GERAつる

GERAという配信アプリで
『まんじゅう大帝国の落語良いとこ1度はおいで』
という、落語の紹介や落研での思い出等々、僕らと落語周りの話を中心にする配信をやっています。

6月12日(金)更新分でつるという噺、この噺との思い出をお喋りしました。

以下、粗筋説明がてら実演したものです。音だとあんまり分からなかった、とか、たまたま今度5~6分で落語をやらないといけないんだよね!という人へ向けて。

↓↓

長屋に住んでるご隠居さんの所に町内の若い男が物を聞きにくるとなると噺の幕開けでございます

八っつぁん「こんちは」

ご隠居「おぉ、誰かと思えば八っつぁんかい、まあまあ、お上がり、今日はどうしたぃ?」

八「へへ、あのー、ご隠居さんにね、ちょいと聞きたいことがあってね」

隠「あぁそうかい。なんだい?」

八「あのー、鶴ってぇ鳥がいるでしょう」

隠「あぁいるな。日本の名鳥だな」

八「そう、それなんですよ。何で、鶴は日本の名鳥だ。なんて言われるんですか?」

隠「まぁそうだな、鶴というのは大変に情愛の深い鳥でな、一度つがいになると死ぬまで離れることはない、添い遂げるってんだ。立派なもんだな。」

八「あー、なるほど。確かに立派なもんですね。ビッグダディに教えてやりたいですね」

隠「そうだな。教えてやりたいな。それとな、これはちょいと面白い話なんだがな、」

八「お、面白い話ですか?分かりました、オチを察して大袈裟に笑いますね。」

隠「全部言うんじゃないよ。こっそりやんなさいそういうのは。」

八「あーそうですか、じゃあこっそりやります。で、話ってのは?」

隠「うん。あの鶴というのはな、昔鶴とは言わなかったんだよ。」

八「え?そうなんですか?へー、じゃあ何て言ったんだろう。白い鳥だから、白鳥かな?あ!今白鳥と呼ばれているあの白鳥は実は2代目だ、とか?」

隠「あー、違うけど、そっちの方がいいな。そうじゃないんだくだらない話で、首が長いから首長鳥と呼ばれていたんだ。」

八「え?くび、なが、どり?、、ハッハッハッハ、そのまんまじゃないですかぁ」

隠「あー、よかったー。そうなんだよ。まんまだったんだよ。」

八「ハハハ、でもご隠居さん、その首長鳥?が何で鶴、になったんですか?」

隠「あぁ、これはな、昔、ある白髪の老人が、浜辺に立って小手をかざして沖を眺めていると、もろこし、というから昔の中国だな、もろこしの方から1羽のオスの首長鳥が、つーーっと飛んできて浜辺の松の枝にポイととまった。後からメスが、るーーっと飛んできてポイととまった。これを見た老人が、あぁ、あれは、つる、だな、と。」

八「んー?つー?、、ちょっともう1回教えて下さい。」

隠「もう1回?2度言うのは私も恥ずかしいんだから、ちゃんと聞いておくれよ、昔、ある白髪の老人が浜辺に立って小手をかざして沖を眺めていると、もろこしの方から1羽のオスの首長鳥が、つーーっと」

八「あ!分かった!つー、るー、でつるだ!ハッハッハ!くっだらなくて面白ぇ!」

隠「うん、やらすならやらせてくれよ。1番恥ずかしい所で止められたよ」

八「いやいや、ご隠居さん、これ面白いですねぇ、どっかでやって来ます。」

隠「ちょっと待っておくれ、これはここだけの話なんだから他でやらないでおくれよ」

八「あ、そうですか?分かりました分かりました、頭かち割られてレモン搾られたって言いませんよ、さいならー、、、はぁーあ、っと、さて、誰に言おうかな。龍公ヒマかな?行ってみよう、、、こんちは、龍っちゃんいる?」

龍「おう、いるよ。けど悪ぃな、今ちょっと仕事が忙しいんだよ、今日んとこは帰ってくれよ。」

八「そう言わずにさ、龍っちゃん、鶴って鳥知ってる?」

龍「あー知ってる知ってる。分かったから、忙しいんだよ、話しかけないでくれよ」

八「あのね、鶴はね、昔、鶴って言わなかったんだよ。」

龍「、、、え?マジで?鶴って言わずに何て言ったんだよ。」

八「首が長いから首長鳥って言われてたんだってさ」

龍「アッハッハ、単純だねぇ、でもよ、何で首長鳥が鶴になったんだよ」

八「ふふふ、それなんだよ、昔ね、ある首長鳥が浜辺に立って小手をかざして沖を眺めていると、もろこしの方から一人の白髪の老人がつーー」

龍「ちょっと待て待て、かたや小手をかざしてって、物凄く進化してて、かたや、、物凄く進化してるじゃないか。あべこべじゃない?」

八「あ、あべこべだ。昔、ある白髪の老人が浜辺に立って小手をかざして沖を眺めていると、もろこしの方から1羽のオスの首長鳥が、つーーるーーと飛んできて、浜辺の松の枝にポイととまった。後からメスが、、、あー、、さいなら!」

龍「あー、帰っちゃった!どうなったんだよ!メスはどうなったんだよ!」

八「あれー、おかしいな、ご隠居さんは出来てたのになぁ、こんちは、あのー、ご隠居さん、あのー、ちょっと、もっかい教えてほしいんですけど、あのー、つーるー」

隠「お前どっかでやってきたな。全くしょうがない。昔、ある白髪の老人が」

八「そこは大丈夫なんですよ、飛んで来る所を」

隠「1羽のオスの首長鳥がつーー、と飛んできて浜辺の松の枝にポイととまった。」

八「あ!つー、分かりました!行ってきます!」

隠「あぁあぁ大丈夫かい?んー、まぁがんばれー」

八「龍っちゃん、いる?」

龍「いるよ!仕事が手につかないんだよ!教えてくれよ!」

八「(咳払い)昔ね、ある白髪の老人が浜辺に立って小手をかざして沖を眺めていると、もろこしの方から1羽のオスの首長鳥が、つーー、ハッハッハ、さっきここで間違えちゃったんだよ、オスの首長鳥が、つーー、っと飛んできて、浜辺の松の枝に、る、ととまったんだ!後からメスが、、、メスが、」

龍「おいおいおい、メスは?メスは何て言って飛んで来たんだよ!?」

八「うー、黙って飛んで来た。」

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