大型特殊免許を申請しにいったときのお話
こんにちは。
雨の中、オーチャードグラスが歩道を遮るように垂れています。これを突っ切ったらジーパンがまあまあ湿ります。オーチャードグラスはいたずらっ子ですね。
さあ突っ切ろうかどうか、少し立ち止まって考えます。雨が傘に、地面に、水溜まりに、葉っぱに衝突する音が全部まじって聞こえます。
まず、突っ切って濡れるのは避けるべしという直感を得ます。まあそうですよね。ここで、僕は逆に考えます──突っ切って濡れにいったらどうなるか。そのまんま逆ですが、奇をてらうテラオの僕はあえて突っ切るのも悪くないという考えに至ります。
本当はピンとまっすぐ立って、光を巡る競争に誰にも打ち負かされることのないその高い身長を誇りたいのに、雨に濡れた穂先を支えるほど堅牢な組織を合成してこなかったがために、垂れざるを得なくなってみっともない姿を晒すはめに陥ったオーチャードグラスが腹いせにせめて道を遮るように歩道側に垂れてやって、前方不注意の通行人を濡らしてちょっぴり不快な気分を味わせてやると目論んでいるなら、僕はオーチャードグラスの思う壺にすっぽりとはまって楽しんでみよう、という考えに落ち着きます。大して濡れないだろうし。靴はもう中まで濡れているし。で、突っ切りました。多少濡れました。
運転免許試験場に来ました。丁度前日、大型特殊という免許の区分で自動車学校の卒業を果たしましたので、その免許を申請するためにオーチャードグラスを突っ切ったんです。
試験場に着いたのは9:00です。なにやら列が外まで伸びています。手に緑色の小さな紙を持って、「早く屋内に入りたい、なんで列が進まないんだ」と顔に書いてある人を僕は2人確認しました。そのほかの皆さんは無表情でした。「緑色の整理券をお持ちの方、お待たせいたしました。ご入場ください」というようなアナウンスが大きめの音量で何度か流れていました。自分の車で試験場に来た人には車で待機してもらっていたから、十分に聞こえるようにしていたんですね。傘を持っていないわけです。
さて、整理券はいづこで手に入れるのやらと観察していると、玄関で係りの人から赤色の紙を配っています。近寄ると、「更新ですか?入場制限を実施していますのでアナウンスがあるまでお車でお待ちいただけますか。」と噛まずに早口で話してくれます。僕は更新でも車でもありませんが、何も言わずに整理券を受けとりました。整理券を待っている人々に配布してもらうことを優先したからです。配布が落ち着いたら質問をぶつけました。免許の申請でも整理券に従うこと、車がないなら屋内で待ってもらうこととのことです。
ここからはさくっと描写します。赤い整理券を持っている人が呼ばれたら、僕はまず収入印紙を買います。3,800円かかります。次に質問表を記入します。次に視力検査をします。この検査のために僕はコンタクトをしていきました。スラスラと解答できます。口頭ではなく指で解答します。そして、最後に書類を窓口に提出します。
9:30に提出しました。で、新しい免許を受け取ったのは13:30でした。
その間、本を読みます。カール=ヘンリク・ロベール 『ナチュラル・ステップ──スウェーデンにおける人と企業の環境教育』です。これ、よいです。マクロな視点です。
新しい免許の写真は、髭や髪を伸ばしたままかつ眼鏡をかけて撮影してもらいます。その写真はここに載せません。僕と直接会ったら見せてあけます。
免許証の裏に、脳死した後もしくは心臓が止まった後に臓器を提供するかどうかの意思表示を記入することのできる欄があります。このポスターはその意思表示をしようと啓蒙するものですが、左の人が「意思表示すんのか~い!」と突っ込んでいて笑っちゃいます。
アルコール消毒液が逃げないように紐で結ばれています。
何日振りかの投稿でした。
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