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約束

本日は朝キャバで働いたあとはある区の有形文化財であるお寺さんで駐車場係
1600年から歴史のあるところで檀家さんも裕福なのか落ち着いた感じの良い方ばかりで素敵な職場
駐車場係は予約のお客様やの車の誘導がメイン
今日も色々な檀家さんを誘導
お昼過ぎに白い綺麗なベンツが入ってくる
全てがピカピカで新品感がすごい
初心者マークがついていて中には六十代後半かなというお姉さん
こちらに入れて下さい指示をするとうなずいていたが
進入角度的に入らないなー
と思ってたら案の定入らないない
もう一度切り返して入れようとしても要領えない感じで他の車に当たりそう
前の自分なら下手だな、外に出ちゃダメだよとか乗れねーのにこんなの買うなよとか思ってたかもしれない

今は仕事という事もあるけど
何より相手の緊張を早くとってあげたかった

全て誘導してあげなきゃと思って声をかけたその時
お寺から10人くらいの家族が出てきて車の脇を通ろうとする
その家族は車椅子の人もいる上に子供が3人くらいいて走り回ってるし、他の人も広がって歩いてるのでお姉さんの心理的プレッシャーが伝わる
難易度上がったな〰︎
今は動けないなと判断
手で止まって下さいと指示した時に
後方からエンジン音がする
振り返ると
駐車場に2台車が入ってきた
なるほどね〰︎神様は初心者に試練を下さるな〰︎と思った
お姉さんを見ると周りをキョロキョロして軽くパニックなのがわかったので
まずは人を誘導して
2台を先に駐車させた
お姉さんの運転席の横で外からハンドルの位置と角度を伝えながら駐車に導く
安心したのが伝わりおれも安心
教えには素直にしたがってくれたので駐車は完了
出てきたお姉さんが言ったのが
「ありがとう、助かりました、免許とりたてでね」
ぼくは
「そうなんですね、それは大変ですね、車綺麗で素敵ですね」
というと
「ありがとう、実は運転する予定の人が買ってすぐ亡くなってね」 
「そうなんですね」
「はい、たくさん色々なとこに行こうと約束してたんですけどね、行けなくなっちゃいました」
「それは寂しいですね」
「そうね、だから大至急免許とって私が乗っての、全然なれない」
「その内なれます、大丈夫ですよ」
「ありがとう」
僕はそれ以上言葉が出なかった
形見のベンツ、どこに行く予定だったんだろうか
お相手は先に宇宙に溶けた
残されたのはお姉さんと形見のベンツと約束

お姉さんがお寺の中に入る後ろ姿を見送るぼくの頭には
沢田知可子さんの"会いたい"が流れてた(知らない人はごめんなさい、聴いてみて下さい、泣けます)

人はいつ亡くなるかはわからない
一寸先は闇なのが人生だなと改めて思いました
だからこそ
今の命は積極的に燃やして明るく生きなきゃとも思えました
やっぱり生きてるだけで丸儲けしかないなと心から感じたし
この職場に出逢えた事に感謝しました

当たりまえだけど
尊い事実は

僕らは死ぬまで生きる

なのに生きてるのに死んでるような日々をすごしてた
誰かの目を気にして、失敗恐れて、勝手にできないと決めたり、いつかという絶対こないタイミングをはかったりしてた

しっかり今この瞬間を生き切ろうとまた思えました

全ての出来事は必要であり、学びのチャンスとまた思えました
そして結局思います

何があっても
余裕大丈夫これからだ

追伸
自分の気持ちに素直になるには
今しかない
過去も未来も他人も
自分には変える事はできない
自分が変えれるのは今
永遠に続く今しかない
体験しよう、今を

おやすみなさい

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