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【オギャー No.3】 まずい

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入院して数日しないうちに、体調は悪化した。
入院が何か影響したわけではなく、私の身体が悲鳴を上げ始めたタイミングで入院することになったのだと思う。あの時入院していなかったらどうなっていたか。奇跡でしかない。

身体を起こしている時は何もないのだが、横になると肺や心臓を誰かに押しつぶされてるような感覚に襲われる。呼吸が出来ず苦しくていられない。
急遽、心臓内科や呼吸器内科で検査も受けたが、心臓や肺には何の異常もみられなかった。
結果、出された診断は「むくみ」。

妊娠高血圧症候群の主な症状のひとつに挙げられる「むくみ」は、身体に必要以上の水分が溜まっている状態だ。

起きあがっている時は身体の下にある水分が、横になることによって心臓や肺を圧迫し苦しくなるのだろうという事だった。それくらいむくみがひどかったようだ。

それからはむくみが取れるまで、夜眠る時もベッドを起こし座った状態で眠ることになった。
後日夫から聞いた話だが、入院する少し前、夜眠っている時の私は
ハッハッハッハッ
とまるでマラソンでもしているかのような呼吸だったらしく、心配だったと言われた。

確かに横になると少し苦しいと思ってはいたが、お腹の子が大きくなってきたからだろうと思っていた。
後から思えば、入院少し前から症状は現れていたのだ。

初日から制限されていた食事は、むくみが確認されてから塩分制限が更に厳しくなり1日3gとなる。
1日3g、十分と思うだろうか?

1日3食で3gは、ほぼ無味と思ってもらうといい。
血圧やむくみ対策のため、塩分制限は絶対だった。
正直とてもまずい、ほぼ味などない、質素などという言葉では足りない。
その辺の草を取って来て茹でて食べているような感覚。たまにならいいかもしれないが、1日3度ほぼそんな味なので、もう少し続いていたら発狂していたと思う。
それでも赤ちゃんを体内で育ててる以上、必要な栄養を取らなければいけないので、無理にでも食べるしかない。

不味い物を毎日3度食べる。
食べる。吐き気を催す。吐き気を催しながら食べる。

どうにかして食を進めたい私は、先生にふりかけチャレンジをした。



ふりかけ

即、撃沈。
ふりかけ一袋に含まれる塩分は約0.3g。1日摂取量の10分の1。10分の1の贅沢も許されなかった。危険な状態と言われた身、当然といえば当然。

あの時ほど食事が苦行だったことはない。
週に一度だけでる納豆が楽しみだった。タレが付いていたから塩気を味わえる。
週に一度だけでる食パンが嬉しかった。ジャムを塗って甘みを感じられる。
入院中何もできない私は食事くらい楽しみたかったが、その食事も辛かった。

毎日苦しいことしかないし、恐怖しかない。
大げさでもなんでもなく、最初の約1ヶ月は毎日泣いていた。

「妊娠高血圧症候群は、どんなに気をつけていてもなる人はなるし、どんなに不摂生をしていてもならない人はならない。そういう病気なんです。だからお母さんのせいじゃないですからね。」
そう言ってくれたのは、担当医の東口先生。名前も顔も忘れない。

私のせいで赤ちゃんが死んでしまうかもしれない。
「私のせいで」
そう思っていた私の気持ちを見透かしたかのような、その言葉。
それでも自分を責める気持ちは変わらなかったけれど、少しだけ救われた言葉だった。


よし。今日はここまでにしといてやろう!
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【今日の後期】
食事の話が長くなってしまいました。書いてる以上に本当に辛かったので、省けなかったです。笑
実はここだけの話ですが、私は某食材宅配サービスの食事が食べられません。
なぜかというと、使っている食材、味付けや調理の仕方が、あの時の病院食にとっても似ているからです。(あそこまで味は薄くないですし、美味しいのですが)

以前、その食材宅配サービスを利用させていただいた時に、あまりに似すぎていて吐き気を催し食べられず止めてしまいました。トラウマのようなもので身体が拒絶します。
その食材宅配サービスをディスってるわけではありません。
似た食材や調理法など、やはり身体に良い食事を提供されているのだろうなぁと思いました。私は食べられないけれど…。

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