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あなたの中にもジェンダーバイアスありませんか?
はじめに
近年LGBTQ+やジェンダーバイアスという言葉が世の中に広く知られるようになった。しかし、言葉の意味を理解していても自分の中に偏見がないとは言い切れない。
私たちは育ってきた環境や経験から無意識のうちに偏見を持ってしまっている可能性がある。例えば、女の子は赤、男の子は青や家事は女の人がやるもの男の人が働くものなど。これらの偏見を持つことによって個人の自由や権利を侵害してしまう場合がある。誰にでも無意識に抱いてしまっている偏見はあると思うので、それに気づくことが大切であると考える。そのため、今回調べることによって偏見に気づくきっかけにしたいと考えた。
あなたの中にも潜むジェンダーバイアス
まず、こちらの文章を読んで何を感じるでしょう
ある日、交通事故が発生。
運転していた父親は即死。
同乗していた男の子は頭を強打し、意識不明の重体。
男の子はすぐに病院に運ばれ、担当医の判断で、すぐに脳切開手術をすることになった。
幸い、その病院には脳外科医として世界的にも著名な医者がおり、その医者が執刀することに。
しかし手術室で患者を見てその医者は言った。
「・・・私の息子だ。私には手術できない。」
さて、皆さんは、この子供と脳外科医の関係、さらには「父親」とその脳外科医の関係を答えられるだろうか。(sports for school より抜粋)
答え.脳外科医は子供の母親
世界的に著名な脳外科医=男性という固定概念が働いてしまうと答えられないクイズであった。
あなたの中にもジェンダーバイアスはないだろうか?
ジェンダーバイアスとは?
ジェンダーバイアスとは男女の性差によって生じる格差のこと。
例えば、お茶くみは女性の仕事である、外回りは男性が向いているなど。
女性だから〇〇男性だから〇〇という考え方。
問題点
・労働環境や雇用面の格差
・教育格差
・賃金格差
・人権問題
ジェンダーバイアスの現状
ジェンダーバイアスをはかる指標のひとつであるジェンダーギャップ指数。2024年度の発表で、日本は146カ国のうち118位であり、低い順位であるといえる。昨年度の125位から順位をあげたが、先進7カ国(G7)では変わらず最下位という結果に留まっている。特に「政治」「経済」の分野での格差解消が進んでおらず、女性議員、女性管理職の少なさや、所得格差などの課題が進展を阻んでいると評価され、ジェンダーバイアスが解消しにくい状況となっている。(プランインターナショナルより引用)
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対策例
ジェンダーによって区別することによってジェンダーによる問題が生じるため、ジェンダーレスという考え方が広まりつつある。
ジェンダーレスとは、社会的な性別によって作り上げられた男性像、女性像のような性別で区別する概念をジェンダーを呼び、ジェンダーレスとはこれらで区別しないこと。
ジェンダーレスに関する活動を行っている企業
1.O0u(オー・ゼロ・ユー)
サステナブルに関心のある層をターゲットにしたファッションブランド「O0u(オー・ゼロ・ユー)」は、ジェンダーレスな服を多く取り揃えている。
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例えばこちらのニットカーディガンは性別を問わず着用できるが、なんとワンサイズ展開。肩幅が狭い方が着用するとAラインのようなシルエットになる一方、肩幅の広い方が着るとストンとしたストレートシルエットになります。O0uのオンラインショップでも男女両方のモデルが同じ服を着用している。
誰がきてもその人の個性に合わせて魅力的に着られるように工夫が施されている。
2.雪肌精
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かつては女性のものというイメージが強かった化粧も、今は性別を超えて広がっている。メンズコスメ市場は過去15年に渡り拡大傾向にあり、2022年の市場規模は2007年と比較して約1.4倍に拡大している。
その筆頭であるのが雪肌精である。
このように男性の化粧が広がる背景には、世の中の価値観の変化があると考えられます。例えばそれは、広告の変化からも見て取れる。
こちらは雪肌精の広告で大谷翔平選手が起用されている。皆さんもCMやポスターを見かけたことがあるのではないだろうか。
長年女性の新垣結衣さんがイメージモデルを務めていましたが、2023年から大谷選手に代わっている。
かつては浸透していなかったメンズコスメが今、市場の中で存在感を高めている。「男性は化粧をしないのが普通」といったこれまでの固定観念は若い世代を中心に人々の中から解放されつつあると言える。
まとめ
ジェンダーによる区別は、本当はスカートが嫌いだけど女子だから履かないとや本当はメイクがしたいけど男子だからしてはいけないかななど個人の想いの実現を阻むことがある。一人ひとりが持つ想いに寄り添った商品開発やマーケティングが、今後企業に求められると感じる。
そして社会全体でジェンダーバイアスをなくしていくためには一人一人が自分の中にある偏見(ジェンダーバイアス)について知ることが第1歩になる。
みなさんも自分の中にあるバイアスに気づくために自主的に行動していくことが重要である。
参考文献
・朝日新聞SDGs ACTION
・オー・ゼロ・ユー公式ホームページ
・雪肌精公式ホームページ
・ジェンダーバイアス|SDGs~小さなことからコツコツと~
・Global Gender Gap2024
https://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2024.pdf
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