朝が来る
太陽が出る
光が訪れる

黒が白になり
黄色になり
赤になり
また黒が訪れる


鳥が鳴く
朝だと鳴いているのか
夜が終わったと鳴いているのか


それは始まりでもあり
終わりでもある


希望だと言う人も
絶望だと言う人も

光によって
影ができる

一人の朝も
二人の朝も
同じ朝


夜のうちに思い描いた
人生のスイッチをきろうとする決断を
いとも簡単に
打ち砕いてくれる朝

夜にかけられた魔法で
物語の主人公になれたのに

朝は突然にきてしまい

ガラスの靴はスニーカーに
南瓜の馬車は自転車に

真実が明るみになり
綺麗な嘘は
汚い嘘へと


光があるから
影がある

夜のために朝がある

朝は始まりではないのだ

物語が始まるのは
いつだって夜なんだ

一日の始まりはつまり

朝ではない
夜なんだ

朝は一日の終わりである

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