名刺にこだわることを進める理由 |2
名刺交換は緊張します。名刺ひとつでいろんな情報を知ることができると考えているからです。企業や団体に所属している方の名刺は非常にシステマチックなので情報だけしか拝見しません。それに比べ大小様々な起業家の方は、ご自身で名刺デザインを決められていることが多いからです。
そこでデザイナー目線として感じていることをお伝えします。
1.渡し方 マナーについて、人となりが伝わります
2.拝見する 名前、役職、どこが拠点かが読み取れます、所属
3.センス 好みを知る、何を大切にしているかを知る
1.は自身が未だにスムーズにできないので、未熟者な気します。ここはさらりと流してしまいます。
2.大体、交換相手から拠点や名前などご興味があるものから話を広げてくださいます。
3.ここはいろいろなことが読み取れます。
○自分を大切にしているか、他人を大切にしているか
○お金の使い方
○どんな交流関係があるのか
○どんな営業の仕方をしているのか
○自分の魅力を知っているか、知らないか
○デザイナーに発注したものの受け身で作っていないか
○次のステージに向かっているか
○保守的
○エンドユーザーのターゲット層
○性格の予測
○営業が得意か不得意か
○感度が高いか低いか
○安定志向か向上志向か
もちろん、一部のみしか読み取れませんが、会話のきっかけにさせていただいています。全部読み取って、人の心をずかずか入るつもりはありません。数分話す中であまりにもその方の魅力が伝わってこない名刺については、デザイナーとして興味があるのですがとお断りをした後に「どうしてこの名刺を持っているのですか」として聞いてみます。
そうすると事情が見えてきます。
○予算がないから
○自分で作ったから
○デザイナーにお任せしたから
もし、渡すのが恥ずかしいと感じて渡しているなら次の印刷のタイミングかいますぐ変えることをご検討ください。場合によっては、営業の妨げになっている可能性もあります。
名刺のことばかり書いているので、自身の名刺はどんなコンセプトで制作しているかといいますと
○名刺交換の時に会話のきっかけになるものを入れている
○営業は不得意なので、印象に残るものをアイキャッチに
○印象をやわらかくしたいので手触りがいい紙を使用
○名刺サイズを工夫をしないことでスタンダードな仕事をベースにしていることを表明
○書体は自分好みでなく、ソフトな印象の書体を選択
○緊張感のないデザイン
見る人から見ると若干ださいのではないかなと思います。仕事がエッジの利いた作家性の高いデザインをしているのでしたら、そういった印象のデザインをしますが、ヒアリングしてクライアント様の状況に合わせたデザインをしている内に自分を演出するより「自分=」といった印象になるように仕上げるようになりました。
自分の名刺ですら、こんな状態なので、ブランディングの一貫で制作しないと意味がないと気がつき、これからは名刺制作は単体ではご依頼を承らないことにしました。
名刺の依頼をしているのに…といった方は、いましばらくお待ちください。
名刺のあり方も変わってきています。今後はデジタル名刺のデザインにもこだわった方がいいかもしれませんね。
たかが名刺、されど名刺。
小宇宙な名刺。箱庭な名刺。
デザイナーにとって、問い合わせが多くて、一番プレッシャーな仕事についてお伝えしました。