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恋するモンテーニュ

こんにちは。

今日は2020年4月8日。

新型コロナによる緊急事態宣言が発令。

100日後に死ぬワニの書籍発売日。

スピリチュアルな匂いがする事を言いますが、お釈迦様の誕生日とされる花祭りの日であり、2020年唯一のスーパームーン。


 画像の人は、ルネサンス期をフランスで生きた面白き方、ミシェル・ド・モンテーニュ。彼の執筆した“エセー”は、現代の“エッセイ”の起源といえます。37才で法官の現役引退後、ボルドー市長就任に至るまで“試み”として、生涯執筆を繰り返し行われた至高の名作です。

 ちなみに彼の生きた時代には、宗教戦争真っ只中であったし、ペストも流行しました。そんな最中でもモンテーニュの思考はとてもしっかりしていて、現代にもその思考はお手本として活かされるべきではと、思ってしまうのです。

 とにかくおぼっちゃま育ちでいらっしゃるので、なかなかモンテーニュ思考とはリンクしにくい点も否めませんが、例えば…

 冷静沈着で、社会的な人がひとりでもいたら、奇跡というしかありません。人間の精神のまわりに、できるだけきっちりと柵を設けるのは理にかなっているのです。-----精神に手綱をつけて抑えています。

(エセー4 白水社 『レーモンスボンの弁護 』P217)

 どことなく、今日発令された緊急事態宣言が、人の手によって設けられた“柵”のように感じます。私の精神も暴れ馬であるがゆえに、いましばらくは“柵”のなかで己が精神の手綱を握り、モンテーニュの目線を通して自分の内側を探りたし。

 そしてメディアは、政策の穴をほじってみせてくれたり、くわしく解説してくれたり、議論してくれたりするけれど、

 人間の知性・判断というのは、なにごとであれ徹底的に突きつめて検討しようと思ったりすると、かえって道に迷ってしまうというのだ。

(エセー4 白水社 『レーモンスボンの弁護』P212)

 モンテーニュは中庸と運命を好む。運命によってもたらされたこの時間を、中庸をもって過ごそうではないか。



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