2021.2.21
いよいよ私のニューアルバム「PRIMAL ROCKS 2」が2月22日から各種ストリーミング&ダウンロードでリリースされます。
それに先駆け、2019年に発表した「PRIMAL ROCKS」のリミックス再発盤もリリースされました。
これらのリリースを記念し、今回は2019年のリリース当時にTwitterで公開していた全曲解説ライナーノーツを復刻掲載します。
〜「PRIMAL ROCKS(2019)」全曲解説〜
1 Return to the Primal Rocks
この曲はSEのような立ち位置で、ネタバラシをすると前作「Bon Voyage!」収録の「さては青春の光」の逆再生バージョン。
今回のアルバムのテーマはバンド時代のスタンスに戻って楽曲製作をするという「原点回帰」だったので、バンド時代を歌った楽曲である「さては青春の光」をモチーフにこのSEを作りました。
バンド時代のスタンスというのは、簡単に言えば「ストレートなビートとキャッチーなメロディー」というものでした。
ソロになってからの1stそして2ndにおける新曲群に関しては、極力バンド時代にはやらなかったようなアレンジをメインに作りましたが、今回のアルバムで敢えて原点回帰した理由は、2ndにおけるバンド時代の楽曲のセルフカバー製作及び「さては青春の光」の手応えがデカかったというのがいちばんの理由です。
このタイミングで敢えて今一度バンド時代に立ち返ってアルバムを作るのも面白いのではないか?という所から今回のアルバム製作は始まりました。
「さては青春の光」の逆再生バージョンをSEにした理由は、上に書いたような事を曲で表現したかったからです。
「さては青春の光」はバンドが終わってからの視点で楽しかった頃を振り返るみたいな内容でしたが、敢えてそれを逆再生することにより、バンド時代に回帰するというのを描いてみました。
当然、これからずっと今作のような原点回帰をテーマにしたアルバムばかりを作るつもりはありませんけどね。
ある意味、2曲目の「20AGER」と合わせて1曲みたいな聴き方も面白いかもしれません。
2 20AGER
世界中の夢を見つつもくすぶっている20代に向けたロックアンセム。
私もアラサーになり、夢を追う中でかなり大きな壁が立ちはだかる時期に入ってきたということもあり、自分を鼓舞するという為にもこの曲を書きました。
あとは、10代に向けた曲は割とあるけど20代をターゲットにした曲はあまり無いよな〜と思ってタイトルを「20AGER」としました。
楽曲面で言うと、ある楽曲のフレーズをオマージュしています。分かる人には分かるはず。
私が音楽をするようになった理由は、「いつかあの人のようになりたい」と思ったからです。
今回、このようなテーマの曲を作るとなった際、当時の私の一番の目標だった方の要素をこっそり入れたいと思ってオマージュとして加えました。(結果的に全然こっそりじゃなくなってしまったが。)
聴き処は私のドラムでしょうか。
ソロになってからは基本的にドラムも私が全て叩いています。
今作に関しては打ち込み要素はゼロで、完全に私だけのグルーヴだけで楽曲が成り立っています。
そういう意味でも、この曲における私のドラムをメインにしたグルーヴ感というのは、私一人で全ての楽器を演奏しているからこそ出ていると思います。
バンド時代の悩みの一つとして、グルーヴ感が全く出せないという事がありました。
他人とやるなら相当息が合っていないと心地よいグルーヴ感は生まれません。
そんな事なら一人でやっちゃった方が簡単に自分らしいグルーヴ感が出せます。
そんな点からも、ソロになったからこそ完成出来た曲の一つ。
楽曲スタイルとしてはバンド時代に演奏しても違和感ないものだけど、きっとここまでの完成度は無かったと思います。
3 HYPER
これまでのソロ曲は全てソロ用に書いたものであり、バンド時代に書いたものを再利用するという事はやってませんでした。
ただ、この曲は出来た当初から気に入っており、タイミングが合った時に発表しようとしてたのですが結局私がバンドを脱退したのでタイミングを失い、この度晴れてお披露目ということになりました。
なので、楽曲スタイルとしては今作の中でもかなりバンド時代色が強いものとなっています。
歌詞の内容はあんまり無くて。
一応テーマは「SM」という事になっています。
この曲で特徴的なのは、サビ後のギターソロでしょうか。
