第9回「『SCP-682 - 不死身の爬虫類』後編」【余談だらけのSCP解説】
皆様、こんにちは。
SCP財団日本支部サイトメンバーのマンガンです。
前回から『SCP-682 - 不死身の爬虫類』を紹介しています。
今回は682を終了させるための実験の記録『実験記録-T-98816-oc108/682』の中から一部を抜粋して紹介します。
実験記録-T-98816-oc108/682
SCP-682に対するSCP間の破壊試験
SCP-682の持つ高い攻撃性、適応力、および知能により、O5クリアランスによる破壊試験が命令されています。免疫発達 (SCP-409の失敗によるもの) の可能性および適応可能性に由来する主な懸念により、全ての試験は先にSCP-682から採取した体組織標本で実行しなければなりません。このステップはO5司令部の命令を待つ必要はありません。
これは『実験記録-T-98816-oc108/682』の冒頭に書かれている文章です。
682が409に対して耐性を持ってしまったため、682本体で実験を行う前に、682の対組織のサンプルで実験を行うことが書かれています。
アイテム: SCP-173
体組織による試験の記録:
該当なし、O5███████により免除
破壊試験の記録:
SCP-682をSCP-173収容エリアへ誘導。SCP-682は金切り声をあげ、SCP-173を凝視しながら、対象から離れるように収容室の壁に張り付きました。SCP-682は一時も目を離さず6時間のあいだSCP-173を凝視し続けました。大口径スナイパーライフル装備のエージェントを複数名投入、SCP-173およびSCP-682の観測を停止すると同時にSCP-682の両目を狙撃。
観測を再開後、SCP-682は床に降りており、頭部、首、脚部に数カ所の損傷が確認されました。SCP-173の手にあたる部分にSCP-682由来の組織の付着を確認。SCP-682は速やかに損傷箇所を復元。別の壁へ移動する間に体表に複数の眼組織を形成。眼組織表面は薄く透明な装甲組織の”ふた”で覆われています。SCP-682はSCP-173の監視を継続。エージェントおよび財団職員はさらなる妨害の努力にも関わらず、さらに12時間が経過。SCP-682にSCP-173収容エリアからの退出を許可、SCP-682収容エリアへ再収容されました。
メモ: 実験結果のレビューを行ったが、物理的な体格差があるためSCP-173はSCP-682に致命傷を与える事はできないと結論。SCP-682がSCP-173と同程度にまで質量を減らすほど損傷を負う事があれば、再試験の可能性あり。
173による682の終了が試みられました。
実験開始から6時間もの間、682は173を凝視。
エージェントによって682の目に狙撃が試みられました。
その後、173は682にダメージを与えられたものの、682は即座に回復。
しかも、体表に複数の目が出現し、狙撃されないように透明なふたでおおわれてしまいました。
アイテム: 高度からの落下衝撃
体組織による試験の記録:
O5-██により却下
破壊試験の記録:
試験はO5-██により却下
メモ: 正気かい? 私はそうとは思えないね。航空機からヤツを放り出して落とす……誰が[データ削除済]
そりゃあ、落下したぐらいで終了できたら苦労しないですよね…
アイテム: █████W ██████████レーザー切断
体組織による試験の記録:
体組織標本が鏡面化を終えるまでの間に13回切断することに成功しました。
破壊試験の記録:
複数回の試みの後、T+7:13時間の時点で、SCP-682の本体を質量が同等な2つに両断することに成功しました。死体の破片は部屋から除去されましたが2つ (以下 SCP-682-A、SCP-682-B) が再生しました。おそらく攻撃を見据えた上で、回復期の後、SCP-682-AおよびBはエリアを見渡し互いを評価しました。内部構造の変化を示唆する表面の変化が見られましたが、全ての外部の変化は十分に説明出来ないほど急速に発生し消えました。両方の個体の表皮、脊柱、前足に高エネルギー生物発光器官の形成が見られ、それらのほとんどは発生後に脈動し、数秒のうちに再び消失します。
T+35:42時間の時点で、SCP-682-AおよびBは同時に床に崩れ落ち全ての生命反応が消え、この状態がこの後48時間続きました。T+48時間の時点で、SCP-682-AおよびBをさらに処理しやすい破片に切り分けるためレーザーが再び使用されましたが、実験対象の肌にビームが反射されたため施設への小規模なダメージの発生を引き起こしました。脱走の可能性の増加にも関わらず、A、B両方とも静止し続けているため、Dクラス職員が部屋に放たれました。彼らが入ると即座に[データ削除済]。
観察設備の技術的不全と試験室の突破が外部から検知され、保安プロトコルT-98816/682-N147が発動しました。███人の保安職員と███人のDクラス職員、[データ削除済]博士を含む██人の研究者を代償に収容は再び成功しました。試験エリアの大半は再利用不可能と考えられ、再建のため取り壊されました。実験監督者の█████████博士は監察室の外部で意識不明の重体で発見されました (████年██月██日の██████医療記録を参照)。医療スタッフは博士をエージェント██████の聴取を受けられるようになるまで回復させることに成功し、すぐさま彼は厳しく叱責され[データ削除済]。
