最初は遊びのはずだったのに……
いや、「遊び」なんだけどな。
ということで、最初は軽い気持ちの遊びだったはずのものが、いつの間にか本気になってしまうという、 変な誤解を与えそうな導入で今回は始まります。
もともとこのプロジェクト、プロジェクトと呼ぶほど大げさなものではなく、余った模型の部品を棚卸して、使い道がなさそうなもので暇潰しでもしようという、本当に軽い気持ちの遊びでした。
その結果、2つのガラクタ……もとい、キメラが生み出されてしまいました。
ひとつは車体下部がないIV号戦車J型の車体と、使い道がないパンターD型の砲塔を戯れにくっつけたもの。
もう一つは破損しているIV号戦車D型の車体下部(写真は仮修繕したもの)と、ロケットモデルズのE-50シリーズで余った足回りのパーツ。その他諸々。
前者はIV号の車体下部やOVM(車載工具類)がないと形になりません。
後者は上屋に相当する部品がないと形に出来ませんしそれらしく履帯を巻くにはパンターの起動輪が必要でした。
そして残念ながらこの二つを合体させてもイメージが合わないのです。
そんなわけでこのキメラたちは放置され、おそらく完成しないだろうと自分でも思っていたのです。
が、なんか前者のはパーツさえあればそれらしく仕上げられそうな予感が消えません。
後者もやりようはあるけど、まずパーツの問題を解決しなければいけません。
さしあたり前者は一つキットを買えば必要な部材が揃います。
(思えばこの辺で遊びが本気に変わった頃合いですが)しばし考え……
IV号の部品を手に入れるため、IV号対空戦車ヴィルベルヴィントを買ってしまいました。
失効しそうなポイントを投じたので手出しはそれほどかかっていません。
他のIV号にしなかったのは、対空砲はいずれ何かに使えるだろうという算段と、既にIV号の砲塔が余ってるのでこれ以上増やしたくない。そして何よりヴィルベルヴィントは安かったのです。
部品が揃ったことでいきなり作業が進みました。
また車体を製作するのと同時に、接着しただけの砲塔は溶接を施したような効果を出すため、クラフトボンドを隙間に充填して敢えて継ぎ目をガタガタに。
継ぎ目の溶接風の加工は下地にガンメタルを塗り、その上からベース塗装のダークイエロー2を塗布。
継ぎ目の上はできるだけ塗膜を薄くすることを心掛けます。
この時点では想定以上に消えてしまいましたが、まあ今はよしとします。
日を改めて迷彩塗装を行います。
ドイツ陸軍の迷彩塗装にはダークイエローをベースにダークグリーンとレッドブラウンによる3色迷彩がありますが、本来はエアブラシでやった方がいい感じの境界がぼやけたパターンです。
しかし資料ではややくっきり目のパターンも見たことがあったので、筆塗りとしてはそれを目指してそれらしく色を置いていきます。
ちなみにダークグリーンは切らしているので、近似色として本来は帝国陸軍の戦闘機あたりに使う濃緑色を使用しました。(グリーンを濃くしたい意図もあったので)
ベースになるダークイエロー2が思った以上に明るいイエローなので、敢えて足回りは暗い印象にしたいと思い、転輪はジャーマングレーで塗りました。
やりすぎかなとは思いましたがまあ悪くないでしょう。
なんかやったことあるような、と思ったら過去に製作したIV号戦車J型でも足下を暗くしたくて暗緑色で塗ったという前科がありましたっけ。
ちなみにこのときは濃緑色とカーキでIV号らしくない色で塗ったのでした。(大洗のマークは戯れに)
余談ですが今回余ってたIV号の部品はタミヤIV号戦車D型をディティールアップさせたものを作りたくて、アーマーモデリング誌の記事を真似たミキシングをした際の余りなのです。
入手したD型のパーツが破損していて所定の部品が手に入らなかったのと、工作能力が足りず路線変更の挙げ句に「継ぎ接ぎIV号」と名付ける羽目になります。
言うまでもないかも知れませんが、もう一つのキメラもこのときに余った部品の成れの果てといえます。
閑話休題
そうこうしているうちに緊急事態宣言が解除され、家にいられる時間も残りわずかになりました。
せめて最後の仕上げの手前までは進めねば。
履帯の取付、その他取り付けていなかった部品の固定と、細かな部分の塗装を進めます。
結局細部の塗装は間に合いませんでしたが、先にデカールは貼りました。
予備履帯を後部に取り付けた際、バルケンクロイツとの位置関係がいい感じに収まってくれました。
そして途中まで忘れていた溶接部分の仕上げです。
上からデザインナイフでこすって塗膜を剥ぎます。
あまり力を入れすぎるとクラフトボンドが剥がれたり破れたりするのでまあまあ気を遣います。(所詮は木工用ボンドみたいなものなのでヤワいのですよ)
もうすこしハゲちょろな感じで見えるのを想定してましたが、想定していたよりもいい感じになったと思います。
ちゃんと金属光沢が見えてくれたので安心しました。
この作品は「IV号突撃砲“豹”(仮称)」と名付けていますが、いずれ遠くないうちに仕上げを行う予定です。
再び余談ですが、今回ヴィルベルヴィントを購入したことで余る部品が出るわけですが、それを使ってこんなことに。
上屋がなかったもう片方のキメラにひとまず上屋を付けることが出来ることに。
まだ仮組みですが、車体下部はこの車体上部が乗せられるように加工を施しました。
足りていない部品が届き次第、造作を進めることになります。
このキメラは更にIV号の外観からは外れていくことになりそうです。
先の継ぎ接ぎIV号を製作した際にいずれIV号戦車H型を製作することを見越した部品スワップを行っていてキットも用意しているわけなので、いずれまたIV号を作ることになります。
今回の戯れを通じて、自分はパンターが好きなのだと思っていたけど、どうやらIV号のほうが好きらしいということに気付いてしまいました。
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