GERA長短
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まんじゅう大帝国の落語良いとこ1度はおいで
という、落語の紹介や落研での思い出等々、僕らと落語周りの話を中心にする配信をやっています。
5日(金)更新分で長短という噺、この噺との思い出をお喋りしました。
以下、粗筋説明がてら実演(竹内が)したものです。音だとあんまり分からなかった、とか、たまたま今度5~6分で落語をやらないといけないんだよね!という人へ向けて。
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十人寄れば気は十色なんて言葉が昔からありまして、気が長い人もいれば気が短い人もいる、この二人が気が合わないのかというと、意外とそうではなかったりしまして
短「おうおう、長さんじゃねぇか、良いところへ来たな、上がんな上がんな、今よ餅菓子を知り合いから貰ってよ、これが美味いんだ。どうだい喰わないかい?喰うならお茶煎れてやんだ、喰わないならしまっちゃうし、どうするよ?」
長「よっこいしょ、と、こんちは」
短「今さら挨拶してらぁ、餅喰うか喰わないか、どうする?」
長「んー、、、頂こうかな」
短「そうかそうか、ほらこれだ、喰え喰え、どうだ、うまいか?」
長「まだ食べてないよ。、、、うん、、(クチャクチャクチャ)こりゃあ、、うまいね。」
短「1つの物をいつまでクチャクチャやってんだよ。こんなもんは半分に割って、口に入れて(クチャゴクン)あー、こうやって喰うんだよ。」
長「確かに短七っつぁんから見れば、まどろっこしいだろうねぇ、短七っつぁんは気が短い。私はどちらかと言うと、、、気が長い。それでいて幼い頃からの友達で、ケンカひとつしたことがない。不思議なもんで、、、気が合うんだねぇ」
短「合わないよ。お前とは。喋りながら何をダラダラやってんだよ。そんなんじゃいつまでたってもタバコに火なんかつきゃしないよ。迎えに行くんだこうやって、(スー)(パン)こう。一服して叩いて落とす。(スー)(パン)こう。俺なんか急いでる時には吸う前に叩いちゃうんだから」
長「そうかい。うん。短七っつぁんは気が短いから、人に物を教わるなんてぇのはキライだろ?」
短「キライだよ。まどろっこしくて聞いちゃいらんないからよ」
長「それは、私が教えてもかい?」
短「お前は別だよ、友達じゃねぇか、なんだい?何かあったのかい?」
長「じゃあ教えても、怒らないかい?」
短「怒らないよ。怒らないから言ってみな」
長「本当に、怒らないかい?」
短「怒らないよ。何だよ?はやく教えろよ!」
長「、、、なんだか、怒りそうだなぁ」
短「怒らないって言ってんじゃねぇか!怒らないから教えろ」
長「じゃあ教えるけどね、今、短七っつぁんがタバコを吸って、二服目に威勢良くポーンと叩いて出た火種が、タバコ盆に入らずに、左のたもとの袖口に入って、どうなるかなぁと思って見てたら、けぶが出て来て、今、だいぶ燃えてるようだけど、ことによるとこれは、消した方が、いいんじゃないかなぁ?」
短「何よ?!あ!あーあー、何か焦げくせぇと思ったら(パンパンパン)焼けっ焦がしになっちまった。あのなぁ、こういうことは教えた方がいいに決まってんだろ、もっと早く言え、バカ野郎!」
長「あー、やっぱり怒った。だから、教えねぇほうが良かった。」