私がよくやる手法なのですが、アナログディレイというエフェクターの発振音を活用して演奏しています。
ギターはアリアプロⅡの60年代のビザールギターを復刻したモデルを使用。
というか、ここ最近はこのギターしか使っていません。
特にこだわりという訳でもないですが、私はアルバム1作につきワンギター使用でレコーディングしてまして、他の曲も全て前述のギターでレコーディングしています。
ちなみに、1stアルバムではヤマハのストラト、2ndアルバムはアリアプロⅡだけでレコーディングしました。
ベースは40年ぐらい前のグレコのリッケンバッカー。
個人的にあまりバッキバキとした今風のベース音は好きではなく、錆び錆びの弦で鳴るボワボワとしたベース音が好きな為、この中途半端にビンテージなリッケンバッカーを愛用しています。弦は多分10年以上変えていません。
逆に、バッキバキのベース音じゃないと流石にダメだなあという曲についてはシンセベースでやっちゃいます。
特に今回のアルバムに言える事ですが、クラシックロックスタイルの楽曲が私の場合多数を占めるので、そういう曲を演奏する時は前述したようなベースが最適だと私は思っています。
4 TOKYO
この曲のテーマは「近未来型歌謡曲」。
シンセベースを使用した事により、なんとなく都会的な印象を受けたためタイトルを「TOKYO」としました。タイトルをまず決めてから歌詞を書くと言う珍しいパターンでした。
個人的に思うこれからの東京、またはその他の色んな都会についてをある種風刺的に描いたつもりです。
結構、今までの歌詞の中でも割と完成度高いんじゃないかな〜?なんて思っています。
キーボードの音色は最近お気に入りの古いテープレコーダーを通した様なオルガン風になっています。
このキーボードの音色が良い味付けになっているのではないでしょうか。
ツイッターで、次のアルバムはサイバーパンクだ、と言っていますが、この曲はある意味次のサイバーパンクアルバムの予告編とも言える曲だと思います。
基本的に生っぽいバンドサウンドにこだわってきた今までのYTRですが、次のアルバムではもう少し実験的なモノを作ろうと思います。
「TOKYO」は、そういう意味でも「PRIMAL ROCKS」と次のアルバムを繋ぐ重要な楽曲であると位置づけています。
5 Osaka Bay Romance(Primal Version)
前作「Bon Voyage!」収録曲の別バージョン。
前作では鍵盤系をメインにし、昔懐かしのJ-POP風のアレンジでしたが、今回は歌だけオリジナルのままでバックのアレンジを全てバンドサウンドに入れ替えました。バンドサウンドにするにあたり、私なりのAORを目指してリアレンジしました。
これからもシングル曲や先行カット曲は出していくと思いますが、基本的にシングルとアルバムではバージョンを変えていくつもりです。
私もシングルバージョン、アルバムバージョンとちゃんと作るアーティストが好きな事もあり、シングルも買ってくれる人たちの為にも別バージョンでアルバムに入れるというのは今後も続けていくつもりです。
歌詞は珍しいほどにストレートなラブソング。
というか、今回のアルバムには割とラブソングが多い。
今までの私のラブソング系は、大抵バッドエンドなオチが多かったような気がしますが、この曲は珍しくラストの大サビで持ち直します。
阪神高速から見える夜の工場群、いいよね。
6 Heartful and Sentimental
この曲は高校時代の自分に向けて作りました。
今でもあの頃は何だかんだで濃密な時間を過ごしていて、当時の事を何度か他の曲でも描いたこともあります。
今の私が手紙を送るような気分で歌詞を書きました。
楽曲としては、ちょっとだけブライアン・メイ(クイーンのギタリスト)意識。
あと、メロトロン風のオルガンは完全にビートルズリスペクト。
ブリティッシュロック好きなわりに、意外とブリティッシュ風味なアレンジって今までそんなになかったので、今回はこってりとブリティッシュ要素を入れてみました。
本人的には今回のアルバムの中でもかなり気に入っている曲です。
歌詞にある「強いて言うなら一人減った友達」については察してください。
7 Shanghai Femme
今回のアルバムにはタイトルに地名がつく曲が3曲ありますがたまたまです。
そんな地名シリーズのラストを飾るのがこの曲。
