今まで制作したAI漫画を振り返って

はじめまして。
生成AIを使って創作活動をしているまにまにと申します。

これまで制作した作品は絵本、画集、短編小説、楽曲などがありますが、最近は漫画作りをしていることが多いです。

↓過去にKindleで出版した漫画


私が画像生成AIを使って漫画づくりを始めてもうすぐ1年が経ちます。
そこで今回は、私が漫画を制作している中で思ったことや感じたことを、作品を振り返りながら書いていきたいと思います。いわゆるブログみたいなものなので、AIを使った漫画制作テクニックみたいな記事ではないので、あらかじめご了承ください。

一年前、私が「画像生成AIを使って漫画を作ってみたい」と思い、初めて取り掛かったのは人間とAIロボットの生活を描く『AI to I』という四コマ形式の漫画でした。

四コマ形式にしたのは、画像生成AI(特にjourney系)は細かいポーズの指定や二人以上の人物を指定して出力することが苦手なため、四コマ形式ならある程度表現の幅が限定されるので可能なのではないか、と思ったからです。

しかし、実際に制作を始めてみると、狙い通りの絵が出力されないことの連続で、毎日とても苦労しました。
作画もそうですが、ストーリーや漫画的表現、セリフを考えることも本当に難しく、世の中の漫画家の方達の偉大さを感じる毎日でした。

『AI to I』の最終話は少しだけ一般的なコマ割りにも挑戦し、その後は一般的なコマ割りの漫画を作り始めます。
はじめに『かがみの世界』という漫画が出来上がりました。

続いて『セイテンカン』、『トークアプリENA』という漫画を制作するのですが、絵的に「漫画っぽくない」感じがどうしても拭えませんでした。それもそのはずです。前述した通り、画像生成AIは人物の動きや表情などの表現の幅が限られており、漫画っぽい絵が得意ではないからです。プロンプトである程度調整は可能だと思いますが、やはり出力される絵の「1枚絵」感が抜けません。

使用する画像生成AIをStable Diffusionなどのローカルモデルに変えて、プロンプトをもっと極めればなんとかなるのでは…などいろいろ考えたのですが、結局「niji journeyの絵柄じゃないとヤダ」という自分のわがままを貫くことにします。

そして私は、手描きのタッチを完全に再現しようとするのではなく、逆に、画像生成AIにしかできない表現はないだろうかと考えました。
試行錯誤の末、出来上がったのが写真をテーマにした青春物語の『マスターピース』という漫画でした。

こちらの漫画は、niji journeyの漫画風な絵で人物や背景を作画し、作中に出てくる写真をMidjourneyで生成する、という形式で制作しました。漫画的な表現がうまくいかなかった部分も多々あるのですが、おおむね自分のやりたいことができたという実感はありました。

その後、四コマ漫画や短編漫画をいくつか制作し…

直近では、絵の才能をもった少女の儚い人生を描いた『アポロン』という漫画を制作しました。

『マスターピース』では「漫画的表現と実写的表現の組み合わせ」を試み、『アポロン』は「漫画的表現と絵画的表現の組み合わせ」を試みています。自分の表現したいことがなかなか上手くいかず、一度途中止めにしていた作品だったのですが、公開後、予想以上に多くの方に読んでいただいて、とても嬉しかったです。

ちなみに、ストーリーはどの作品も自分で考えており、今後も話やセリフ自体は自分で考えると思います。なぜなら、話も絵もAIに任せてしまったら、作っている私自身がおもしろくないからです…。


ということで、ひたすら漫画のことを考えていた1年でした。
話が思い浮かばなかったり加筆が上手くいかなかったりして絶望することも多々ありましたが、どの作品も作ってよかったと思います。
読んでいただいた方からの感想に目を通した時、特にそれは強く感じました。

と同時に、niji/Mid journeyと加筆のみで行う作画スタイルに少し限界を感じてきている現状もあります。私の中の漫画像を実現しようと思うと、どうしても現状の作画方式では手が届かない部分が多く、やり方を大きく変えるべきか、それとも、漫画以外の別の手法も試してみるべきなのか、などなど頭を悩ませている毎日です。

次の作品はどういう形になるかわかりませんが、また近々何らかの形でお披露目できればと思っています。ここまで読んでくださって、どうもありがとうございました。それでは。

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