とりとめなき85
一. 会社でも家でも、先行きの不安云々のお話が飛び交っている。大変ツマラナイ。
二. こういうときにつげ義春は効く。善し悪しは別として旅に出たくなる。
三. 果たして自身が純粋な意味 ─世間からの離脱という文脈─ で旅に出たことがあっただうか。
四. "未来"なるものは常の連続した、即ち日常の先でしかない。転じて、日常の外側にある"旅"においては、過去はあれど未来は無いというワケである。
五. 純粋なる旅といふものは場所をはじめとする彼是を-することを指すのではなく、畢竟自らを-することをいふのである。当然、そこに未来なぞないのは(四)の通りで、他より独立した個人においても同様、過去はあれど未来はない。
六. 日常の外側とは、独立存在としての私である。
七. "新たな彼是との接触"は"新たな自身との接触"に他ならぬ。前提条件は前者の"接触"に「純粋な─」に準ずる枕詞が存在することであらふ。
など。