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【エッセイ#19】ほうじ茶のある暮らし

隣町の商店街にふらっと立ち寄った。
たまたまお祭りが開催されていて、地元の人が出店している屋台も出ており活気に溢れていた。
「こういう雰囲気好きだなあ」と歩いていると、どこからか香ばしい香りがする。
その発生源は商店街のお茶屋さんだった。軒先で茶葉を煎ってほうじ茶を販売していた。
煎りたてのお茶の良い香りに足を止めた俺は、折角の機会だから、と人生で初めてほうじ茶を購入した。
お店のおばあちゃんが枡で茶葉を掬って袋に入れてくれる。枡一杯で540円なのに、両手で追加のふた掴みのサービス付き。なんか商店街っぽくて良いなと心が温まる。

それからというもの、毎晩ほうじ茶を急須で淹れるのがマイブーム。朝はコーヒー。晩はほうじ茶。新ルーティンが誕生した。
時にはデザートと一緒に、時にはお茶だけでゆったりと夜を過ごす。
コーヒー然り黒ビール然り、ほうじ茶然り。俺は焙煎香が好きなんだなと自覚する。
30歳になっても新しいものを好きになれる。
これってとても素敵なことだと思う。

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