言ったりするかもしれない。
そうだとしても、家でポツンと過ごす日々の中で、いい刺激になるんじゃないだろうか。
人生を味わい尽くす。
どうで生まれたなら、死んでしまうまでの間に起こるあらゆる事を
堪能する方がきっといい。
出会った人、起こる物事、なにもかも。
義母とあと何年過ごすのかはわからない。
義父が他界した時に、感じた後悔や想いを繰り返さないためにも。
義母にとっての余生が楽しいものになるように。
義母もとても張り切って「みんなのお弁当を作る!」と言ってくれている。
明日はどんな日になるかわからないけれど、あのぐっちゃぐちゃの家を見て卒倒するかもしれないけれど、それもいい刺激になるといい。