メモ: SCP-682が1体のみ残骸に囲まれた封鎖エリアで発見されました。これは予測された50%ではなくほぼ完全な質量 (施設内に散乱した体組織の質量は喪失分を説明できます) のようです。█████████博士の証言によればSCP-682-AおよびBは脱走後に高度な協調を示したが、SCP-682-Bが保安職員により重傷を負うと、即座に682-Aにむさぼられ吸収されたとのことです。SCP-682の1体の完全な消失は極めて実現性の低い事象とみなされ、研究の中止が命じられました。 エージェント██████
メモ: 我々がこれをもう一度試せと勧めることは決してないという実務的な理由により、SCP-682が2体に分離している間単一の意識を保ちつづけたのか、それとも外部からの力で拮抗が解消されるまで2体それぞれが協力することができたのか知りたがっている部署は多くあるだろう。 - ノアキイェウム博士
レーザーによる682の切断も試みられました。
最初の切断で682は2つに両断され、その後両方が再生。
その後生命反応が消えたのち、細かく切り刻まれましたが、回収のためにDクラスを部屋に入れると、682は脱走。
数百人以上の職員の犠牲のもと再収容が行われたようです。
アイテム: 60メガトン級熱核爆弾
体組織による試験の記録:
N/A
破壊試験の記録:
試験はO5-█により却下
メモ: SCP-682を半径300キロメートルにわたって第3度の火傷をもたらす爆弾の爆心地に置くのがいいアイディアと考える者がいるかもしれないが、生存の見込みがある限り承認することはできない。そう、核兵器は驚異的だ。しかし682が生き残り適応すれば、我々は想像以上の被害を被るだろう。 O5-█
上空からの落下と同じく、核爆弾も却下されてしまったようです。
O5からはリスクとリターンが釣り合っていないと判断されたようです。
アイテム: SCP-689
体組織による試験の記録:
O5命令により免除
破壊試験の記録:
SCP-682がSCP-689のもとに曝されました。収容エリアの照明を消します。照明は5分間消したままでした。照明を点けました。SCP-689ははじめの位置のままです。SCP-682は灰色と黒色の液体の溜まり場の中におり、生命反応がありません。2人のエージェントの監視のもとで、DクラスがSCP-682の破壊を物理的に確認するため送り出されました。Dクラスが収容エリアに3歩踏み込んだところでSCP-682が突然起き上がりDクラス職員を攻撃しました。SCP-682は収容設備を破壊し逃走、この途上でエージェントを1名殺害しました。残った方のエージェントも試験の途中で偶発的にSCP-689を見てしまったため殺害されました。
メモ: SCP-682は未だに分からない方法でその時「生きて」いなかった、あるいはSCP-689に対し免疫があるようです。加えて、SCP-682は既にSCP-689のことを知っているか、あるいはどうやってか「死んだふり」をし逃走するためにSCP-689の能力を理解することができたようです。
682は689に○んだふりで対処したようです。
オブジェクトに通用するレベルの○んだふりとは……やはりそこが知れないですね。
アイテム: SCP-096
体組織による試験の記録:
N/A
破壊試験の記録:
SCP-096の収容タンクをSCP-682の区画に配置しました。職員は見えないところまで退避し、タンクは遠隔操作で開放されました。
2つの存在の叫び声が突然止むまで27時間にわたって続きました。音波ビデオ装置によってSCP-096は激しく「負傷」し、南西側の角で動揺したように萎縮していることがわかりました。SCP-682は部屋の北の隅でもとの質量の約85%を喪失していることもわかりました。再収容チームが両者をそれぞれの容器に戻しました。
SCP-096とSCP-682を再び引き合わせる試みは、096が682から顔を背け、自らの顔を引っ掻き吠えながら周囲を跳び回る結果に終わりました。
096を682と引き合わせる実験も行われました。
096は682の体の約85%を喪失させることに成功しましたが、終了までは至らなかったようです。
今回の記事はいかがでしたでしょうか。
財団職員が様々な方法でSCP-682の終了を試みていますが、いずれも致命傷には至っていないようです。
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それではまた次の記事でお会いしましょう。
タイトル: SCP Foundation
著者: SCP Foundation
ソース: http://www.scp-wiki.wikidot.com/
ライセンス: CC BY-SA 3.0
タイトル: SCP財団
著者: SCP財団
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/
ライセンス: CC BY-SA 3.0
タイトル: 実験記録-T-98816-oc108/682
原語版タイトル: Experiment Log T-98816-OC108/682
訳者: 29mo
原語版作者: Dr Gears
ソース: http://scp-jp.wikidot.com/experiment-log-t-98816-oc108-682
原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/experiment-log-t-98816-oc108-682
ライセンス: CC BY-SA 3.0
作成年: 2016
原語版作成年: 2008
この記事はCC BY-SA 3.0に基づき作成されています。