使命を帯びた生き物
前に、お坊さんが言っていたことがある。
人の霊はまだいい。動物霊は大変だと。話が通じないからと。
私はある程度仕事をしてきてこう思う。
死霊より生霊の方が、そして、人より使命を帯びて生きているペットの方が大変だと。
ひとつお話として、動物霊を私は2種類に分けている。一つ目は純粋な動物の霊。そして、もうひとつ目は有象無象がくっつきまくって動物のような形をなした霊だ。
よく心霊番組で出てくる動物霊は後者に当たると思う。
今回の話は前者の、しかも生霊の動物の話だ。
ペットというのは、個人の課題と同時に、使命を帯びてくることがある。
それは生まれた時から決めている子もいるようだし(神様?とかに言われたのかもしれないし)、飼われている間に決めた子もいるようだ。
ただなんとなく幸せに生きているように見えて、家を守っていたり、家族を幸せにするために来たりしている子は多いと思う。
我が家のサポート猫なども、もちくんのように最初からそうだと決めているように思える子もいれば、途中からそう決めたと思われる、コメみたいな子もいる。
まつりは多分、家を守りながら家族を守っている。
説明はこの程度で。
それの何が大変か?と言われれば、ペットたちは、ものすごく素直なのだ。
真っ直ぐに、それを遂行しようとする。
たとえそれが叶わなくても、なんとか叶えようとする。
それがその家の中だけならまだ良い。
今回は、家の外に来ているから困っている。
要は、人を、自分の元へ連れ出そうとしているのだ。
物事は複雑に絡み合ってさまざまな因果を生み出す。そしてその糸を解いたり断ち切ったりすることも可能である。その意志を持って、適切な行動を取れば。
ただ、その絡み合ったままのときの使命を帯びた子が、その糸が解けた後もなんとかそれを叶えようと躍起になっていたら?
人ならば理解できるかもしれない、ただ、相手はペットだ。動物だ。使命のために、役割のために、愚直なまでに叶えようとする。
当然、人側にも、その人を守る側にも、きっと本動物にも負担が相当かかっている。
先程、馬頭観音様にお願いしてきたが、どうなることだろうか。
願わくば、その使命は今しようとしていることを遂行しなくても、叶うことなのではないかと感じる私の読みが当たっていて欲しい。
生まれてきたのならば、幸せに生きて欲しいのだ。
それが誰であれ、動物であれ。
無益なことに、しがみ続ける必要はないのだから。