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大学の対面授業再開の動きに思うこと

こんにちは。マナの勉強Studioの中の人です。

普段はYouTubeで勉強解説動画をアップしています。
https://www.youtube.com/channel/UCbVZCzhaeTSEa18MsyE8-hA

今日の内容は見る人によっては気分を害するかもしれませんので、そういう時は途中で読むのをやめてください。
また、あくまで私の個人的な感想であることをご了承ください。

広がる対面授業再開

さて、大学も後期の授業が始まろうとしています。
前期はほとんどの大学がオンライン授業を余儀なくされたわけですが、文科省の働きかけもあってか、ほとんどの大学がオンラインを併用しつつも、なるべく対面授業を設けるような工夫がされていると聞きます。

しかし、京都大学はあくまで「オンライン授業を中心に実施し、対面授業等が必要と認められた科目については対面で授業を実施」としています。
この「対面授業等が必要と認められた科目」については、各学部学科が発表することになっていますが、後期授業開始10日前になっても、何ら発表のない学部もあります。この発表の遅さには我々学生も困り果てていますが、今に始まったことではありません。
事実、京都大学は、今年の3月31日まで、前期授業を原則対面で行うと言いつつ、4月1日に原則オンラインを打ち出すというどんでん返しを行っています。

また、課外活動についても、多くの大学で感染防止対策をとりつつ普段の活動は行えるという状況になっていますが、京都大学は非公認サークルの活動も自粛を要請し、公認サークルであっても他大生は参加してはいけない等、実質的にはほとんどのサークルが活動できない状態が続いています。

対面授業再開を求める声

小中高はすでに対面授業を再開し、部活動や行事も行われているといいます。

そんな中、どうして大学生だけがこのような自粛を強いられているのか、というのは疑問ではあります。

SNS上でも「#大学に行きたい」「#大学生の日常も大事だ」などのタグで、対面授業の(全面)再開を求める声が上がっています。
学費返還運動も起こっていますが、今日は触れません。

一方で、大学教員だけでなく、一部の学生からも対面授業の全面再開には根強い反対意見があります。

かく言う私も当初は対面授業の全面再開を望んでいたのですが、色々な意見に触れ、考えを巡らせていくうちに、少し疑問を持つようになりました。

対面授業で得たいのは何なのか?

対面授業再開を求める声をネット上で見てみると、いろんな意見があります。目についたものとして3つ挙げておきます。(当然、ほかにもあります)

①オンラインではなく、教室で授業を受けたい
②対面授業で友達を作りたい
③課外活動の自粛要請を緩和してほしいので、それに向けて対面授業を再開してほしい

授業自体もですが、やはり対面での学生生活が再開することを望む声が多い印象を受けました。

仮にすべての授業が対面授業になったとしても、元通りの学生生活が戻ってくるわけではありません。
リスクの高い疾患をもつ学生や入国できない留学生など、オンラインで参加せざるを得ない受講者もいます。そのような人に配慮してzoomで同時配信するなどの方法がとられるそうですが、ある程度はオンライン参加にも配慮した授業スタイルになるでしょう。

また、対面授業での感染防止策も講じなければなりません。対話を伴うような活動は飛沫感染のリスクがありますし、マイクや試料を回していくようなことも難しいでしょう。

さらには、授業後に周りの人と話さず、そのまま帰宅することを求めている大学もあります。授業は対面が再開されても、学生間の交流が再開される保証はありません。

それでは、対面授業再開の先に待ち受ける学生生活は、本当に我々が求めるものなのでしょうか。

それでもこう言う人もいるでしょう。

「少しでも元の生活に近づけるならいいじゃないか、授業は本来教室で受けるものなのだから」

そうは言っても、大学にわざわざ足を運んで、オンライン授業とさほど変わらないものを受け、誰とも話さずに帰宅するほうが返って精神的につらくなる気がします。

もちろん、対面授業再開が何を指すのかによっても変わります。とにかくオンライン授業をやめるのか、本当の意味で元の対面授業をやるのか、色んなものが混ざっているように思います。

確かに、大学生が大学に行けない、対面授業を受けられないというのは世間的にも注目されやすい事態です。その一方で、どんな形であれ対面授業が再開されてしまえば、世間の関心は薄れていきます。

「大学の対面授業が再開されましたが、学生からは不満の声が上がっています。どうしてでしょうか?」

といった問いかけがニュースで流れるのも時間の問題かもしれません。

授業はできてもサークル活動はできない、友達と集まって勉強会もできない、学園祭などの行事もできない、ということになっても、

「学生の本分は勉強なんだから、授業ができていれば問題ない」

という認識が広がるでしょう。就職活動では授業外の活動成果も求めるのに…という話は置いておきます。


対面授業再開を求め、学生生活を元通りにしていこうという考えは良いことですが、結果的に誰もが求めていない中途半端な状態に陥らないことを祈るばかりです。

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