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南房総 未来に展望を創る ルポ2

南房総オーガニックのメンバーの一人、坪谷真実さん(27、就農3年目)の農園「farm Salud!」(ファーム サルー、サルーはスペイン語で「乾杯」)は同市内の表通りから少し入った場所にあります。看板がなんともおしゃれです。

「farm Salud!」のサインボード

案内されて敷地に入ると、木々の間や畑からニワトリたちが駆け寄ってきました。「おかえり~!」と言っているような、弾む足取り。それぞれに個性や愛嬌が感じられ、ほかで見たニワトリとはなにか様子が違います。

日本の一般的な養鶏場では、ニワトリはバタリーケージといわれる狭い金網のケージにぎゅうぎゅうに押し込められ、歩くことも羽ばきすることもままならず、本能的な活動を奪われています。こうした飼育は動物福祉の観点から非常に問題で、EUなどでは禁止していますが、日本では過密飼いが続いています。

坪谷さんの20羽のニワトリは、性格や体の特徴からそれぞれに名前を付けてもらい、日中はfarm Salud!を縦横無尽に駆け回っています。そして、ご近所さんの庭や畑にも侵入。坪谷さんは「そっちに行っちゃダメ」と声をかけたり、足元にまとわりつく子を抱きかかえたりしながら、「みなさん、『庭にニワトリがいる風景が見れるなんて。懐かしい』と言ってくれるんですけどね」と笑います。

玄米やおから、畑の害虫がごはん

斜面に作られた畑も、一般的な畑とは様相がかなり違います。理由は不耕起栽培。耕さず、土壌の微生物や動植物が織りなす生態系を豊かに育み、農薬や化学肥料ではなく、自然の力で農作物を育てるのです。自然と共生・共存する農業。自由に動き回るニワトリたちは、その自然の営みのなかで害虫となる虫たちを「コッコッコ」とついばみ、それぞれのお気に入りの場所で有精卵を生む。まさに、farmSalud!の共同運営者なのです。

夏野菜を育てる畑。「母にはススキじゃないと言われます(笑)」(坪谷さん)
コンポストの中に生み落とされた卵

もともとは環境問題に関心があり、青年海外協力隊に参加してきたという坪谷さん。「土や水、農機具など、条件は国によって違います。だから、どこの国、どこの地域でも通用する持続可能な農業モデルをつくり、次の世代が続けるようにしたい」と語ります。
また、「脱プラに向けて、販売用の包装を新聞紙にしてみたけれど、中が見えないので手に取る人が少ないですね。量り売りは好評でした」とも。食べる人の笑顔の増産と環境問題の解決。いくつもあるアイデアや課題に、頭も体もフル稼働しています。

めざすのは複合農園。それって? 「この場所を、野菜販売だけでなく、いろいろな人が集い、くつろいだりイベントを開催するスペースにもしていきたいです」(坪谷さん)。( ..)φ

「マルシェはお客さんとのおしゃべりが楽しい。『買わなきゃ悪い』なんて思わず、気軽に声をかけたり野菜を手に取ってほしいです」(坪谷さん)

宣伝みたいになってしまいますが、この農園を応援したいっと思ってくださった方に( ..)φ

Farm Salud!さるっ!農園
農園で収穫と購入ができます。ご連絡いただければ、いま何が収穫できるかなど、お伝えいたします。見学や話だけという方も歓迎です。
住所:千葉県南房総市検儀谷636-2
携帯:080-1088-7267
メール:farmsalud.21@gmail.com
※オンライン注文に関するお問い合わせはCONTACTからお願いします。


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