神須屋通信 #35
「グラングリーン大阪」を見に行く
昔から建築と街づくりに関心があって、東京へ行くたびに変貌する渋谷の再開発の様子を観察しているし、(今年は渋谷ではなく、麻布台ヒルズを見物する予定です。)来年は生まれ変わった広島駅と長崎のスタジアムシティを見物するつもりです。そんな私が、地元大阪で、ここ十年近くずっと定点観測していたのは大阪駅の北側、通称「うめきた」地区でした。例えば、下の写真は2018年に撮影したものですが、大阪駅の地下駅の工事が進んでいますが、地上部の工事はまだ始まっておらず、空き地ではサーカスの興業が行われていました。
それから5年近く経って、地下駅は完成、地上部の建築物の工事が着々と進んでいました。どんな街が出来るんだろうと、ワクワクする期間でしたね。もちろん、完成予想図は見ているわけですが、一刻も早く現実の街を見たかった。
それから1年、「グラングリーン大阪」が今月6日に先行オープンしました。大阪では大きな話題になり、連日、大勢の人が押しかけて、「うめきた公園」の芝生広場や水盤が見えなくなる程でした。暦は秋になっても、史上最悪の残暑が続く毎日ですから、芝生広場につづく水盤は子供達にとっては格好の水遊びの場所になりました。私もすぐにでも出かけたかったんですが、この人混みと暑さは避けたいと思って、時期を待っていました。ようやく、今月中旬の夕方、現地を訪れることができました。真っ先に向かったのは、あのSANAAが設計した、イベント広場の大屋根でした。
相変わらず、SANAAの建築は軽やかで知的で素晴らしいですね。遠くから見ても、内部に入って内側から見ても美しい。芝生広場に座って、大屋根の下で繰り広げられるコンサートや芝居などを見物するのも、きっと気持ちがいいだろうと思いました。まだ、「グラングリーン大阪」は半分しか完成していませんが、これだけでも十分に魅力的で、近くにある安藤忠雄さんの建築物や原広司さんの「梅田スカイビル」がさらに輝きを増したように思えました。私のような建築ファンにとっても、「うめきた」は聖地のひとつになったと思います。
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