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【SkyDrive】空飛ぶクルマが常識を覆す~誰もが自由に空を走る未来~【前編】

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『空飛ぶクルマ』と聞いてあなたはどのような物をイメージするだろうか?
 
ドラえもんや鉄腕アトム、スターウォーズなど、多くの人は映画やアニメのSF作品を思い浮かべるかもしれない。つまり夢の世界ということである。

そんなSF世界の産物を、今まさに実現しようとしている人がいる。
その人こそ、今回取材させていただいた株式会社SkyDrive代表の福澤知浩さんだ。

SkyDriveは日本初の『空飛ぶクルマ』を開発している会社であり、2023年度の実用化を目標としている。2023年度と聞くとグッと身近に感じられることだろう。

空飛ぶクルマなら、信号にも渋滞にも止められることなく、自由に移動することができる。当然我々の生活は大きく変化していくだろう。

福澤さんが空飛ぶクルマを開発する裏には、どのような想いがあるのだろうか?そしてそれは私たちの未来をどのような世界にしてくれるのだろうか?

空飛ぶクルマを巡る過去と未来について、福澤さんに聞いてみた。

■なぜ『空飛ぶクルマ』なのか?

「我々は100年に1度のモビリティ革命をけん引する」
インタビューの冒頭で、福澤さんはこう力強く宣言してくれた。

福澤さんは学生時代からモノ作りが好きだった。特に新しい画期的なものができるストーリーが好きで、プロジェクトXに憧れていたという。

大学卒業後はトヨタ自動車に入社するが、自動車はそう簡単にイノベーションを起こせるものではなく、すぐに現実の壁に突き当たった。

そんな時、同じことを考えているメンバーが集まり、新しいことを始めようと有志団体CARTIVATORを立ち上げる。これが後に株式会社化されSkyDriveとなる。

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まずメンバー達で何を作ろうかと議論し、100個くらいのアイデアが出た。
地面を掘って進むクルマ、合体するクルマ、着せ替えができて見た目が変わるクルマ、2階建てのクルマ、そんな中から最終的に選ばれたのが『空飛ぶクルマ』だった。

例えば、スマホで空飛ぶクルマを呼び出して、どこかへ出かけられる世界。
楽だし、速いし、自分たちだったら絶対に欲しい。

もちろん、バッテリーの持ちが悪いから飛べる距離が短いといった技術的な課題。有人飛行においてどれだけ安全を担保できるかという安全性の課題。そして、安全性を証明して公的な機関から許可を得る、という認可の課題。

そんな課題はたくさんあるけれども、『空飛ぶクルマ』は絶対に必要とされる技術で、長期的には世界がそちらの方向に進むと彼らは確信していた。
それで『空飛ぶクルマ』を開発することに決めたのだった。

■SkyDriveは何が凄いのか

『空飛ぶクルマ』というと突飛なアイデアのように聞こえるが、実は世界レベルで見ると開発を進めている研究機関や会社はたくさんある。ここではSkyDriveのクルマの何が凄いのかを説明したい。

SkyDriveには2名の乗車が可能な『空飛ぶクルマ』と、重量物搬送用の無人機『カーゴドローン』の2つの製品がある。ここでは『空飛ぶクルマ』に絞って解説する。

SkyDriveのコンセプトカー、SD-XXの特長はまずコンパクトな機体であるということ。
サイズは全長4.0m、前幅3.5m、全高1.5m、大体乗用車を2台並べたほどの大きさをイメージしてもらえれば良いだろう。重さは500kg。

海外のものは10m四方くらいが普通なので、これはかなり小さめである。
二人乗りの軽くてコンパクトな機体、これがSkyDriveの『空飛ぶクルマ』なのだ。

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そして、二つ目の特長は安全性である。
サイズがコンパクトだと強度も低くなりがちだが、そこは十分な安全性を確保している。
また、飛行中に何らかの部品が壊れたとしても、他の部品で機能を引き継ぎながら飛び続けられるように設計されている。
さらに全ての部品は厳格な試験を繰り返し、信頼性を確保している。
 
海外の製品だと、飛べばOKというレベルの製品も多くみられる中、SkyDriveは最低でも専門家10人中8人以上は満足できるレベルの安全性を担保している。これは、一般の人が実際に『空飛ぶクルマ』を選ぶ時に、大きなアピールポイントとなるだろう。

■日本発の『空飛ぶクルマ』を目指して

新しいことを始める時に、決まって問題になるのは「お金」である。それはSkyDriveの場合も例外ではない。

最初に有志団体として開発を開始した時は自費で活動していた。その後、クラウドファンディングで資金調達したり、スポンサーを募ったりするが、それだけでは限界がある。

最後は事業を会社化し、株式調達で出資を受け、最終的にスポンサーや出資を受けた会社は、日本企業を中心に約100社にまで上った。

SkyDriveが日本発の会社というところに期待する人も多い。残念ながら近年の日本は、新技術ではアメリカや中国に遅れをとっているのが現状だ。だから、『空飛ぶクルマ』という次世代の技術で、日本が主導権を取ってほしいという願っているのだ。

実際、スポンサーとしてお金を出すのは難しくても、部品を提供してくれたり、専門的な人材を派遣してくれる会社もあったという。

この『空飛ぶクルマ』が実現した未来を考えることは楽しい。どんどん夢が広がってゆく。
たった自家用車2台分ほどのコンパクトな『空飛ぶクルマ』である。あなたなら何に使うだろうか?

エアタクシーとして、生活を便利にしてくれるだろう。
救命活動や自然災害時に活躍して、大勢の命を救うだろう。
そして、エンターテインメントや観光にも使われ、我々の生活を楽しく彩ってくれるだろう。

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空飛ぶクルマは文字通り「世界を変える」力を秘めているのである。

前編では空飛ぶクルマの出発点や、SkyDriveの革新性について解説した。
後編では
・『空飛ぶクルマ』が我々の生活をどのように変えていくのか?
・そして、その変化はいつ頃訪れるのか?

について深堀していきたい。

漫画=木野花ヒランコ(Twitter
取材・文=蔵本貴文(Twitter/Facebook
編集=中嶋駿(Facebook

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