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【総括】未成線 南勝線があったとしたら!?プロジェクト
2024年5月に立ち上がった南勝線プロジェクトは9月~11月に全3回のイベントを開催し、最後はキハ40系の汽笛とともに森の芸術祭応援企画としては一旦終了となりました。
市民の方の「やりたい!」という声にMANIWA BAUMが伴走して作り上げたこの企画をざーっと振り返ってみたいと思います。
第1回「令和に南勝線建設会議?!」
日時:令和6年9月15日(日) 13:16~16:33
場所:JR姫新線 美作追分駅 キリタローの館
参加者:13名(参加者一覧は別紙参照)
講師:小西伸彦先生(就実大学特任教授)
ゲスト:井伊哲也さん(JR西日本 津山運転区 運転士)
内容:
・小西伸彦氏による鉄道史・地域史を交えた国鉄南勝線の解説
・南勝線建設会議ワークショップ
・南勝線で販売された「かもしれない」駅弁企画会議ワークショップ
まさかまさかのJR西日本の現役運転士さんをゲストにお迎えしてのイベントになりました。
「鉄道好き」で集まった人たちは開会前から話に花が咲いていました。列車の到着・発車に合わせてイベントの開催時間を設定していたので、入ってくる列車に手を振って迎えます。
何も知らない一般の乗客の方は、真庭の端っこの無人駅にやたら人が集まり、満面の笑みで手を振ってくる様子をどのように受け止めたのでしょうか(笑)。
小西先生の講義にも興味津々で聞き入り、グループ単位で行った建設会議ではメンバー全員が思わず立ち上がって話し合いが進むグループも。「ダム湖に湖上駅を作る」「特急スーパーひるぜんを走らせる」「路線はデルタ線を採用」など、ロマンいっぱいの路線が引かれていきました。
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取りあげてもらった記事
第2回「南勝線の駅弁を食べた~い!」
日時:令和6年10月14日(日) 10:22~14:07
場所:JR姫新線 美作追分駅 ― 富原駅
参加者:10名
ガイド:小西伸彦先生(就実大学特任教授)
ゲスト:梶岡真吾氏(富原製茶組合)・池田浩規氏(勝山高校校長)
内容:
・美作追分駅―富原駅間 姫新線乗車体験
・小西伸彦氏による鉄道史・地域史を交えた沿線ガイド(姫新線乗車中)
・富原地区の紹介(梶岡真吾氏・池田浩規氏)
・南勝線で販売された「かもしれない」駅弁試食会とブラッシュアップ会
美作追分駅、美作落合駅などから各々乗車し、南勝線に乗った気分で汽車の旅を楽しみました。車内では小西先生による沿線ガイドが行われ、美作落合駅ができた” 我田引鉄” の秘密や月田駅周辺の手掘りトンネルの話などを実際に体感しながら聞くことができました。車窓から南勝線建設に向けて尽力された名士のお屋敷の場所を教えてもらう場面もありました。
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富原駅に到着し併設の集会所で、メイン企画である「南勝線弁当(仮)」の実食です。蒜山おこわをはじめ、湯原の温泉水で養殖したエビなど沿線の幸を詰め込んだボリュームたっぷりのお弁当を楽しみました。地元名産の富原茶は懐かしの「ポリ茶瓶」で配られ、まろやかなお茶を賞味しました。
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時間を持て余すかな~と思ってペーパークラフトのジオラマづくりができる準備などもしていたのですが、杞憂でした。好きなことに関する話ができる場で時間を持て余すことなんてないですね。
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取りあげてもらった記事
第3回「ありがとう!さようなら!南勝線 LAST RUN」
日時:令和6年11月24日(日) 14:22~16:48
場所:JR姫新線 中国勝山駅 駅舎隣スペース
受付人数:32名
内容:
・本プロジェクトの説明パネル展示、南勝線に関わるグッズ展示
・車両見送り用手旗づくり/南勝線架空駅の駅標づくりワークショップ
・南勝線廃線セレモニー
・廃線を伝えるニュース風映像の撮影
・快速「ハレのモリ」の最終便の見送り
未成線の妄想鉄として建設し、乗車したら最後は廃線にしなくてはいけません。(そうなのか?)
最後は廃線セレモニーという盛大なパロディ企画を、今まで参加してくださった悪ノリのわかる皆さんと一緒に、通りすがりの人も巻き込んで行いました。
廃線を伝えるニュース風映像(ウソメンタリーと呼んでいた)の撮影では参加者さんがノリノリで南勝線に乗った思い出(捏造)を涙ながらに語ってくれ、小西先生はセレモニーでプロジェクトの顧問という肩書をつけて贈る言葉を語ってくださいました。(わざわざスーツまで着てきてもらいました。)
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ラストランのヘッドマークやサボなどの捏造グッズも展示する中、唯一の本物「起点杭」が今回の目玉となりました。
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みんなで作った手旗と横断幕を持ってラストラン(に見立てた16:05発 津山行)を見送りました。ホームに30名を超える人が入ってのイベント実施、発車時の汽笛(結構長め)など、JR西日本さんにご理解とご協力をいただいて南勝線は無事廃線となりました。
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最後に森の芸術祭を締めくくるDEC700「ハレのモリ」のラストランも見送って、すべての企画を終えました。
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取りあげてもらった記事
(まとめ)個人の熱はみんなの熱へ
全3回でのべ55名、講師やゲストの方、メディアや関係者も入れると70名くらいがこの企画で動いてくれたことになります。
今振り返って、私が思い出すのはその場にいた人全員の笑顔です。
特に初回イベントなどはほぼ初めましての方同士なのに、心から打ち解けないと出てこない笑顔がありました。
ほぐれた心からは前向きな意見、ユーモアあふれるアイディアが出てきます。
楽しかったできごとは誰かにそのことを話したくなるので拡散力もあります。
個人の趣味を起点にローカル線の存続や利用促進にも触れることができました。その場で話し合うだけでなく、未来へつながる話としてメディアで取り扱ってもらうこともできました。
南勝線プロジェクトの最初の記事で「いつしか、超個人的だったはずの熱は、みんな(公共)の熱になっていく」説を推しました。
これってやっぱり間違ってなかったと思いません?
本当に大事なこと、難しいことに取り組むにはいきなり真面目にかじりつこうとしても、しんどいのでなかなか人の興味は引けません。(真面目がわるいってわけじゃないけど)
でも一見お遊びにみえるかもしれないことでも、「本気のお遊び」はちゃ~んと人の心を動かして、最終的に難題をもクリアしちゃえる力を持ってるじゃろう?と、「遊び」の苦手な大人たちにこの企画を見てちょっと伝わればいいなあと思っておりまする。
以上、現場より-疎外感からあなたを守る-池田きょがお送りしました。
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