麻雀協奏曲
昨日(12/24) 関わりのあるグループで忘年会があるということで、前日の晩に「よかったらお話屋してくれない?」というメールが来て急遽パフォーマンスをしてきました。
そこで生まれた創作話の記録です。
※即興パフォーマンス「お話屋」はその場にいる人、人たちと一緒に、その場限りの物語を作る表現です。
☆☆☆
20人くらいの人がいて、とりあえず「クリスマスといえば?」というテーマからスタートしました
登場人物は4人
・山本さん
40代の男性。知的で頭の回転が早い。
・丸山さん
40代の背の低い丸顔の男性。
・王(ワン)さん
40代。5年前に中国から日本にやってきた留学生。片耳が聞こえ辛い。
・きょうこさん(仮名)
実際に会場にいた女性。
東京は国立のアパート「六ヶ荘」に集まった4人。年に1度は会う仲の彼らが集まったのはクリスマス🎄みんなで麻雀をする予定。
王さんは中国出身で、この日の麻雀をとっても楽しみにしてた。
ジャラジャラ ジャラジャラ
2時間くらい打ってると、年末ということもありそれぞれ、ポツ ポツ と話し始める
山本さん「今の会社ではそれなりの地位で仕事してるけどさぁ、責任押し付けられたり、部下の教育したりとかばっかりで、新卒の時にやりたかったはずの仕事、できてないんだよ......丸ちゃんはイラストレーターやから、気ままに仕事できていいよなぁ」
丸山さん「いや、そんなことねぇよ!自分の描きたい絵だけで飯食えたらいいけどさぁ、ニーズに応えてやらなあかんことも多いし、思ってるより自由ちゃうで」
きょうこさん「まぁまぁいいじゃない〜、今日はみんなで楽しく麻雀してさぁ〜、また来年もみんな健康でがんばってこうよ〜〜」
みたいな会話も出ますわな
ふと見ると、王さんがめっちゃ険しい顔をしてる
あれ、王さん、麻雀楽しみにしてたんだよね?どうしたの、そんな顔して......
すると王さんは今抱えてる悩みを話しました。
***
Q.あづき「どんな悩みだと思いますか?」
A.『中耳炎』
***
王さん「ワタシ、中耳炎でツラくて、薬飲んでもナオラナイの......」
これは困りました。
せっかく楽しみにしてた麻雀、中耳炎のせいで楽しめなくなっていました。
どうにかしたいと思ったメンバー。
すると、丸山さんがこう言いました。
丸山さん「あのさ、ネットのまとめ記事で見たんだけど、耳元でおっきな声で「ポン!」って言うと、中耳炎治るらしいよ」
よし、それだ!
(注:「ポン」とは麻雀中にとあるタイミングで発声できる言葉のひとつ)
「ポン!」のタイミングを今か今かと待つ3人。
そしてついに、そのタイミングがきました!
が、
みんな王さんの中耳炎を治してあげたい一心のあまり、本来なら1人しか言えないルールの「ポン!」を全員同時に言ってしまいました。
「「「ポン!!!」」」
そのあまりの声のデカさに、王さんはビックリして気絶してしまいました。
4時間後
王さんは目を覚ましました。
果たして、王さんの中耳炎は治ったのでしょうか。
***
Q.あづき「中耳炎は治ったでしょうか?治らなかったでしょうか?」
A.『耳が聞こえなくなった』
***
とんでもないことが起こりました。
なんと、王さんの耳は聞こえなくなってしまったのです。
謝っても謝りきれません。
良かれと思ってした行動が最悪の事態を招いてしまった。
どうしよう どうしよう どうしよう......
すると
窓の外から
「ポンッ♪」
という音がしました。
4人が窓の外を見ると、なんとそこには麻雀牌の精霊たちが、大行進をしながら六ヶ荘の周りに集まっていたのです。
「ポンッ♪ポンッ♪ポンポンポンッ♪」
丸山さん「あ!これもネットのまとめ記事で読んだことがある!!麻雀を愛する人のところに麻雀神がやってきて、不思議な力を使うって!!!」
全ての麻雀牌霊たちが揃うと、彼らは整列を始め、役満を作り始めました。
「国士無双!」「九蓮宝燈!」「大三元!」
点数がうなぎのぼりに加算されていきます。
(注:麻雀では「役」と呼ばれる形の希少さで点数が上乗せされます。役満は、役の中でも最上位の役。)
点数が百万点に届いた瞬間、天から光が差し込み、辺りを包みます。
キラキラァ✨
ピカッ とした一瞬ののち
王さんの耳は聞こえるようになり、中耳炎も治りましたとさ。
おしまい
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