実はこれ、レコーディング期日のギリギリまでボツ曲になる予定でした。
どうやってもな〜んかピンとこなくて、歌詞も全く浮かばなくて。
そんな時にたまたま思いついたのが「上海」というワードでした。
ちょうどその頃、布袋寅泰さんの新譜にも中華風な曲が収録されていた事もあり、私もアジアンな感じに挑戦してみようと悪戦苦闘して現在のアレンジに至りました。
結果的にちゃんとアジアンテイストを感じてもらえてるかは分かりませんが、本人的には一応満足しています。
楽器的には、ベースはシンセベース。
その上に中国の「ヤンチン(うろ覚え)」という楽器のパッドを重ねています。
メインリフのギターにはフェイザー(簡単に言えば音がウネウネするようなエフェクト)とハーモナイザー(簡単に言えばハーモニーを生成するエフェクト)を掛けています。
最終的に今回のアルバムで一番凝ったレコーディングをした曲になりました。
8 BABY BABY
今回のアルバムで一番ポップかな?と言う曲。
ただ楽曲自体はポップですが、歌詞のテーマが「人類最後の日」ということもあって内容はちょっとダーク。
バンド時代の「Darling&Darling」という楽曲の遺伝子を受け継いだ曲でもあります。
あと、初めてマラカスをレコーディングで使用しました。マラカスって意外と難しい。
ベースはちょっと歪ませています。
この歪みはエフェクトではなく、若干の音量レベルを上げて歪ませるという昔ながらのやり方でやりました。
今後のライブでも割と重要なパートを任せられる楽曲だと思っています。
9 MILLION LOVES(Primal Version)
先行カットとしてシングルリリースされた楽曲。
シングルバージョンとは異なるミックスでアルバムに収録。
コーラスを削り、メインのボーカルをダブルトラック風のエフェクトに変更し、シンセの音量も少し上げています。
この曲はつい最近私が大失恋した後に書きなぐりました。
当時の気持ちを全部曲にぶつけたらああいう歌詞になってました。
こんなロックアンセム調の曲で「銀杏拾いに行こう」というフレーズ入れたの私が世界初じゃないでしょうか?
まぁ、ある意味プライベートな曲ではありますが、俯瞰的に見ると広い世代にアプローチできる楽曲だと思いますのでこれからも大事に歌っていきます。
10 PANGEA
一番社会的なテーマが色濃い楽曲。
以前に「LIVE IN JAPAN」という楽曲を出しましたが、あの曲をもっと広い世界観で描いた曲とも言えます。
やはり、現代は様々な観点から平和だとは一言で言えない時代だと思います。
特に、日本では令和になってからも悲しいことに悲惨な事件や事故、災害が多く他人事では済まされない状態になっています。
そんな世界の中で、僕たちみたいな音楽を作る能力を得た人間は何かしらのメッセージを伝え続けていくというのはある種使命だと感じています。
いつかこの曲を聴いたとき、「あぁ、あの頃は色々大変だったな。」と平和な日々の中で感じられる時が来るのを願っています。
以上、2019年当時に掲載していた全曲解説をほぼ原文のまま復刻しました。
今読み返してみると中々興味深い記述があったり、現在の状況と照らして見ると意味深いことも書いてあったりします。
続編である「PRIMAL ROCKS 2」の全曲解説については、MANNEQUIN MONTAGEのSpotifyポッドキャスト番組の中で「副音声解説」と言う形で行う予定です。
是非、MANNEQUIN MONTAGEのPRIMAL ROCKSの世界をお楽しみください。
アルバム「PRIMAL ROCKS(リミックス再発盤)」はこちら
https://big-up.style/NXGvq0toN4
ニューアルバム「PRIMAL ROCKS 2」はこちら
(2021.2.22より配信開始)
https://big-up.style/SoRhjcQssv
MANNEQUIN MONTAGE リリース作品
https://big-up.style/artists/161451
MANNEQUIN MONTAGE Twitterアカウント
@themannequin_c
MANNEQUIN MONTAGE 歌詞データベース
https://ameblo.jp/theearthling-vox
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